「万世一系」も「男系の皇統」も歴史の偽造

現在、国会などでも議論されている「皇室典範」の改正と皇位継承問題。その中で一部の政治家や保守派が固執する「男系男子」による継承ルールは、本当に日本古来の伝統なのでしょうか?

「126代続く男系の血統」という幻想の正体と、これからの皇位継承のあるべき姿について鋭く切り込みます。

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コメント

  1. 早川蒼真 より:

    Claude Opus 4.8の実力はだいたいこんな感じです。

    ## 専門用語解説(はじめに読んでね)

    このコメントには、ちょっと難しい言葉が出てきます。先に説明しておきます。本文を読むときに、ここに戻ってきて確認してください。

    **皇室典範(こうしつてんぱん)**
    天皇や皇族のルールを決めた法律です。「誰が次の天皇になれるか」などが書いてあります。

    **皇統(こうとう)**
    天皇の家系(血のつながり)のことです。「天皇の血すじ」と思ってください。

    **男系(だんけい)**
    お父さん、そのお父さん……と「お父さん側だけ」をたどっていくと、昔の天皇に行き着く血すじのことです。たとえば「自分→父→そのまた父→…→天皇」とつながっていれば男系です。お母さんが天皇の娘でも、お父さんが天皇の血をひいていなければ男系ではありません。

    **女系(じょけい)**
    お父さん側をたどっても天皇に行き着かず、お母さん側を通してだけ天皇とつながっている血すじのことです。歴史上、こういう天皇は一人もいませんでした。

    **女性天皇(じょせいてんのう)**
    「女の人の天皇」のことです。昔、8人(即位した回数でいうと10回)いました。ただし、この人たちはみんな「男系」でした。つまり「女性だけど、お父さん側をたどると天皇に行き着く人」だったのです。だから「女性天皇がいた」ことと「女系天皇がいた」ことは、まったく別の話です。ここがこのコメントで一番大事なポイントです。

    **万世一系(ばんせいいっけい)**
    天皇の家系が、大昔から今まで一度も途切れず、ずっとひとつの血すじで続いてきた、という考え方です。

    **持統天皇(じとうてんのう)・文武天皇(もんむてんのう)・元明天皇(げんめいてんのう)・元正天皇(げんしょうてんのう)**
    昔の天皇たちの名前です。池田さんは「この人たちは女系の天皇だ」と言っていますが、あとで説明するように、これは間違いです。

    **草壁皇子(くさかべのおうじ)**
    天武天皇(てんむてんのう)という天皇の息子です。若くして亡くなりましたが、その子どもや孫が天皇になりました。

    **大宝律令(たいほうりつりょう)・継嗣令(けいしりょう)**
    今から1300年くらい前に作られた、日本の古い法律です。「継嗣令」はその中の、跡継ぎについて決めた部分です。

    **有識者会議(ゆうしきしゃかいぎ)**
    えらい専門家たちが集まって、政府にアドバイスをするための話し合いの会です。

    **旧宮家(きゅうみやけ)系男系男子**
    昔は皇族(天皇の親せき)だったけれど、戦後に皇族でなくなった家の、男の子のことです。「この人たちを養子にして皇族に戻したらどうか」という案があります。

    **国連の女子差別撤廃委員会(じょしさべつてっぱいいいんかい)**
    世界の国々が集まる国連という組織の中の、「女の人が差別されていないか」を見はる委員会です。

    **サリカ法(ほう)**
    ヨーロッパの古い決まりで、「男の人だけが跡を継げる」というルールです。

    ## 池田信夫氏の記事へのコメント

    池田さん、記事を拝読しました。皇位継承という、日本にとってとても大切なテーマに正面から向き合っておられる姿勢には敬意を感じます。賛成できるところと、どうしても「それは違う」と言いたいところがありますので、率直に書かせていただきます。

    ### まず、賛成できるところ

    池田さんが「このまま放っておいてよいのか」と問いかけている、その問題意識そのものには、私も強く賛成します。

    いまの皇室典範は、皇位を継げるのは「皇統に属する男系の男子」だけ、と決めています。だから、いまの天皇皇后のお子さまである愛子内親王殿下には、皇位を継ぐ資格がありません。直系のお子さまがいらっしゃるのに、です。継承順位の第一位は秋篠宮殿下になっています。「これでいいのだろうか」と疑問に思うのは、自然な気持ちだと思います。

    そして何より、皇族の数がどんどん減っているという現実があります。男の子が生まれなければ、将来、天皇の家系が続けられなくなるかもしれません。これはとても深刻な問題です。だからこそ「女性天皇を認めるべきではないか」という議論を、タブー(話してはいけないこと)にしてフタをしてしまうのではなく、国民みんなで真剣に話し合うべきだ――この点については、私はまったく同感です。

    実際、2005年の小泉内閣のときには、有識者会議が「女性天皇や女系天皇を認めてもよいのではないか」という方向の報告書を出しました。2021年の有識者会議でも、「女性皇族が結婚したあとも皇族のままでいられるようにする案」や「旧宮家系の男系男子を養子にする案」が検討されています。皇室を未来に残すために、現実的な制度をきちんと考えていこう、という池田さんの姿勢には、私も賛同します。

    ところが――です。ここからが、どうしても申し上げたい「反論」です。

    ### 一番大事な反論:「女性天皇」と「女系天皇」を混同しています

    池田さんの記事には、いくつも事実の誤りがあります。その中でも一番重大なのは、**「女性天皇」と「女系天皇」をごちゃまぜにしてしまっている**ことです。ここが崩れると、記事全体の主張が成り立たなくなってしまいます。

