「俺は中村敬斗になる」。そう思う子供が増えたことだろう。
サッカー日本代表の中村敬斗選手がワールドカップで活躍中だ。オランダ戦での先制ゴール、チュニジア戦での先制点のアシストと、攻守に躍動している。守備に奔走しつつも、スピーディーなドリブルでサイドを駆け上がり、1対1で相手をかわし、中へ切り込み、鋭いシュートを放つ。もしくは、縦に突破し、正確なクロスを上げる。
そして、高度な技術はもちろん、プレーに遊び心も見られる。というのも、中村選手は子供のころに「俺はロナウジーニョ(サッカー・ブラジル代表)になる」と決意したそうだ。その少年はアメリカ・カナダ・メキシコの舞台で、ロナウジーニョばりに躍動している。
「中村敬斗」とは何者か?
フランス2部リーグのスタッド・ランス所属で、日本代表でも主力を務める中村選手。ポジションはFW(左ウイング)、MF(主に左ウイングバック・左ハーフ)。利き足は右足。身長180cm、体重73kg、血液型はA。
2000年7月28日、千葉県我孫子市出身。市立高野山小学校、市立我孫子中学校、県立柏南高校、大阪に移って通信制の向陽台高校へ転校、そして卒業。
サッカーでは、高野山少年サッカースポーツ少年団(SSS)、柏イーグルスTOR82、柏レイソルU-12、小6で高野山少年サッカースポーツ少年団(SSS)に戻り、中学年代から著名な街クラブの三菱養和SCジュニアユース、同ユースを経て、高校生だった2017年にガンバ大阪とプロ契約。

(出典)日本サッカー協会
2018年シーズンからガンバでプレーし、当時J3に参入していたガンバのU-23チーム、J1のトップチームでプレー。ルヴァンカップのニューヒーロー賞にも選ばれている。その後、オランダ1部のトゥウェンテではリーグ戦17試合4得点も、ベルギー1部のシント=トロイデンでは5試合1得点と振るわなかった。
その後、オーストリア2部、FCジュニアーズOÖ(LASKリンツのセカンドチーム)で活躍し、1部LASKリンツに昇格。そこでの活躍を経て、2023年にフランスのスタッド・ランスへ移籍。毎シーズン10得点以上を挙げるなど活躍している。
世代別代表では2017年U-17ワールドカップの代表に選ばれている。フル代表初出場は2023年3月24日のキリンチャレンジカップでのウルグアイ戦である。日本代表では現時点で通算27試合で11得点。
プレーの特徴は、第一に、決定力があること。シュートの正確性でゴールを量産してきた。特筆すべきは、「敬斗ゾーン」と呼ばれるペナルティーエリア左側からのシュートで、サッカーファンの間では有名である。第二に、ドリブルが得意であること。ドリブルで自ら仕掛けて局面を打開してきた。第三に、精力的に守備をすることである。
「声診断」が明かす中村敬斗選手の素顔とは?
日本声診断協会の代表理事であり「声診断」の開発者として数々の著名人の声診断で話題の中島由美子さん(株式会社ターンアラウンド研究所でもキャリアコンサルタントとして活動)に中村敬斗選手の声診断をしてもらった。
声診断とは、「心のレントゲン、と定義します。人の声の周波数を音階に分類し、音階と人の心との相関性を視覚化したメソッド」(日本声診断協会)である。

