「2050年の天気予報」というキャンペーンが始まっている。「このままだと2050年は猛暑で大変なことになるから、脱炭素が急務だ」というものだ。
動画「2050年の天気予報(Ver.2)」が「暑すぎる夏を終わらせるWEEK」で無料公開開始

大手メディアは一斉に取り上げているけど、YouTubeなどを見ると、再生回数はずいぶんとしょぼい。国民的にはまったく盛り上がってないようだ。

「2050年の天気予報」製作委員会による「2050年の天気予報(Ver.2)」より
まあ、正直、「またかよ」という感じである。アル・ゴアは「不都合な真実」という嘘だらけの映画で、キリマンジャロの雪は10年以内には無くなると言っていたが、20年たってもそんなことは起きていない※1)。
今回も、最大風速100メートルの台風が来るだとか、熱中症の搬送が増えるだとか、カツ丼が食べられなくなるとか、あれこれ怪しげな予測をして人々を怖がらせている。
けれどこのアゴラの連載でも書いてきた通り、観測事実を見れば、台風の激甚化など起きていない※2)。予測に用いるシミュレーションは過去の再現もロクに出来ない※3)。世界の食料生産は増え続けている※4)。地球温暖化で気温が上昇するといっても、コンマ何度に過ぎない※5)。
「脱炭素が急務だ」などと言うが、これはつい先日も書いたように、仮に日本が2050年にCO2をゼロにしても下がる気温はせいぜい0.006度である※6)。これに向けて日本は向こう10年で150兆円の投資をするというが※7)、これでも全然CO2ゼロには至らず、もっとはるかにお金をかけることになる。
キャンペーンをやっている人々に聞いてみよう。
「では日本が2050年にCO2をゼロにしたときに、2050年の天気予報はどうなるのですか?」
もちろん0.006度は誤差の範囲もいいところなので、何も変わることはない。
脱炭素に大金を使うぐらいであれば、堤防やダムなどにきちんと投資をして水害から生活を守り※8)、みんなの給料を増やしてたっぷり食事をとれるようにしたほうがはるかによい。
暑さを避けたければ、都市熱を軽減したり※9)、エアコンを買ったりする方が※10)、脱炭素と違って、本当に涼しくなる。
怪しげな未来の予言に基づいて脱炭素を強制するのは、まるで悪徳な宗教だ。
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※1)杉山大志「大外れだった2020年の地球温暖化予測集」アゴラ、2021年1月17日。
※2)杉山大志「台風は激甚化していないという最新データお見せします」アゴラ、2025年4月27日。
※3)杉山大志「湿度も再現できない気候モデルで大雨も山火事も予測できる筈がない」アゴラ、2025年4月2日。
※4)杉山大志「IPCC報告の論点51:気候変動で食料生産が減っている?」アゴラ、2022年4月19日。
※5)杉山大志「猛暑は地球温暖化のせいではない」アゴラ、2020年7月18日。
※6)杉山大志「2050年CO2ゼロでも、0.01℃も下がらないし豪雨は1mmも減らない」アゴラ、2020年10月7日。
※7)杉山大志「「GX債をカーボンプライシングで償還」は論理破綻」アゴラ、2022年11月3日。
※8)杉山大志「台風を温暖化のせいにして騒ぐより治水対策を進めるべき」アゴラ、2020年12月2日。
※9)杉山大志「都市熱のお蔭で東京の最低気温は100年で7度も上昇した」アゴラ、2020年11月11日。
※10)杉山大志「暑さによる死亡は減りつづけている」アゴラ、2026年6月28日。
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