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スターマー英国首相が22日、辞任を表明した。『BBC』の解説は、支持率低迷と選挙大敗など主に内政面の理由に挙げ、エプスタインと関係したとされる駐米大使の任命も影響したとする。が、NATO絡みの防衛費増額やイラン戦争への対応などでトランプの不興を買ったことも無関係ではなかろう。
などと思いつつ英国の記事を読んでいたら、25日の『産経』に「米英ウイスキー論争勃発? トランプ氏の『間違い』に英国王が『大人の対応』」とのコラムがあった。米国特派員時代に本欄で何度か批判した黒瀬悦成氏の記事なので予想はしたが、相変わらずの見事なトランプ下げ、その書き振りに妙に感心した。
記事の一部をそのまま引用すればこうだ。(太字は筆者)
先のチャールズ英国王による米国訪問では、トランプ米大統領が国王に敬意を表し、スコッチの関税撤廃をSNSで発表した。ただ、ウイスキーの表記は米国流のe付きだった。対する国王は、公式声明でさりげなく英国流表記を使って歓迎。英メディアなどではトランプ氏の表記を間違いだとする声が浮上したが、国王は米市場での業界の利益を考え、波風を立てるのを抑えたといえる。
黒瀬氏もコラムで触れているように、ウイスキーは英国では「Whisky」だが、米国では「Whiskey」と綴る。が、米英で綴りが異なる語は、後で述べるように五万とある。トランプもチャールズ国王も、他意なく自国の表記を使ったに過ぎない、と、それに気づいた者の多くも思うのではなかろうか。
それを「トランプ氏の『間違い』に英国王が『大人の対応』」と見出しを付けることは、「巧妙な印象操作」と受け取られても仕方なかろう。トランプの綴りは「間違い」ではないし、国王が「さりげなく」「米市場での業界の利益を考え、波風を立てるのを抑えた」というのも、黒瀬氏の想像に過ぎないからだ。
本当に「英メディアなどではトランプ氏の表記を間違いだとする声が浮上した」のかどうかも、リンクが張ってないので読者は知る術がない。『朝日』や『共同』でもあるまいし、こうした「印象操作紛い」の書き振りは、辺野古転覆事故のスクープで折角上げた『産経』の評判を落としかねず、残念至極だ。
黒瀬氏は、「アイルランドの蒸留所は輸出市場での差別化を図るため、つづりにeを加えた。同国産の流れをくむ米国のバーボンウイスキーも同様の表記となった」とも記している。ならばトランプが元共和党上院院内総務のミッチ・マコネルを「Old Crow」と綽名して揶揄していたことにも触れて欲しかった。
「Old Crow」はマコネルの地元ケンタッキー州の安価な大衆向バーボン。綽名の意味が「安物」を指すか「大衆向」かで異なるが、マコネルは後者と受け取って喜んでいたそうだ。「穏健な人物なのでトランプ氏の綽名も愛情半分か」とでも書いてあれば、幾分か「No spin」(印象操作なし)になるのに。
最後に米英の綴りの相違事例。本稿は『English Hub』の記事を参考にした。同記事は以下のようにパターンで例を挙げている。
- 米or/英our・・color/colour favorite/favourite neighbor/neighbour humor/humour
- 米ize/英ise・・finalize/finalise organize/organise criticize/criticise realize/realise
- 米er/英re・・meter/metre fiber/fibre center/centre theater/theatre
- 米l/英ll・・・traveled/travelled fueled/fuelled counseling/counselling jewelry/jewellry
- 米ll/英l・・・skillful/skilful fulfill/fulfil
- 米/英・・・whiskey/whisky 灰色:gray/grey タイヤ:tire/tyre airplane/aeroplane
という感じだ。筆者は日ごろ米国流に馴染んでいるが、英国ドラマも好きでよく見る。だから気になるのは「刑事フォイル」の「フォイル」が「Foyle」か「Foil」か程度のことである。







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