ミアシャイマー「アメリカはイランに敗北し、世界は永遠に変わる」

ジョン・ミアシャイマー教授による、イラン戦争の結末に関するインタビュー。彼はこの戦争をアメリカ外交史上最悪の決断でありアメリカとイスラエルの壊滅的な敗北だと断罪している。

トランプ政権の「敗北」と絶望

トランプ大統領の支離滅裂な言動(午前中のイラン全滅の脅しから、夜の停戦提案への急転換)は、彼の「絶望的な焦り」を物語っている。

  • 屈辱的な譲歩: イラン側の最大限の要求である「10箇条の計画」を交渉の基礎として受諾した。これは事実上の降伏に等しい。

  • 目的の全失敗: 政権交代、核廃絶、ミサイル廃棄、代理勢力への支援停止。開戦時の目標は一つとして達成されなかった。

  • イランの優位: ホルムズ海峡の支配権を完全に握ったイランは、開戦前よりも強固な交渉力を手に入れている。

世界恐慌への恐怖が背中を押す

トランプがプライドを捨ててまで停戦を急ぐ最大の理由は、世界経済の崩壊を阻止するためだ。

  • エネルギー価格の高騰と物流停止により、1920年代後半を超える規模の**「世界大恐慌」**が目前に迫っている。

  • 中国、ロシア、インドを含む世界各国から、経済破綻を避けるための凄まじい圧力がかかっている。

地政学的パワーバランスの激変

  • 米軍の投射能力喪失: 中東に展開していた13の基地が破壊・損傷し、地域への影響力は激減した。

  • 米イスラエル関係の亀裂: 「イスラエルに引きずり込まれて惨敗した」という認識が米国内で広まり、歴史的な不信感が生じている。

  • 中露の台頭: アメリカが混乱を招く一方で、中国とロシアが停戦を促す「責任ある大国」として存在感を高めている。

国内政治の崩壊とJD・ヴァンスの役割

  • 「強い指導者」像の終焉: トランプのブランドは地に落ち、政権は末期状態にある。

  • ヴァンスへの依存: 和平交渉の成否は、交渉チームを率いるJD・ヴァンス副大統領に託されている。しかし、譲歩による和平は国内タカ派(ネオコン)からの激しい攻撃を招くリスクも孕んでいる。

「非合理的」な戦争の証明

ミアシャイマーは、この戦争を「理論的に破綻した非合理的な決定」だったと分析している。

  • 空爆頼みの限界: 「空爆だけで政権交代が可能」という、歴史上一度も証明されたことのない誤った理論に基づいた。

  • 判断力の欠如: ウクライナ戦争と同様、アメリカのエリート層が現実を直視できず、理論なき戦略に走った結果がこの惨状だ。

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