謎のアシスタント、ナタリー・ハープはトランプの愛人か黒幕か

ホワイトハウス報道官のキャロライン・レヴィットが8月末で辞任するが、彼女の退場によって注目され始めた人物がいる。大統領のアシスタント、ナタリー・ハープである。

Daily Beast

興味深いのは、公式の報道官が去る一方で、トランプの情報発信により深く関与するハープが、ほとんど表舞台に立たないで大統領のそばに居続けていることだ。

極秘脱出作戦でハープはトランプの隣にいた

ハープの序列を象徴する出来事が最近明らかになった。7月、トルコでトランプ大統領に対するイランの暗殺計画が警戒された際、シークレットサービスは大統領を通常のエアフォース・ワンから密かに降ろし、ケータリング車で別の航空機へ移した。

このケータリング車にトランプとともに乗った側近の一人がハープだった。他にはスカビーノ大統領次席補佐官とナウタ大統領執務室運営責任者らがいたが、レヴィット報道官もルビオ国務長官もベッセント財務長官もエアフォース・ワンに残された。(The Washington Post)

国家的危機の際、「トランプが誰をそばに置いたか」は興味深い。ハープが外交や安全保障政策を決定しているわけではないが、彼女が単なる事務職員ではなく、大統領が最も身近に置く少数の側近の一人であることがわかった。この事件が報じられた翌日、レヴィットは辞任を表明した。

報道官より大統領に近い女性

レヴィット報道官の仕事は公式発表だが、ハープの仕事はトランプにもっと近い。大量の紙の資料やTruth Socialへの投稿案を持ち込み、承認を得て大統領のアカウントに投稿する。トランプ本人も投稿するが、ハープは深夜を含めて大量の投稿を処理する重要な役割を担っている。

ハープは大統領が読むニュースを選び、Truth Socialの運用にも深く関わっている。トランプが一晩に数十件もの投稿を連発する「Truth Socialの嵐」の背後に彼女がいるのだ。ゴルフ場にもPCと携帯プリンターを持ち込み、人間プリンターと呼ばれている。トランプが喜びそうな記事やSNS投稿を紙に印刷して届けるのだ。

NYタイムズの記者による2026年の著書”Regime Change”でも、ハープの異例の近さが描かれている。彼女はトランプへの強い愛情を記した私的な手紙を残し、トランプも彼女の忠誠心を非常に高く評価している。

ハープがトランプとの愛人だというネット上の噂を裏付ける証拠はないが、問題は政治的影響である。大統領の周囲には首席補佐官、国家安全保障スタッフ、政策担当者、広報担当者などが存在し、さまざまな情報や反対意見を大統領に届けるが、公式には何のポストもないハープが、大統領に自分の好むニュースばかり見せると、ホワイトハウスが巨大なエコーチェンバーになりかねない。

トランプの目と耳になる「情報の門番」

では、ナタリー・ハープはトランプ政権の「黒幕」なのか。政策を陰で決めるという意味なら、その表現は大げさだが、大統領の情報環境をつくる人物という意味なら、彼女は非常に重要な存在である。

トランプのSNS投稿についても、最終的に承認しているのはトランプ本人であり、過激な投稿の責任をハープに転嫁することはできない。むしろ問題は逆である。トランプは書類を読まないことで知られている。ハープはトランプが見たいものを見せ、言いたいことを即座に発信するトランプの情報の門番なのだ。

レヴィットは記者会見室の演壇からトランプを擁護してきたが、ハープはそのはるか手前、大統領本人のスマートフォンと紙の束の横にいる。レヴィットが辞めても、トランプ政権の情報発信が大きく変わるとは思えない。

ホワイトハウスで本当に影響力を持つ人物は、テレビに最も映る人物ではない。大統領が最後に会う人物、大統領に最初に情報を渡す人物、そして大統領が世界に発信する言葉を最も近くで扱う人物なのだ。

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