戦争好きな血の気の多い国に日本はどう立ち向かうか?

日本人なら誰でも知っている8月15日。ですが、実はインドでも8月15日は特別な意味があります。1947年8月15日に独立するのです。インドは長らく英国の植民地であり、英国の好き放題やりたい放題で今の常識から考えればあまりにも無茶苦茶な植民地支配でありました。そこに立ち上がったのがマハトマ ガンディであります。

ガンディは弁護士であり、英国に移住後、いったん帰国し、すぐに南アフリカに移住。そこで強烈なアパルトヘイトを経験します。ガンディも南アフリカでは被差別扱いで、ひどい目にあうのです。そこでガンディが終生誓ったことが「非暴力 非服従」であります。このメッセージがインドへの帰国後、大きなパワーとなります。英国のインドに対する無謀な統治に対して非暴力でそれに立ち向かうのです。それも一歩、また一歩と時間をかけながらもインド国民に非暴力を訴え、英国を追い詰めていくのです。そして最後に勝ち取ったのがインド独立であります。

ガンディも完全に非暴力を貫けたわけではありません。独立直前は英国の資産や機関車などを破壊することもしましたが基本は平和裏に目的達成をしています。やれば勝ち取れる好例であります。ただ、インドが独立を勝ち取るまでは100年近くかかったのもこれまた事実であります。

かつては多くの国が、そして今でも一部の国家は戦争をします。何故でしょうか?私は案外、危機感とそれに立ち向かう血の気の問題ではないかと思うのです。負ければ服従、屈辱ならばどんなことをしても絶対に勝つという意識の強さが戦争に導くのだろうと思います。

例えば北朝鮮がロシアに協力してウクライナとの戦争に参画しています。理由は北朝鮮の存在の危機感の裏返しであり、軍部の強化、意識の強化、そしてもう1つ大事なのは使える武器を作り、武器の改造をし続けることにあります。ウクライナが世界最大級のドローンの製造能力と技術を持っているのは何故でしょうか?それはそれを今すぐに必要とするので急速に開発が進むのです。同様にロシアやイランも即戦力としてドローンを活用しています。つまり武器は使ってなんぼであります。

アメリカは自国の領土が直接的に影響を受けないのに朝鮮、ベトナム、アフガン、イラク、そして今回はイランと定期的に戦争を仕掛けます。理由の一つは武器商人として武器性能のアップを図ること、及び古い武器を消費し、新しいものに切り替える必要があるからでしょう。こんなことをまともにいう人は少ないと思いますが、そんなものです。武器ビジネスは儲かるのです。よってアメリカ人が実際に戦場に立った時はあまり強くないのです。朝鮮戦争以降、アメリカが大勝した戦争はほとんどありません。理由はアメリカ人兵士に参戦するモチベーションと危機感が薄いからです。いくら徴兵や職業軍人といえども先進国でのライフから一気に戦場に赴き、究極の恐怖となればおかしくなります。よってPTSDに疾患する元軍人が後を絶たないのです。

私は今、アジアで戦争をすれば一番強いのは北朝鮮だとみています。戦争で最も大事なのは誰のために戦争をするのか、という兵士の意識がキーであり、それが揺らぐ場合は絶対に勝てません。

例えば関ヶ原の戦いを思い出してほしいのですが、石田三成率いる西軍は人数的には圧倒していました。そして開戦直後はおおっと思うほど飛び出していくのです。東軍はそれに対して一時とん走します。ですが、多くの他の西軍は遠くから様子を見ているだけだと気がついた東軍が一気に巻き返す、そして西軍が後退し続ける中でも他の西軍武将は見ているだけだったのです。挙句の果てに西軍の小早川秀秋が東軍に寝返ります。これが決定打でした。石田三成がなぜ負けたか、これは石田が事務方の職で、自己都合の報告を秀吉に上げ続けるなどして多くの将軍からの人望がなかったためでしょう。

戦争とは国民が一体となり、戦闘に臨めるか、これがキーなのであります。例えばトランプ氏がイランを簡単にやっつけられると考えたとすればそれはトランプ氏に本当のブレーンがおらず、YES-MANばかりだったと言えます。なぜならイランのように宗教を通じた国民の結束感はとてつもなく強いのです。これはそう簡単に解けることはないでしょう。

日本は防衛装備を増やしています。それは保険を買うようなものなのです。「何か起きた時、武器、あるよね」なのです。本当に戦争事態になっても今の日本は勝てないでしょう。あまりにも戦争危機感がないからです。日経ビジネスによると日本のドローン製造能力は中国の0.1%以下と報じています。どうやら日本は高性能な部品は作れるし、海外ドローンの部品としても転用されているようですが、完成品は出来ないのです。これは武器に限らず日本の工業、産業界の恥部とも言えるのですが、日本はどうにも力で相手に立ち向かうことは無理な状況です。

高市首相とトランプ大統領(日米両首脳による米海軍横須賀基地訪問 2026年10月28日)首相官邸HPより

ならば「戦争好きな血の気の多い国にどう立ち向かうか?」というこのタイトルの答えは一つしかないのです。外交であります。外交の基本はどんな相手とも対話を閉ざしてはいけない、これが最大のポイントです。そして日本の最大の外交方針としてはあまり好き嫌いを作らず、上手に世渡りをする処世術ではないかと思います。安倍元首相があれだけ外交を行い、岸田氏がそれを引き継いだ時は良い流れでした。国内には右派、左派、いろいろな考え方の人がいます。それぞれの考えは尊重しますが、国家の立ち位置と将来をしっかり見据える大所高所の視点こそが最も重要なのであります。血の気に振り回されてはいけないのです。

ちなみにガンディはインド独立後、悔しさの涙を流します。それは宗教的理由でインドとパキスタンが分離独立したからです。そしてガンディは群衆の中から現れた1人の男に銃を3発撃たれ、亡くなるのです。撃ったのは思想的にヒンドゥ教の原理主義者でパキスタンの独立に反対する者でした。

国際政治と宗教は複雑怪奇です。そして戦争は人類が最も学ばない愚行だとも言えます。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2026年8月14日の記事より転載させていただきました。

アバター画像
会社経営者
ブルーツリーマネージメント社 社長 
カナダで不動産ビジネスをして25年、不動産や起業実務を踏まえた上で世界の中の日本を考え、書き綴っています。ブログは365日切れ目なく経済、マネー、社会、政治など様々なトピックをズバッと斬っています。分かりやすいブログを目指しています。

コメント投稿をご希望の方は、投稿者登録フォームより登録ください。

コメント