食品消費税1%の茶番:自民党内の割れ具合を勘案すると最悪のシナリオも

東野圭吾氏が亡くなりました。闘病の件は知りませんでした。68歳はあまりにも若いと思います。氏の総著書数は106冊で国内だけで販売数は1億冊を超えます。日本の歴代販売数では5位(赤川次郎、西村京太郎、司馬遼太郎、吉川英治に次ぐもの)とトップクラスの人気作家で特にアジアなどの人気は絶大であります。今回の訃報でバンクーバーの図書館から8月に発売になる「永遠の記憶」を含め、東野氏の著書だけで154冊の大量注文を頂戴していますが、エンタメ系としては別水準の人気と言えましょう。私は氏の書籍を7-8冊は読んだと思いますが、最後のどんでん返しというスタイルが好きではなく、エンタメ系は警察小説の今野敏の作品の方が読みやすく30冊は読んだと思います。とはいえ、東野さんの作品、久々に手に取ってみましょうかね?

では今週のつぶやきをお送りします。

株式市場はまだ行方知らず

アメリカのハイテク銘柄の決算がほぼ出そろいました。失望で大きく下げたのがアップル、メタ、グーグル、上げたのがマイクロソフト、アマゾンであります。決算だけ見れば何処も悪くはなかったと思うのですが、下げるなりの理由が付きまといます。半導体価格上昇を嫌気したアップル、AI投資が多すぎて利益圧迫のメタ、AI投資でキャッシュフロー赤字のグーグルとなっています。一方、日本に目を転じれば決算発表で利益目標に到達しなかったキオクシアの週明けの株価は要注目で、どこまで下げるでしょうか?日本の金曜日の相場が無節操な株価上昇でしたがNY市場は金曜日、全般にだれており、それを引き継げば週明けは弱い展開があり得ます。

これで8月入りとなり、本格的な夏休みシーズンとなり、材料薄で市場参加者も少なくなることから株価の動きは激しくなる公算があります。私もキャッシュが多少積みあがっているのですが、買うに買えない相場付きで9月も読めないことから待ちの姿勢が続きます。以前から述べているようにAIは第一次ブームで今回の決算が一旦のピークとなるとみています。また価格の安い中国製も性能は侮れません。そんな中、私はこの2年ぐらい買うなら銀行株と申し上げたと思います。結局時価総額1位は三菱UFJが奪取しました。長年トヨタでその後、一瞬キオクシアが取りましたが、銀行がトップになるのは日本の産業構造を見れば王道だとみています。

そもそも自動車株が時価総額のトップに君臨しつけたこと自体がおかしいわけで、世界の経済の変化に対して日本国内の産業構成がほぼ変わっていないことを意味します。自動車産業は成熟化、コモディティ化しており、これから絶対数としての世界販売台数が急増するわけではないのです。一方、マネーは色がつきません。マネーを必要としているところはいくらでもあるのです。ならば金貸しのビジネスは悪くないわけでメガバンクのうち、海外で圧倒的に強い三菱UFJは本命だったのです。一方、三井住友はオリーブというブランドで国内リテールに手を出したので私には疑問符がついています。みずほはいずれ三井住友を抜くかもしれません。とはいえ、前回、銀行株が時価総額トップになったのは1986年の住友銀行。時代は廻るのでしょうか?

揺れたのはゴールではなく、FIFAの新計画

ワールドカップが終わったばかりでこの醜聞とは驚きです。FIFAが商業権や運営の一元管理を目指してFIFA Foward Enterprise(FFE)を設立する計画だと発表、その上にその新会社の21%程度の株式を民間投資家に売却するとしたのです。ワールドカップがよりピュアな競技大会だと信じていた各国のFIFA加盟団体からは猛烈な批判が沸き起こっています。特に欧州の連盟は「そんなことするなら完全ボイコット」を決めています。今大会で上位に食い込んだのは欧州勢故に欧州が抜けたFIFAなんて炭酸の抜けたコーラ以下であります。

