ファイターズ指定管理参入!札幌市の公共施設改革は進むか?

北海道日本ハムファイターズ関連会社のファイターズ スポーツ&エンターテイメント(FSE)が、2027年度から北海道立施設の指定管理者公募に応募を検討していると表明しました。対象施設は北海きたえーる(豊平区)または真駒内公園(南区)です。

エスコンフィールドHOKKAIDOの成功ノウハウを生かし、将来的に「指定管理料ゼロ(公費投入ゼロ)」を目指すという意欲的な挑戦です。

今回は指定管理者制度の概要や、ファイターズ参入によって期待される効果をわかりやすくまとめながら、私が札幌市議会で指摘した札幌市の指定管理の問題点(非公募指定が多すぎる)についてお伝えします。

北海きたえーる

指定管理者制度に期待される効果

指定管理者制度は2003年の地方自治法改正で導入されました。自治体が設置する「公の施設」(体育館、公園、区民センターなど)の管理・運営を、民間企業・NPO・団体などに任せる仕組みです。従来の管理委託より幅広い主体が参加可能になり、民間の企画力や経営ノウハウを活用できます。

期待される効果

  • 住民ニーズに柔軟に対応したサービス向上(開館時間の延長、イベント企画、利用者目線の改善)
  • 経費削減と効率化(自主財源確保による公費抑制)
  • 地域活性化と施設の持続可能性確保(集客増加、雇用創出、新たな事業展開)

成功事例では利用者数増加とコストダウンが同時に実現しています。一方で、指定管理者の選定ミスによるサービス低下リスクもあり、自治体の適切なモニタリングが不可欠です。

ファイターズ参入で北海きたえーる・真駒内公園はどう変わるのか

ファイターズはFビレッジ運営で培った集客力・イベント企画力・収益モデルを投入する方針です。期待される変化は以下の通りです。

  • 集客力アップ:コンサート、スポーツイベント、ファン参加型プログラム増加。きたえーるではレバンガ北海道との連携、真駒内公園では五輪遺産を生かした観光・スポーツ複合イベント。
  • 収益力強化:スポンサー・グッズ・飲食事業拡大で自主財源を増やし、公費依存を低減。将来的に「道民負担ゼロ」へ。
  • サービス向上:アプリ予約、清掃・利便性改善、健康促進プログラムなど利用者目線の運営。
  • 持続可能性:人口減少時代でも施設を維持・活性化するモデルケースに。

これらはまさに指定管理者制度が目指す「民間活力活用」の理想形です。

札幌市の指定管理施設の実態

札幌市では424施設(令和7年4月1日現在)が指定管理者制度で運営されています。

主な指定管理施設の例

スポーツ施設:札幌ドーム(大和ハウス プレミストドーム、株式会社札幌ドームが指定管理者)、月寒体育館(屋外競技場・カーリング場含む)、中島体育センター、各区体育館、各温水プールなど

  • 公園・緑地:大通公園、中島公園、円山公園、旭山記念公園、百合が原公園、モエレ沼公園、平岡樹芸センターなど
  • 文化・ホール施設:市民ホール(カナモトホール、大和リース株式会社が指定管理者)、市民ギャラリー、時計台、豊平館など
  • コミュニティ施設:各区民センター、各地区センターなど
  • その他:コンベンションセンター、さとらんど、社会福祉総合センター、国際交流館、留学生交流センター、北3条広場、駅前通地下広場、市営住宅など

札幌市は「非公募指定」が多すぎるのか?

一方で、札幌市の指定管理者制度には深刻な課題があります。私は令和6年9月27日の札幌市議会代表質問で、秋元市長に直接問いかけました。

札幌市議会にて代表質問を行う筆者

札幌市の指定管理施設424施設のうち、54%に当たる232施設が「非公募」による指定です。さらにその約7割(169施設)は、札幌市が出資する出資団体(いわゆる第3セクター)が担っています。全国政令市20市の平均(非公募の割合)は28.2%であり、札幌市は突出して非公募割合が高いのです(大阪市0.2%、堺市1%、さいたま市4.2%など)。

例えば、スポーツ施設約30施設では「一般財団法人札幌市スポーツ協会(第3セクター)」が非公募で指定され、札幌ドームも「株式会社札幌ドーム(第3セクター)」が非公募で指定管理を担っています。

非公募による指定の問題点と市民への弊害

  • 競争原理が働かない:民間事業者間の競争がないため、コスト削減努力や革新的サービスが生まれにくい。
  • 税金の過剰投入:民間活力で削減可能な経費が抑制されず、市民の税負担が増大。指定先が市の出資団体ばかりに偏ることは「天下り」の温床にも。
  • 住民サービス向上の停滞:他都市では、例えば民間スポーツジム運営会社が市の体育館の指定管理者となり、キャッシュレス支払いの導入や平日の利用促進、魅力的なプログラム提供を実現しています。
  • 透明性・公平性の低下:原則公募という制度趣旨が形骸化し、民間参入機会が制限される。

私は市議会で「原則通り公募を徹底すべきではないか」と指摘しました。市長答弁では「施策一体性や長期運営が必要な場合は非公募も認める」とされましたが、半数以上が非公募で、例外が原則を上回る現状は明らかに問題です。

旧永山武四郎邸が公募による指定管理(民間事業者)で年間4万7千人を集客する名所に生まれ変わった成功事例のように、公募の徹底によって市民利益につながります。仮に非公募を公募に切り替えた場合の「弊害」についても市長に問いましたが、具体的な懸念は示されませんでした。一部の既得権益を守るためではなく、徹底した行財政改革で経費削減と市民サービス向上を図るべきです。

今回のファイターズの指定管理参入のように、札幌市でも民間事業者のアイデアやノウハウを最大限に生かした公共施設の管理運営が広がるように、引き続き改善を求めてまいります。

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