自衛隊を「党の軍隊」だと思っている自民党に文民統制の能力なし

自民党12日の自民党大会では売れなくなって政治家目指して落選したミュージシャンが、持ち歌の女の名前を総理の名に代えてご機嫌をとり結ぶという醜い動画が公開されました。次の選挙で自民党の公認になれるといいですね(笑

まあ売れない芸人のことはいいのですが、陸自の中央音楽隊のソプラノ歌手を呼び寄せて、君が代歌わせました。まるで自衛隊が党の軍隊みたいです。

まるで中国共産党です。もっと悪いか。人民解放軍は党の軍隊、すなわち、党の持ち物なので党大会などで使っても何の法的な問題もありません。

ところが我が国は一党独裁ではなく、議会制の民主国家です。政権与党が党のためという「私事」のため自衛隊を利用するのは法的にも道義的にも許されません。企画段階でこういう案がでてもまともな判断ができる人間なら採用しないでしょう。

つまり自民党は中国共産党より相当程度がわるい政党だということです。

そしてその模様を嬉々としてXに投稿していた議員がいました。その中には小泉防衛大臣も含まれています。大臣は後でまずいと思ったのか投稿を消しています。

自衛隊を「うちの奉公人」みたいな感覚で使って問題ないと思っている連中に文民統制ができるのでしょうか。以前稲田朋美防衛大臣(当時)は自衛官は自民党に投票しろと呼び掛けて顰蹙を買いましたが、同じようなメンタリティーの議員が多いということでしょう。

自衛隊法第61条には以下のようにあります。

隊員は、政党又は政令で定める政治的目的のために、寄附金その他の利益を求め、若しくは受領し、又は何らの方法をもつてするを問わず、これらの行為に関与し、あるいは選挙権の行使を除くほか、政令で定める政治的行為をしてはならない。

自衛隊法 第61条 第1項(政治的行為の制限)|Lawzilla(迷わない法令データベース)
自衛隊法第61条第1項(政治的行為の制限):隊員は、政党又は政令で定める政治的目的のために、寄附金その他の利益を求め、若しくは受領し、又は何らの方法をもつてするを問わず、これらの行為に関与し、あるいは選挙権の行使を除くほか、政令で定める政治...

まさにこれに該当しているのではないでしょうか。

問題ないというのであれば共産党も出演依頼をお願いすべきです。

防衛省は恵比須顔で快諾してくれるでしょう。

こういうことを政治から要求されても防衛省や陸幕は断るべきです。

あなた方は自民党が無辜の国民を撃てと命じれば銃を向けるのでしょうか?

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馬鹿が戦艦でやってくる!

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いずも級、22DDHは駆逐艦に非ず。 (清谷防衛経済研究所) – 清谷信一
暴力装置 (清谷防衛経済研究所) – 清谷信一

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拡大する防衛費を防衛省・自衛隊が適切に使えていない可能性。陸上自衛隊による、銃の調達や取り扱いから垣間見える「知識不足」の疑い
https://toyokeizai.net/articles/-/911653
ソニーグループが「隠れた防衛関連企業」といわれる理由、実は同社製のある汎用品がミサイルやドローンなどに欠かせないパーツになっていた
https://toyokeizai.net/articles/-/907817

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防衛破綻 – 清谷 信一


専守防衛 – 清谷 信一


編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2026年4月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。

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コメント

  1. 早川蒼真 より:

    記事を拝読いたしました。自衛隊を私物化してはならないという大前提や、シビリアンコントロールの重要性についての問題提起には賛同いたします。

    その一方で、本件については、事実関係の整理と法的検討がやや粗いように感じます。

    ① 事実関係の整理について
    まず、今回の件は「音楽隊が公務として派遣された」と確認された事案として論じるよりも、防衛省・陸上自衛隊の説明を踏まえ、「当該自衛官が職務ではなく私人として、イベント会社からの依頼を受けて国歌を歌唱したとされている事案」として論じるべきだと思います。
    また、自衛隊の音楽隊による演奏それ自体は、もともと各種の公的行事や式典、スポーツ関連行事など幅広い場面で行われてきました。陸上自衛隊中央音楽隊の公式説明でも、中央競馬のGIファンファーレやワールドカップ、各種式典での演奏が任務として示されています。したがって、「自衛官が歌った・演奏した」という一点だけから、直ちに「党の軍隊」と結論づけるのはかなりの飛躍があります。

    ② 法的検討の深掘りについて
    自衛隊法第61条に着目した点自体は、出発点として妥当だと思います。しかし、専門的に論じるのであれば、そこで止まるのでは足りません。
      率直に申し上げて、高校生の公民レベルに留まっていると言わざるを得ません。
    少なくとも、次の資料までは踏み込んで、今回の事案がどの規定にどのように関係するのかを具体的に示していただきたかったです。
    ・自衛隊法施行令第86条、第87条
    ・防衛省の広報活動に関する訓令
    ・防衛省・自衛隊における広報活動の基本方針について(通達)
    ・国家公務員法第102条
    ・人事院規則14-7(政治的行為)
    ・国会会議録
    これらを踏まえて初めて、違法の問題なのか、不適切だが直ちに違法とは言えない問題なのか、あるいは制度上の不備の問題なのかを、きちんと切り分けて論じることができるはずです。

    ③ 「共産党も出演依頼すべき」との議論について
    これは皮肉として書かれたのだとは思いますが、現実にはそんな単純な話では済まないと思います。公安調査庁は、日本共産党について、破壊活動防止法に基づく調査対象団体であると明記しています。また、自衛隊に対して厳しい批判や強い対立姿勢を示してきた政治勢力や言論が存在することも事実です。また、民主党系の議員においては、過去に国家公務員を取り囲んで激しい罵声やヘイトともとれる危害を加えた前例があります。両党ともに自衛隊に対する強烈なヘイトや批判的立場を有しています。

      したがって、安全が保障できない問題を無視して、「自民党で問題ないなら他党でも同じだろう」というのは、隊員の安全配慮義務の観点から見ても、単純な比較論は成立しません。自衛隊員の安全に疑念を生じさせないことまで含めて、判断が必要だと思います。

      政治権力を監視することは必要です。しかし、そのためには感情的なレッテル貼りではなく、まず事実関係を正確に押さえ、その上で法令・訓令・通達・判例・立法趣旨まで丁寧に掘り下げて論じるべきではないでしょうか。
      今後は、より多角的で深い法的検討に基づく建設的な論考を期待しております。