「地獄に堕ちるわよ」:細木数子の「反社交際」で再燃する功罪論

Netflixシリーズ「地獄に堕ちるわよ」が話題を呼んでいます。題材となっているのは、「大殺界」や「地獄に堕ちるわよ!」の決めぜりふで一世を風靡した占い師・細木数子さん。戸田恵梨香さんが17歳から晩年に近い時期までの細木さんを演じます。

物語は、戦後の貧困から始まります。数子は「他人に利用されまい」と決意し、3坪の店を足がかりに商売を始め、やがて銀座へ進出していきます。

大地主の御曹司との結婚、クラブ経営、詐欺的商法への疑惑、裏社会の影、占い師との出会い、大スターとの関係などを通じて、彼女が「時代の寵児」になっていく過程が描かれます。

暴力団との関係は実話

とりわけ注目されているのが、細木数子さんと反社会的勢力との関係です。細木さんについては、過去に暴力団関係者との交際や、裏社会との深い関係が指摘されてきました。今回のドラマでも、その暗部にどこまで踏み込むのかが大きな関心を集めています。

ネット上では、評価が分かれています。一方では、「戸田恵梨香の演技が圧巻」「昭和から平成にかけてのテレビと占いブームの空気がよく出ている」「細木数子という人物を知らない世代にも興味深い作品」といった肯定的な声があります。

単なる暴露ドラマではなく、貧困、男社会、芸能界、テレビ、占いビジネスが複雑に絡み合う時代劇として楽しめるという見方です。

その一方で、「反社との関係を美化しているように見える」「被害者や周辺の人々への視点が弱い」といった批判も出ています。細木さんを完全な悪人として断罪するわけでもなく、かといって善人として救済するわけでもない作りのため、視聴者に判断を委ねる構成になっています。

細木数子さんは、単なる毒舌占い師ではありませんでした。占い、テレビ、出版、芸能界、裏社会、宗教的商法が交差する場所にいた人物でした。だからこそ、このドラマは「面白い成り上がり物語」としてだけ見るには危うさがあります。

彼女を持ち上げたメディア、彼女の言葉に恐怖と救いを求めた視聴者、そしてその周辺で利益を得た人々もまた、同じ時代の共犯者だったのではないでしょうか。

「地獄に堕ちるわよ」という言葉は、かつては他人を脅す言葉でした。しかし、このドラマを見終えると、それは細木数子さん自身にも、彼女を消費したテレビにも、そしてその時代を笑って見ていた私たちにも向けられていたように聞こえてきます。

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