東大が「六四天安門」をサイトに埋め込んだ教授を処分?

東京大学は8月4日、所属する専攻と研究室のウェブサイトに「不適切な言葉」を書き込んだとして、60代の教授を出勤停止3日の懲戒処分にしたと発表した。

報道によると、問題となったのは、大学院新領域創成科学研究科メディカル情報生命専攻の入試関連サイトなどのソースコードに埋め込まれた「六四天安門」という文字列だった。中国では天安門事件に関する言葉が検閲対象となるため、中国国内からサイトを閲覧できなくなり、中国人受験生が入試情報を得られなかった可能性があるという。

しかし東大の発表は、問題の核心を何も説明していない。

東京大学HPより

「六四天安門」は違法な言葉ではない

日本の法的に「六四天安門と書いてはいけない」という規定はない。この言葉は1989年6月4日の天安門事件を示すものであり、書くこと自体が違法でも反社会的でもない。

仮に中国政府の検閲によってサイトが遮断されたのなら、本来責任を問われるべきなのは、歴史的事実を示す言葉を検閲する側である。

ところが東大は、「六四天安門」という文字列を具体的に示さず、単に「不適切な言葉」と表現した。これでは中国政府の検閲基準を東大まで受け入れ、同国で禁じられた言葉を日本でも不適切と認定したように見える。

問題は言葉ではなく目的のはずだ

もちろん、教授が中国人受験生を排除する目的で、入試サイトに意図的な仕掛けを施したのであれば問題である。大学のサイト管理権限を私的に利用し、入試情報へのアクセスを妨げようとしたなら、処分にも理由はある。

だが東大は、教授に排除の意図があったのか、どのような証拠で認定したのか、実際に中国から閲覧できなくなったのか、受験生に具体的な不利益が生じたのかを明らかにしていない。

教授の行為が問題だったのは、文字列そのものなのか、書き込んだ目的なのか、管理権限の乱用なのか。それすら公式発表からは分からない。

結論だけの懲戒発表

東大は教授の行為を「本学教員としてあるまじき行為」と断定したが、何がどう「あるまじき行為」だったのかを説明していない。これでは懲戒処分の発表ではなく、結論だけの通知である。

中国人受験生を意図的に排除しようとした証拠があるなら、東大はその事実を明示すべきだ。逆に、排除の意図も具体的な被害も確認できていないなら、「不適切な言葉」を書いたという曖昧な理由で教員を処分したことになり、表現の自由との関係でも問題が残る。

東大が隠すべきなのは「六四天安門」という言葉ではない。明らかにすべきなのは、教授を処分した具体的な理由と、その根拠となる事実である。

東京大学 Sanga Park/iStock

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