リクルートホールディングス株が10日の東京株式市場で急騰し、前営業日比3000円(22%)高の1万6165円と、ストップ高水準で買い気配となった。前週末に発表した2027年3月期の業績予想の大幅な上方修正が好感された。
同社は通期の営業利益予想を従来の7870億円から9450億円へ引き上げた。第1四半期(4~6月期)の営業利益も前年同期比66%増の2554億円となった。

求人が減っても売上は増える
好調をけん引しているのは、求人検索サイト「Indeed」を中心とするHRテクノロジー事業だ。
興味深いのは、米国の求人件数そのものは前年同期比で約4%減っているのに、米国事業の売上高は30%増えている点だ。
求人1件あたりの平均売上高「ARPJ」は35%増加した。求人市場の拡大に頼るのではなく、1件の求人からより多くの収益を得る構造に変わっている。
AIで採用業務まで取り込む
背景にはAIを活用した採用支援サービスの拡大がある。
Indeedは従来の求人広告やクリック課金だけでなく、候補者の検索、絞り込み、スクリーニング、企業からのアプローチなど、採用実務そのものにサービス範囲を広げている。
企業が欲しいのは広告へのアクセスではなく、人材の採用である。AIによって採用までの時間や人事担当者の作業を減らせれば、その分だけ高い料金を取ることができる。
有料顧客数、利用する求人件数、単価がそろって伸びており、単なる値上げだけで収益が増えているわけではない点も大きい。
利益率も急改善
HRテクノロジー事業の第1四半期のEBITDA+Sマージンは47.4%に達した。AIや業務効率化によるコスト削減も利益を押し上げている。
つまりリクルートは、AIによって顧客向けサービスの単価を上げる一方、自社のコストも下げるという二重の効果を得ている。
円安も海外収益の押し上げ要因となっているが、ドルベースでも事業は増収となっており、今回の好決算を為替だけで説明することはできない。
「求人広告会社」ではなくなるリクルート
生成AIの登場時には、Indeedのような求人検索サービスがAIに代替されるとの見方もあった。
ところが現在は逆に、リクルート自身がAIを取り込み、「求人を掲載する会社」から「採用を代行・効率化する会社」へ変わり始めている。
求人件数が減っているのに売上と利益が増えていることは、その変化を象徴している。
今回のストップ高は単なる上方修正への反応というより、市場がリクルートを従来型の人材会社ではなく、AIを使った世界的な採用プラットフォームとして評価し始めた表れなのかもしれない。







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