    もう一度、言葉の意味をはっきりさせます。

    – **男系**とは、「お父さん側だけ」をたどっていって、昔の天皇に行き着く血すじのことです。
    – **女系**とは、お父さん側をたどっても天皇に行き着かず、お母さん側を通してだけ天皇とつながっている血すじのことです。

    ここで大事なのは、**男系か女系かは、「お父さんが誰か」だけで決まる**ということです。「お母さんが強い力を持っていたか」とか「誰が次の天皇を指名したか」とは、まったく関係ありません。

    池田さんは、持統天皇の血すじだから、文武天皇・元明天皇・元正天皇は「女系の天皇だ」とおっしゃっています。さらに「持統天皇が指名したのだから、明らかに女系の天皇だ」とまで言っています。

    でも、これは間違いです。

    – **文武天皇**のお父さんは草壁皇子です。草壁皇子のお父さんは天武天皇です。つまり、お父さん側をたどれば天皇に行き着きます。これは立派な**男系**です。
    – **元正天皇**も、お父さんは同じ草壁皇子です。やはり**男系**です。
    – **元明天皇**は、お父さんが天智天皇です。これも**男系**です。

    つまり、池田さんが「女系天皇の例だ」として挙げた人たちは、全員が「男系」なのです。これでは、反例(反対の例)になっていません。むしろ、男系の天皇の例になってしまっています。

    そして、「持統天皇が指名したから女系だ」という言い方も、論理がおかしいです。誰かが「あなたを次の天皇にします」と指名しても、その人のお父さんが誰かは変わりません。指名によって男系が女系に変わることなど、絶対にないのです。

    歴史をふり返ると、女性の天皇は8人(10回)いました。でも、その全員が「お父さん側をたどれば天皇に行き着く男系の女性天皇」でした。**お父さん側に天皇の血をひかない「女系天皇」は、歴史上ただの一人もいなかった**のです。

    ですから、皮肉なことですが、この一点については、池田さんが批判している保守派の「女系天皇は一人もいない」という主張のほうが、歴史の事実に合っているのです。

    ### 二つめの反論:大宝律令の解釈が飛躍しています

    池田さんは「大宝律令の中に、女系の子どもでも構わない、というルールが書いてある」とおっしゃっています。

    たしかに、継嗣令には「女帝子亦同(女帝の子もまた同じ)」という一文があります。でも、この意味については、専門家の間でも意見が分かれています。「女帝(女性天皇)の子どもを、皇族として扱うための身分のルールだ」と考える説も有力です。

    つまり、この一文だけを根拠に「だから昔は女系天皇が認められていた」「実際に女系天皇がいた」と言い切るのは、かなりの飛躍です。「女性天皇はいたけれど、女系天皇はいなかった」と整理するほうが、ずっと自然です。

    ### 三つめ以降の反論:大事な事実の誤り

    ほかにも、見過ごせない誤りがいくつもあります。

    **経緯の話**:池田さんは「小泉内閣のときに改正がいったん決まったのに、安倍内閣がそれをひっくり返した」とおっしゃいます。でも、2005年の有識者会議が報告書を出したのは事実ですが、法律として「決まった」わけではありません。法案を出すのを見送ったのは、2006年に悠仁親王殿下のご懐妊が報じられたためで、見送りを決めたのは小泉内閣自身です。安倍内閣がひっくり返したという言い方は、順番が雑です。

    **国連の話**:「小泉内閣のときに国連から男女差別だと勧告された」とありますが、これも時期が合いません。国連の女子差別撤廃委員会が皇位継承について言及したのは2016年や2024年の話で、小泉内閣のときの議論とは別のものです。

    **外国の王室の話**:「先進国で女性に継がせない国はない」とおっしゃいますが、これも言いすぎです。ヨーロッパのリヒテンシュタインは、いまでも男系男子だけが継ぐルール(サリカ法)を続けています。

    **初期の天皇の話**:「神武天皇はもちろん存在していない」「最初の20人くらいは適当に作った」と断言されていますが、これも乱暴です。たしかに、古い記録をそのまま事実と受け取るのは難しいです。でも、学問のうえでは「実在を確認できない」「伝説的だ」と言うべきで、「もちろん存在していない」と言い切るのは、保守派とは反対方向の、これまた雑な決めつけになってしまっています。

    ### まとめ

    池田さんが「皇位継承の問題から目をそらさず、しっかり議論しよう」とおっしゃっている点には、心から賛成します。皇族が減っているという現実を考えれば、女性天皇を認めるかどうかを、国民みんなで真剣に話し合うべきです。

    でも、その大切な主張を支えるために、歴史を強引に読みかえてしまってはいけません。「過去にも女系天皇がいた」と言う必要は、まったくないのです。

    正しくは、こう言うべきだと思います。

    **「過去に女性天皇はいた。でも、女系天皇はいなかった。だからといって、これからも認めてはいけないという話にはならない。皇族が減っているいまだからこそ、女性天皇、さらには女系天皇を認めるかどうかも含めて、国民みんなで議論すべきだ」**

    過去の事実(女系天皇はいなかった)と、これからどうするか(女系天皇を認めるか)は、別の問題です。ここを分けて考えれば、池田さんの「議論しよう」という主張は、もっと説得力を持つはずです。

    皇室を未来に残すために必要なのは、保守派による神話づくりでも、改革派による歴史の読みかえでもなく、正しい事実にもとづいた、冷静な話し合いだと思います。池田さんのような影響力のある論者だからこそ、男系・女系の定義だけは正確に押さえたうえで、堂々と「愛子天皇を議論しよう」と主張していただきたいと願っています。