
民泊・旅館のほとんどが“無人営業”
世田谷区議会福祉保健常任委員会で、民泊・旅館の条例改正に関する報告がありました。ひえしまは区議会で一貫して、規制強化を訴えてきました。これを受けて世田谷区は、条例改正に向けて11人の有識者からなる協議会を設置し、意見集約を行っています。
目下、2回目の会議が終わったところですが、徐々に区の方向性がわかってきました。公開された資料を見て啞然。はっきり言って、このままでは規制というのは名ばかりで、迷惑民泊・旅館が増えることはあっても、減ることはないでしょう。保坂区長が特別区長会の規制強化要望書の署名を拒否しただけのことはあります。

保坂区長は民泊規制強化の署名を拒否
新宿区HPより
これまで指摘されてきた通り、民泊と旅館に関して、苦情の大半は騒音とゴミ出しです。近隣住民が改善を求めようにも管理人がいなかったり、電話がつながらなかったりということが最大の問題です。
令和8年6月末現在、世田谷区に民泊は543件あります。そのうち411件(約76%)が家主不在型です。旅館は364件ありますが、344件(約95%)がフロントなしで営業されています。つまり、両者のほとんどの施設に人がいませんし、ビルやマンションの一室などで営業されているものばかりです。よくもまあ、こういういい加減なことを許していると思います。
世田谷区は事実上の「民泊推進区」
これについて区の考えは、民泊についてはこれまでのように、30分以内の駆けつけ対応を指導していくようですが、大した改善にはなりません。23区では墨田、葛飾、江戸川区のように、無人民泊は認めないとする自治体が増えています。世田谷区もそうあるべきですが、その点は完全にスルーしています。それどころか、家主が滞在してさえいれば、週末だけでなく平日営業も認める方向で動いています。
そもそも、滞在の定義は何でしょうか? 社会問題化しているのですから、推進の前にまずは規制が必要です。各区が規制強化に動くなか、世田谷区だけが「民泊推進区」として逆コースを走っています。

世田谷区の苦情数は急増
フロントなし旅館については、国がICTの活用による客の本人確認などを認めてしまっているので、無人旅館の営業が横行しています。世田谷区に問題意識はあるようですが、具体策は示されていません。
千代田、中央区などはもとより、墨田、葛飾、中野区などは有人フロントの設置を義務化しており、文京区も条例改正に動いています。事実上、無人旅館を排除することが、23区の趨勢なのです。世田谷区は完全にこの流れを黙殺しています。
条例改正内容は従来と変わらず
世田谷区は民泊・旅館のどちらも、住民への開業周知の徹底、営業標識の掲示を義務化するなどの考えはあるようですが、こんな当たり前なことを明文化したところで、住民の苦情は減りません。違反業者の名前を公表することには前向きのようですが、罰則は明記しないなど、このままでは全体的に何も言っていない、骨抜きの条例改正になることは、ほぼ間違いないでしょう。
何よりも、保坂区長が掲げる多文化共生、国際交流の美名の下、世田谷区が23区でも数少ない民泊・旅館業推進区であることが明確になり、規制強化している他自治体から業者が流入し、問題が悪化することは容易に予想できます。

民泊・旅館業規制についてテレビの取材を受ける
民泊・旅館は「閑静な世田谷」を破壊
世田谷区の最大の特徴は、区内全域に閑静な住宅街が広がっていることです。ポイントは「閑静な」ということです。そこには当然、住みやすさ、体感治安も含まれます。都心の千代田区でも、港区でも、中央区でもなく、あえて世田谷区を選んで住んでいる人たちは、そこに価値を見出しているはずです。それを保坂区長自ら安全、安心であるべき街を破壊し、ブランドイメージを毀損していることは許せません。
自分が区民でないので、愛着が乏しいことは、何の理由にもなりません。本当に民泊や旅館が、世田谷区に必要なのでしょうか? 区民の暮らしよりインバウンドなのでしょうか? 今こそ、一から考え直すべきです。ひえしまは閑静で静穏な世田谷を守るために、粘り強く区議会で問題提起して参ります。







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