満州事変が国際法上の「侵略」にあたることは高校レベルの常識だと思っていたが、高市首相にとっては「自存自衛」の戦争だったらしい。
これは、すごいな。
高市氏が、満州事変から日中戦争までを、「自衛のための戦争」だと述べて、田原総一郎らに怒られている。 pic.twitter.com/NtNl0OO56q
— Dr. Yusuke YAMASHITA, PhD, Associ.Prof. of CSR (@YAMASHITAnoID) July 25, 2026
満州事変から日米戦争まで「自衛戦争」とする高市氏
これは一時的な失言ではなく、削除された2005年のブログ記事でも次のように書いている。
日本で言う「侵略戦争」に近い定義が登場したのは、1928年にパリで60カ国により締結された「ケロッグ・ブリアン条約(不戦条約)」からだと思います。この条約では、国際紛争解決の手段としての戦争を非としていますが、批准にあたって各国から条件が付けられ、ここで言う「戦争」とは「WAR OF AGGRESSION」であって「自衛戦争」は含まれないと解されることとなりました。
満州事変に至るまでの張作霖・学良親子の条約違反、日本人に対する挑発行為、米国の中立非遵守、支那事変に至るまでの国民政府軍による辛丑条約違反と挑発行為、太平洋戦争に至るまでの米英両国から国民党政権への爆撃機供与や経済的援助、ABCD包囲網による経済的封鎖、ことに石油の全面禁輸といった挑発行為に鑑みると、日本の行なった戦争を「侵略戦争」と総括するには無理があります。
先の大戦も、真珠湾攻撃以前に連合国側から仕掛けられた戦争行為に対して、日本が自衛戦争に突入したという考え方が成り立ちます。前述しました天皇陛下の開戦時の勅語に込められた国家意思の背景が解ります。
他国の領土を侵犯する行為は1928年以降、侵略として国際法違反とされた。張作霖が何をしようと、中国の領土内で彼を爆殺し、1931年に柳条湖事件をでっち上げて満州事変を起こしたのは関東軍である。
これを国際連盟は国際法違反と認定し、日本軍の撤退を要求したが、日本はこれを拒否し、1933年に連盟を脱退した。つまり満州事変は国際法違反の侵略だったことは、当時の(日本を除く)世界の一致した意見であり、歴史的事実である。
満州事変が「侵略」だったことは世界の常識
不戦条約については疑問もある。1928年までに欧米諸国の獲得した植民地は既得権として認め、それ以降あらたに獲得した植民地だけを違法とするのは不公平だという批判は、当時からあった。
だがそういう人も「満州事変が自衛戦争だった」とは言わない。それは日本が満州でもっていた南満州鉄道などの権益を守るために「満州国」という傀儡政権を樹立した戦争であり、日本固有の領土を自衛する戦争ではなかったからだ。
その後の日中戦争は明らかな侵略であり、アメリカの石油禁輸は日本の南部仏印進駐への経済制裁だった。それを「連合国側から仕掛けられた戦争行為」などというのはお門違いである。石油の80%をアメリカから輸入していた日本が真珠湾を攻撃したことは、侵略というより国をあげての自殺行為だった。
戦後70年談話では安倍首相は「侵略」という言葉を避けようとしたが、有識者会議の座長代理だった北岡伸一氏は「歴史学者の99%は侵略という」と批判した。談話では「事変、侵略、戦争。いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争を解決する手段としては、もう二度と用いてはならない」という一般論で語られた。
このように満州事変や日中戦争が侵略だったことは、歴史的にも政治的にも決着のついた常識である。高市氏の話はネトウヨ本によくある「アメリカが日本を挑発した」という陰謀論で、およそ論評にも値しない。
高市氏が最後にこういう発言をしたのは2012年で、ブログを削除したことからみると、今は考えが変わっているのかもしれないが、中国は問題視するだろう。今回は首相として日本の戦争責任について、きちんと総括すべきだ。






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