引っ越しした知人が不用品廃棄の費用を含めると100万円もしたというので、驚きました。引っ越し代そのものより、不用品の処理に多額の費用が掛かっているようです。その話を聞いて、私もそろそろ将来設計をしておかなければと思いました。
連休期間中は住民のゴミ出しも少ないだろうから、断捨離を兼ねて自分で処理できる不用品は処理しておこうと考え、実行に移しました。ほとんど使っていない、読まない、見ない不用品はタンスや本棚などの家具類、食器類、衣類、書籍、アルバムなど恐らく2部屋分になるでしょう。
自分で運び出せない不用品もたくさんあります。そこで近郊への仮定の引っ越し先を伝え、引っ越し業者に引っ越し代、不用品廃棄・処理費用の見積もりをしてもらいました。

引っ越し代39万円、廃棄物処理38万円
A社の見積もりは合計76円で、引っ越し代39万円、廃棄物処理38万円でした。使う物の移動費用と使わない物の処理費用がなんとほぼ同じで、釈然としない気持ちでした。この二つはほぼ同量のはずで、その搬出、トラックへの積み込み、荷下ろしなどの作業はほぼ同じです。引っ越しも廃物処理も2㌧トラック2台、作業員3人と、同程度などで同額なのでしょう。
相みつを取ったB社は合計52万円で、引っ越し代29万円、廃棄物処理23万円でした。かなり安くなっても、廃棄物処理費用は確かに多い。A社は全国チェーンで積み荷のチェック項目が割高で定型化しています。地元の中小企業であるB社は「トラックの台数、作業員の人数が決まれば、その範囲に収まれば、積み荷の種類、数量に関係なく料金が決まるので安くなる」との説明でした。さらに地元の処理場を使う分、安くなるのかもしれません。
それにしても、不用になった廃棄物処理の料金が高い。そこで地元の市役所が指定している産業廃棄物業者に見積もりをとってもらいましたら、「22万円はかかる」とのことでした。B社と同額です。このあたりが平均的な料金なのかもしれません。Å社は廃棄物は別の処理業者に作業を丸投げし、マージンをとっているのかもしれません。
引っ越しの際は、市役所がやっている通常のごみ処理(有料のビニール収める)、あるいは粗大ゴミ(長さ50㌢を超える廃棄物)として品目ごとに料金(布団200円、金属製の脚立500円など)が決まっており、でできるだけ事前に処理しておくと経費を節約できる。
リユース、リサイクルを広めよう
業者はどのように不用品・廃棄物を処理しているのでしょうか。
- リユース(再利用)で、中古品市場への転売や輸出。
- 資源化してリサイクル。金属類、紙類、プラスチック類など。
- 焼却、埋め立て。再利用も資源化できない物。
- 家電リサイクル法(エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機)で処理。
「一般ごみがピーク比3割減。有料化、再利用が進み、ピークだった00年度の5480万㌧に比べ、24年度は過去最少」(日経9日朝刊)との記事を読みました。「人口減、ごみ収集の有料化、中古品市場の拡大などによる」と分析しています。
もっとも排出量は減っても、収集は焼却にかかる処理費用は24年度は2兆4000億円で10年で5000億円増えたと紹介しています。
使えても市場価値がゼロになってしまう愚
ごみ問題はいろいろな角度から分析できるでしょう。私は「日本の木造住宅の耐用年数は減価償却が終わる30年程度で、市場価値がゼロになってしまう。価値がゼロだから住宅を解体し、更地にして敷地を売却する。その際、大量の不用品・廃棄物もでるという問題もある」と思います。
ヨーロッパでは、100年以上も使うなど住宅寿命が長い。住宅は次世代に引き継ぐ資産であり、家具類も祖先から代々、引き継げる。日本は消費財としての価値しかなく、家財類もごみとして処分されるものが多い。資産として価値が続く住宅、消費財として価値がなくなる住宅の差は大きい。
日本では、一戸につき、30年ごとに数千万円の資産がゼロになり、国富(ストック)が減る。新しく住宅を建築すれば、数千万円のフロー(国民総生産=GDP)が生まれ、経済成長にはカウントされます。その一方でストックとしての価値が失われていきます。
ざっと計算すれば、数千万円の新築物件が生まれる一方で、数千万円の価値が消滅する。これをどう考えるかです。毎年のフローにこだわる経済思想から、ストックを重視する経済思想がもっと重視されてていいはずです。
編集部より:この記事は中村仁氏のnote(2026年5月9日の記事)を転載させていただきました。オリジナルをお読みになりたい方は中村仁氏のnoteをご覧ください。







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