投資の本質はリスクテイクとボラティリティ管理である

投資において、投資対象の価値の分析が重要な意味をもつのは、第一に、価値のある投資対象を選択している限り、投資対象に内包された利益が自然に生成してくるからであり、第二に、価値に対する確信を形成することで、価格変動が発する雑音を無視して、一貫した投資方針を堅持できるからである。

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しかし、価格の下落の背後に、公開情報よって投資対象の価値の毀損を裏付ける事象が確認されるときは、その価格の下落は明らかに損失である。より厳密にいえば、価値の毀損が損失であって、それが価格の下落として具現化するわけである。故に、投資においては、損失回避が基本なのだから、徹底した投資対象の分析によって、価値の毀損される可能性の少ないものを厳選することが重要になるのである。

価値の毀損の可能性こそ、投資の真のリスクであって、真の投資は、投資対象の分析を徹底しても残る価値の毀損の可能性、即ち、リスクについて、常に自覚的に意図的に賭けているとの意識を堅持することとして、リスクテイクなのである。

リスク管理は、リスクテイクの貫徹を妨害する諸要因、即ち、価格変動が引き起こす心理的動揺等の雑音を排除し、意図せざる強制的な売却を回避することになるが、ここで管理されるべきリスクは、リスクテイクのリスクとは異なり、単なる価格変動にすぎないボラティリティなのだから、リスク管理はボラティリティ管理と呼ばれるべきある。

こうして、投資の本質は、リスクテイクとボラティリティ管理に分解する。投資とは、第一に、リスクテイクを徹底することで、投資対象の価値の毀損の可能性を最小化して、そこに内包されている価値の実現を享受することであり、第二に、ボラティリティ管理を徹底することで、価格の下落時における意図せざる損失を回避し、逆に、価値よりも低い価格で投資できる機会を発見することになるのである。

森本 紀行
HCアセットマネジメント株式会社 代表取締役社長
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