中島さんによる中村敬斗選手の声診断
出典:声診断
①「アクアブルー」という個性
中村選手の声を私の音声心理学のメソッドで分析すると、6つの色のうち「アクアブルー」が非常に強く出ているのが大きな特徴でした。
アクアブルーが象徴するものは、ひとことで言えば「表現」です。このアクアの力が強い人は、自分という存在を、自分らしく外に出していく才能を持っています。アクアは周りに合わせるエネルギーですが、それと同時にイエローやゴールドといった本当の自分らしさ、軸のエネルギーも両方を使えているからです。中村選手はまさに、周りの評価や雑音に飲み込まれず、”本当の自分”を表現することができるのだと思います。
②すぐ打ち解け、愛される──人をつなぐ存在
アクアの強い人は、人間関係においても特別な魅力を放ちます。初対面でもすっと打ち解け、すぐに仲良くなり、自然と周囲から好かれる。
この声診断では、長年彼を追ってきた筆者でさえ気付かなかった特徴が明らかにされた。そして、②については、フランスでも、周りに打ち解けて、フランス人選手たちと大騒ぎをするノリノリの姿で有名でもある(同僚だった伊東選手はまったく輪に入らないのが対照的)。
17歳のガンバ大阪時代からブラジル人選手とも積極的にコミュニケーションを取るなど、「自ら積極的に持ち前の高いコミュニケーション力」(football zone記事より)で、どこへ行ってもすぐ溶け込むタイプらしい。本人も「海外の人とコミュニケーションを取るのは得意」と自認している。
「変人」上等。己の人生を切り拓く“自己決定”の哲学
「イケメンすぎる」写真集が話題になるほどルックス面でも注目されているが、女性ファンからのストーカー被害や代理人トラブルなどもあった。
周りからは、
- テンション高めでちょっと変わっている
- 「こんな変人見たことがない」と複数人から指摘される
- 「時間に遅れる」「声がうるさい」「人の話を聞かない」という明るい性格
などの評判である。好きな言葉は「楽しむ、原点に戻る、常に自己ベスト」(SOCCER MAMAインタビュー記事参考)だそう。
表現と明るさの下に、中村選手は確固たる信念を持っていることが、数々のインタビューからうかがえる。そう、中村選手の根本の「哲学」は自己決定である。「誰かに言われてやっても成長しない」「好きなことだから頑張れる」という主体性が強く、対人場面でも迎合より自己主張を重んじる価値観が際立つ。自分でも「性格が頑固で、こうと決めたことは曲げずに突き進むタイプ」(SOCCER MAMAインタビュー記事参考)だそうで、自己決定を非常に重視する気質のようだ。
そのキャリアを見ても、普通ではない特徴的な選択をしている。自分の「楽しさ」という価値観に照らして、地元の誰もが憧れる柏レイソルのジュニアチームを退団したり、自宅から遠くのクラブチームでプレーしたり、オーストリア2部しか行くところがなくなったものの、日本に帰らずに欧州にとどまったことなどである。自分の決断に責任を持ってきたことがわかる。
「中村敬斗」に近づくための3つの条件
「ドリブルはできますか?」と、自分の強みが活用できるかを三菱養和のスタッフに聞いた覚悟。そして、中学時代、授業後、地元我孫子からグラウンドのある巣鴨までの50kmの距離を片道1時間近くかけて通い、居残りも自主的、意欲的に練習した。
高校時代にはガンバ大阪の誘いを得て、高校生なのに途中でプロ契約をして大阪に移住。欧州でもうまくいかず、オーストリア2部に残り、そこから這い上がった。そのプロセスから見えるのは、次の3点である。
- 哲学を持つこと:自分軸、自己決定
- 好きなことを見つけ、ストイックに熱中し、小さな目標達成を積み重ねる:4歳から縄跳び、6歳からリフティングを毎日、13歳から週2で坂道ダッシュ、自主練も自分で企画・実行
- 苦境でも自分を信じる:試合に出られなくても練習を積み重ねる
中村敬斗になる、あるいは近づくには、好きなことを見つけ、楽しんで努力し、主体的に経験を積み重ねていくことだ。周りから変人や天然と言われようが、はっきり自分の意見を主張する。結果に満足しないで、努力を続けることが大事なのだろう。どの世界で「中村敬斗」のような存在になるにしても、これだけの姿勢は持つべきだ。
また、「イケメンになるのは難しい」という方もいるかもしれないが、中村敬斗選手のイケメンは、髪型や見た目への本気のこだわりだ。過去の写真やインタビューなどを見ればわかる。あどけない少年は、大人になって自分の好きなサッカーに熱中し、人間的に成長するのと並行して、ファッションに気を使う努力で「かっこよすぎる男」に変貌した。
その姿を応援しつつ、さあ、共に戦おう!








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