DeNAのスマホゲームに15億円補助金で「南場氏は政商」と批判

経済産業省によるコンテンツ産業支援策が批判されている。経済財政諮問会議の民間委員である南場智子氏のDeNAが手がける新規モバイルゲーム開発に、最大15億円規模の公的支援が行われると報じられたためだ。

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ゲームやアニメで個別企業に補助金

今回の支援は、経産省の「IP360 -Toward 20 Trillion Yen-」の一環である。経産省の採択結果によれば、DeNAの事業名は「北米市場を主戦場とする新規モバイルゲーム(ソフトローンチ型)の開発・グローバル展開事業」とされている。DeNAは北米を中心とするグローバル市場で、日本発のヒットタイトル創出を目指すという。

制度上、この「大規模作品製作支援」は、ゲーム、アニメ、実写の製作・開発事業を対象とし、補助率は2分の1、上限は15億円/者である。経産省は、ヒットIPの創出やクリエイター所得の向上、デジタル資産の蓄積を狙いとしている。

一見すると、日本のコンテンツを世界に売り込む成長戦略の一部に見える。日本のゲーム、アニメ、漫画は世界で強い競争力を持つ。海外展開を後押しし、外貨を稼ぐ産業に育てるという発想そのものは間違っていない。

政府委員の会社に補助金を投入する「縁故資本主義」

しかし、問題は「なぜDeNAなのか」である。DeNAは、すでに「Pokémon Trading Card Game Pocket」「ポケモンマスターズ EX」「ファイナルファンタジー レコードキーパー」「逆転オセロニア」などを展開してきた大手ゲーム企業である。

また、報道によれば、同社は2026年2月に最大500億円の自社株買いを発表し、5月だけでも約136億円の自己株式を取得している。株主還元に巨額の資金を投じられる上場企業に、なぜ国民の税金を使ってスマホゲーム開発費を補助する必要があるのか。ここに批判が集中している。

X上では「なぜ個別企業のスマホゲーム開発に税金を出すのか」「キャッシュリッチな企業に公金注入の必要があるのか」といった批判が相次ぎ、MIXI社長の「たかだか15億円」とする擁護発言も炎上した。

 

南場氏は政府の経済財政諮問会議の民間議員である。その会社に補助金を投入するのは、あからさまな政商の利益誘導と批判されてもしょうがない。このように政府が市場競争ではなく、政府に近い企業との関係で税金を配分し、勝ち組を選別するしくみを縁故資本主義と呼ぶ。

コンテンツ補助には「クールジャパン」など失敗の歴史

経産省には前科がある。クールジャパン機構は、日本のコンテンツや食文化を海外展開する官民ファンドとして期待されたが、累積赤字は540億円に達し、経産省は統廃合や廃止を含めた検討に入っている。政府が「日本の魅力を海外へ」と言いながら、結局は採算の取れない案件に税金をつぎ込んできた。

今回のDeNA支援も、同じ失敗のにおいがする。スマホゲーム市場は、世界的に競争が激しい。中国、韓国、米国の企業も強く、ヒット作を生む確率は決して高くない。しかもスマホゲームは、ガチャ課金や継続課金への依存が強く、公共政策として支援する対象として適切なのか。

成功すれば利益はDeNAと株主に帰属する一方、失敗すれば国民の税金が失われる。この「利益は民間、損失は国民」という非対称性こそ、補助金行政の最大の問題である。日本のコンテンツ産業に必要なのは、官僚が「次のヒット作」を選ぶことではない。民間が自由に挑戦し、失敗し、成功した企業が報われる市場である。

政府が本当にコンテンツ産業を育てたいなら、特定企業に補助金を配るのではなく、クリエイターの所得向上、制作現場の労働環境改善、海外での著作権保護、海賊版対策、税制優遇、規制緩和といった市場環境の整備に徹すべきだ。

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