沖縄旅行で困るのが、「沖縄料理はどこで食べればいいのか」という問題です。国際通りを歩けば沖縄料理店はいくらでもあります。ゴーヤーチャンプルー、ラフテー、海ぶどう、沖縄そば。
メニューだけを見れば、どの店もそれほど変わらないようにも見えますが、那覇にはその沖縄料理を食べるために、地元民が行列する店があります。県庁前駅から歩いて数分。国際通りから少し路地に入ったところにある「ゆうなんぎい」です。

1970年創業で、半世紀以上続く沖縄家庭料理の老舗です。現在は予約を受け付けておらず、夕方の営業になると店の前に人が並ぶ光景も珍しくありません。
名物は「味噌味」のラフテー
ゆうなんぎいを代表する料理がラフテーです。ラフテーといえば、豚の三枚肉を泡盛やしょうゆなどで長時間煮込む沖縄料理の定番ですが、ゆうなんぎいのラフテーは少し違います。
独自の味噌で味を付けています。三枚肉を泡盛と水で5~6時間かけて煮込み、その途中で何度も余分な脂を取り除くという手間のかけようです。家庭料理だから簡単に作っているわけではありません。

ラフテー
この店の面白さは、そこにあります。高級食材を使うのではなく、誰もが知っている料理を、とことん丁寧につくる。「たかがチャンプルー、されどチャンプルー」というオーナーの言葉にも、その考え方が表れています。
沖縄料理を一度に食べられる
もちろんラフテーだけではありません。フーチャンプルー、ミミガー、ジーマーミ豆腐、クーブイリチー、グルクンの唐揚げ、いなむるち……。沖縄に来たからには食べておきたい料理が一通り揃っています。
観光客にとって、これはかなりありがたいことです。沖縄料理は種類が多く、「何を注文すればいいのか分からない」という人も少なくありません。ゆうなんぎいなら、この土地で長く食べられてきた家庭料理を一軒で体験できます。
いわば「沖縄料理の入門編」なのです。それでいて、店内は観光客向けに演出されたテーマパークのような雰囲気ではありません。国際通りのすぐ近くなのに、昔ながらの沖縄の食堂・居酒屋らしさが残っています。
沖縄では珍しい「行列して食べる店」
さらに興味深い話があります。沖縄では、飲食店に長い行列ができていると「そこまで待つなら別の店へ行こう」と考える人が多いといわれますが、ゆうなんぎいは、「いつ行っても人がいっぱい」と地元で知られる店です。
しかも決して最新の「映える料理」を出しているわけではありません。半世紀前からある家庭料理です。これは考えてみるとすごいことです。ここではラフテーとチャンプルーに50年以上も客が集まっています。
高級な琉球宮廷料理は、もっと格式のある店があります。沖縄そばやゴーヤーチャンプルーなら地元の料理が一番という人もいるでしょう。でも沖縄を初めて訪れた人から「一軒だけ沖縄料理の店を教えて」と聞かれたら、私ならゆうなんぎいをおすすめします。







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