地元自治体も知らない謎の「琵琶湖三市同時花火大会」が開催中止

滋賀県の琵琶湖周辺で8月22日に予定されていた「琵琶湖三市同時花火大会」が、開催中止となった。名前を見ると長浜市、彦根市、高島市が開催するイベントのように思えるが、肝心の3市はそろって「関係ありません」と否定。自治体も知らない「三市同時花火大会」という、なんとも不思議なイベントだった。

「三市同時」だが三市は知らない

大会は長浜、彦根、高島の3市で同時に花火を打ち上げ、合計1万発以上を予定すると宣伝していた。観覧席は全席指定の有料制で、7,000円から1万9,000円。シャトルバスや専用駐車場も用意すると案内されていた。

具体的な会場は開催約1週間前になって購入者へ知らせるという、花火大会としてはかなり珍しい方式だったが、8月6日になると長浜市、彦根市、高島市が相次いで大会への関与を否定した。

彦根市は「彦根観光協会および彦根市は関係しておりません」と明言。長浜市も、市が主催・共催する花火大会とは別物だとして注意を呼びかけた。「琵琶湖三市同時花火大会」なのに、その三市が関係していない。

1万発の花火に消防への申請も確認されず

話はさらに奇妙になる。テレビ朝日などの取材によると、開催予定地域を管轄する消防では、8月8日時点で大会に関する必要な申請が確認されていなかった。1万発を超える花火を打ち上げるとなれば、安全対策、警備、交通整理、消防、警察との調整が欠かせない。普通なら「チケットを何枚売るか」より前に詰めておく話だろう。

ところが主催者は8月5日になって、「関係機関との最終調整」を理由にチケットの新規販売を停止した。最終調整というより、開催そのものが可能なのかを最終確認していたようにも見える展開だった。

そして8月9日、実行委員会は大会の中止を正式に発表した。理由は、開催日までに「大会を実施するために必要な準備・運営体制を整えることが困難」になったためだという。延期や振替開催もなく、今後の開催予定もない。

返金はどうなるのか

問題はここからだ。すでに販売された観覧席のチケットや出店料をどう処理するのか。実行委員会は「法的専門家への相談を行いながら、対応内容の確認・整理を進めている」と説明している。

「琵琶湖三市同時花火大会」は、花火を一発も打ち上げないまま、別の意味で大きな話題を打ち上げてしまった。

今後は少なくとも、チケット購入者や出店者への返金がきちんと行われるのか。それこそが、この謎の花火大会に残された最大の焦点である。

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