しかもこの話には耳にしたくない話がついて回ります。その民間投資家がトランプ氏の娘婿のジャレッド クシュナー氏の弟のジョシュア クシュナー氏が経営するThrive Eternal 社であると報じられているのです。決勝戦の時にトランプ大統領がなぜ、観戦に来たか、なぜ表彰台にまで来たか、なぜ再びアメリカだけで開催したいと言ったのか、これで辻褄が合うわけです。FIFA会長のジャンニ インファンティーノ氏とトランプ氏の関係は濃いとされます。ならば今回の投資話は当然、密室で決まった話であることはほぼ確実と言えるのでしょう。

このバカバカしい話に対してトランプ氏へのバッシングはあまりないもののインファンティーノ氏への批判は強烈です。会長選任の定例選挙が27年3月に予定されています。この醜聞までは対抗馬なく無投票で再任確実とされていました。が、インファンティーノ氏の上級顧問がこの話に激怒して辞任したほか、ほぼ全世界の加盟団体がそっぽを向いたため、再任の可能性はほぼゼロではないかともされます。揺れるゴールは盛り上がりますが、揺れるFIFAでは話にならないですね。それにしてもトランプ氏も何を考えているのか、氏には道徳観はないのでしょうか?

食品消費税1%の茶番

予定通り高市首相は食品消費税1%、また1%相当の部分を給付に回すことで自民党にその取りまとめを指示しました。荒れると予想していましたが、想定以上であります。まず、日経の社説には驚きました。ここまで辛辣に書くのでしょうか?「未来への責任放棄」と銘打ち、大局観を欠いた国家運営で愚策の断行であまりに無責任と冒頭から怒りの鉄拳であります。日経の話は来週にでもまた別枠で振りますが、政府が日経からここまで言われるといくらニューメディアの時代という声があっても厳しいでしょう。

高市首相 首相官邸HPより

私は高市氏は情報発信についてはトランプ氏と全く同じ考えを持っていると考えています。つまりしかるべき広報組織を通じて発信すると言葉がゆがめられたり、意図する通りに発信できず、メディアも好きに書くからSNSで直接発信するという考えであります。これは確かに誰でも一時情報を得ることができるメリットはありますが、粗削りになりがちでそれを受けたメディアは必ず酷いバッシングをします。その典型が0-3時間睡眠の話です。Xの原文を見たらわかるのですが、1日0-3時間とは書いていないのです。ならば、私は盛った話で実際は分割睡眠していると思います。だいたいこんなことを書いたら中国が喜ぶに決まっているじゃないですか?日本は首相1人で頑張っているから長くないな、と。

消費税の話ですが、自民党内がこれほど分裂しているのも驚きでした。これでは議長への一任は容易ではなく、仮に党内で過半が反対であれば首相の判断を再考に追い込むこともあり得ます。仮に強行した場合、秋の臨時国会は相当厳しいものになり、自民党内の割れ具合を勘案すると最悪のシナリオも想定できると思います。つまり11月の中国でのAPECには違う人が行くケースです。私がみて高市さんにとって残念なのは自分が素になって話ができる相手が少ないことに尽きると思います。学究肌は自分の殻にこもりやすいのです。そして自分が正しいという主張を絶対に曲げません。これが政治家と研究者の最大の違いとも言えます。

後記
これを書く金曜、午前11時からバンクーバー最大のアニメイベント、アニレボが始まり、我々も例年通り出店します。このところ、カナダの景気が悪く、昨年のトロント、今年春のカルガリーと遠征した出店は今一つの感触でした。ただバンクーバーはアジア文化の浸透度が他都市とまるで違い、個人的には期待できると踏んでいます。この3日に渡るイベントは例年、もの凄い客数で3日目が終わった時は体力の限界でボロボロになりますが、今年も老体にムチ打ち、10代20代の仮装した若者相手に音楽ガンガンの会場でエネルギッシュに頑張ってきます!

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年8月1日の記事より転載させていただきました。

アバター画像
会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。

コメント投稿をご希望の方は、投稿者登録フォームより登録ください。

コメント