辺野古転覆事故、遺族に教育活動の検証公表を要求させる学校法人同志社の異常さ

沖縄県名護市辺野古沖で3月16日、同志社国際高校の研修旅行中に船2隻が転覆し、高校2年の武石知華さん(17)らが死亡した事故をめぐり、武石さんの両親は14日、学校法人同志社に要望書を提出した。事故の安全管理だけでなく、事故につながった教育活動そのものについて検証し、その体制や結果を対外的に明らかにするよう求めている。

第三者委は「安全配慮義務違反」を認定

学校法人同志社が設置した特別調査委員会は7月31日に報告書を公表した。研修旅行の実施プロセスや安全管理を調査し、事前の下見や安全確認、引率体制、生徒・保護者への説明などに問題があったとして、学校法人側の安全配慮義務違反を認定した。

一方で、報告書は辺野古をめぐる「平和学習」の内容や過去の教育プログラムについて事実確認は行ったものの、その教育内容の適切性そのものは調査対象外と明記した。教育活動については別途、学校法人同志社が外部の教育専門家を交えて検証するとしている。

遺族側はこの点に強い不満を示している。要望書では、教育活動を検証する組織の構成や独立性を対外的に公表すること、関係する教職員らへの十分なヒアリングを行うことに加え、調査結果に基づいて責任ある教職員への処分も検討するよう求めた。

文科省も教育内容と学校ガバナンスを問題視

文部科学省は5月の調査結果で、学校が事前の下見を行わず、転覆時には引率教員が船に同乗していなかったこと、生徒や保護者に乗船する船について十分な説明をしていなかったことなどを確認している。学校側自身も「安全管理意識が欠如していた」「重大な判断ミスだった」と説明した。

さらに文科省は、辺野古をめぐる学習について「様々な見解を十分に提示していたことが確認できず、特定の見方・考え方に偏った取扱いだった」と指摘。現時点で把握した情報を総合すると、教育基本法14条2項に反するとする見解を示している。

文科省資料によれば、教育活動の適切性については学校法人同志社が外部の教育専門家を含めて検証し、8月をめどに見解を公表する予定とされている。文科省自身が公表するのではなく、同志社側の検証状況を確認し、保護者への説明責任を求めていく立場だ。

問われる「なぜこの教育活動が続いたのか」

今回の事故では、安全管理上のミスだけを切り離して検証すれば十分なのかという問題が残る。なぜ抗議活動に日常的に使われる船に生徒を乗せるプログラムが学校行事として採用され、事前下見もないまま複数年にわたって続いたのか。文科省は、校内で法令や安全性を踏まえた議論がほとんど行われず、過去に生徒が危険性や不安を感想文で訴えていたにもかかわらず見直されなかったとして、学校のガバナンスに「極めて大きな問題」があったと指摘している。

遺族が求めているのは、単なる再発防止策の策定ではない。教育目的の名の下で行われてきた活動が適切だったのか、それを誰が決定し、なぜ内部で歯止めがかからなかったのかという組織的な検証だ。

同志社が8月中にも予定する教育活動の検証結果で、こうした疑問にどこまで具体的に答えられるのか。事故から5カ月を迎える中、学校側には透明性と中立性のある説明が改めて求められている。

武石知華さんがj乗船していた「平和丸」

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