玉城デニー氏に大勝した古謝玄太氏の子どもの学校に「再選挙しなければ爆破」と脅迫状

14万7000票差でも気に入らなければ「再選挙」?

沖縄県知事選で現職の玉城デニー氏を破り、初当選した古謝玄太氏(42)に対し、卑劣な脅迫が届いた。

古謝玄太氏Xより

13日の投開票で古謝氏は42万3124票を獲得。玉城氏の27万6060票に対し、その差は14万7064票に達した。史上最多の42万票超である。接戦だったわけでも、数百票差で再集計が必要になったわけでもない。有権者がかなり明確な意思を示した選挙だった。

ところが17日未明、古謝氏の公式サイトや、子どもが通う複数の学校に、「知事就任を辞退して再選挙をしなければ爆破する」という趣旨の脅迫メールが届いたという。

有権者の票を集める必要はなく、選挙に負けても爆破予告を送れば再選挙を要求できる――もちろん、そんなルールはどこにもない。

民意より脅迫メールの方が強いのか

選挙結果に納得できない人がいるのは当然である。古謝氏の政策に反対するのも自由だし、辺野古移設をめぐる姿勢を批判するのも自由だ。

しかし民主主義とは、自分の支持する候補が勝ったときだけ尊重する制度ではない。

今回の要求をそのまま受け入れれば、「14万7000票の差があっても、怖いメールを送れば選挙をやり直せる」ということになる。有権者が投じた何十万票より、匿名の脅迫者1人の方が強い政治制度など、民主主義とは呼べない。

しかも標的には古謝氏本人だけでなく、その子どもが通う学校まで含まれた。政治とは無関係の子どもを人質のように扱う時点で、政治的抗議という言い訳すら成立しない。

今回の県知事選では、選挙期間中の水かけ騒動などもSNSで批判された。政治的対立が激しくなると、相手を「悪」と決めつけ、何をしても許されるかのような空気が生まれる。その先にあるのが今回のような脅迫だとすれば、笑い話では済まない。

玉城氏への脅迫も同じく許されない

もちろん、この問題を古謝陣営対玉城陣営という単純な話にしてはならない。玉城氏側にも過去、殺害や爆破を示唆する脅迫が届いている。それも当然、許されない。

自分の嫌いな政治家への脅迫なら黙認し、自分が支持する政治家への脅迫だけ「民主主義への攻撃」と叫ぶのであれば、それは民主主義を守っているのではなく、単に自分の陣営を守っているだけだ。

右であろうが左であろうが、保守であろうが革新であろうが、暴力や脅迫によって政治を動かそうとする行為には同じ基準を適用すべきである。

選挙結果を覆すなら次の選挙で

古謝氏は30日に知事へ就任する予定だ。

その政治に問題があれば、議会で追及すればいい。政策に反対なら批判すればいい。そして次の選挙で落とせばいい。それが民主主義である。

14万7000票差の選挙結果を気に入らないからといって、爆破予告で「やり直せ」と迫るのは、民主主義への異議申し立てではない。民主主義そのものを否定する行為だ。

選挙結果をひっくり返す手段は、爆弾でも脅迫メールでもない。次の一票である。

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