視力は、姿勢で決まる。器具もサプリも要らない

Misaso/iStock

結論から言う。子どもの目を守りたいなら、まず姿勢を直せ。話はそれからだ。

高い器具。サプリ。ブルーライトカットの眼鏡。親心につけ込む商品はいくらでもある。だが、いちばん効くのはタダだ。座り方。それだけ。拍子抜けするだろうが、本当なのだから仕方がない。

子どもの目が勝手によくなる 遊ぶだけ! 超視力アップドリル』(平賀広貴 著)日本文芸社

正しい姿勢は、目を守るだけの話ではない。集中が続く。覚えたことが頭に残る。目と頭は、背骨を通じてつながっている——と言うと大げさに聞こえるかもしれないが、実感としてはそういうことだ。だからまず、家庭でお子さんの座り方を見てやってほしい。叱る必要はない。見るだけでいい。

理想はシンプルで、「机と椅子をちゃんと使う」。これに尽きる。椅子に深く腰かけ、背もたれに軽く背中をあずける。足の裏が床か足置きにつくよう、椅子の高さを合わせる。

机は、ひじを置いて無理なく手が動く高さ。これだけで、目と対象の距離は勝手に適切なところへ収まる。何も考えなくていい。姿勢が整えば、距離は後からついてくる。

問題はいつも、崩れたほうだ。寝転がって画面を見る。体を傾けてのぞき込む。そして猫背。とりわけ猫背がたちが悪い。顔を画面に近づけると、首まわりの血管が押しつぶされ、血の巡りが落ちる。

目というのは、体のなかでも血液を大量に食う器官だ。血が滞れば動きは鈍り、その巻き添えで脳への血流まで落ち、集中力ごと沈んでいく。おまけに近くを見続ければ、ピントを合わせる筋肉は緊張しっぱなし。疲れがたまる。じわじわ効いてくる。地味に、確実に。

ここで一つ、知っておいてほしいことがある。目は、カメラのレンズではない。脳の出張所のようなものだ。私たちは目で見ているつもりで、その実、最後は脳が処理して、はじめて「見えた」になる。姿勢が崩れて血が滞ると、その処理そのものが鈍る。つまり、姿勢の話は行儀の問題ではない。脳の働きの問題なのだ。子どもなら、なおさら響く。

横向きで見る癖も、やめさせたい。左右の目で距離も角度も変わるから、片方だけが酷使される。気づいたときには、左右の視力差が開いている。後から戻すのは、骨が折れる。

最後に機器の話。スマホ、タブレット、パソコン、テレビ。どれも同じICT機器だが、目への負担は横並びではない。いちばんの厄介者はスマホだ。画面が小さい。だから顔を近づける。だから姿勢が崩れる。負担の少なさは、ざっくり「スマホ<タブレット<パソコン<テレビ」。

皮肉なことに、いちばん長く握っているのが、いちばん負担の大きいスマホ、ときている。何を見るかより、どんな姿勢で見るか。お子さんの背中ごしに、そっと確かめてほしい。

尾藤克之(コラムニスト、著述家、作家)

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