米国の中間選挙というと、だいたい、大統領選挙と同時に行われる選挙では、優位に選挙戦を進める候補の政党に勢いがあるが、中間選挙では大統領が1期目だと中だるみだったり、2期目だとレイムダック化していたりするので、野党が優位なことが多い。

Amy Sparwasser/iStock
その辺の事情については、私も以下のような本を書いているので、ぜひ、ワシントン以来の歴代大統領の歩みについて知りたい方は読んでほしい。最初の本は歴代大統領の通信簿、もう1つはアメリカ史と50州の成り立ちを書いている。最後は日米関係が主である。
『アメリカ歴代大統領の通信簿 44代全員を5段階評価で格付け』(祥伝社黄金文庫)
『アメリカ大統領史100の真実と嘘』(扶桑社BOOKS新書)
『大活字版日本人の知らない日米関係の正体:本当は七勝三敗の日米交渉史』(SB新書)
なぜ接戦州の開票結果が出ないのか
ところで、注目の上院選挙は、結局、ミシシッピ州とアラスカ州で決着もつかず、新たな開票速報の発表もないままになっている。そこで、どうしてそうなっているのかを説明しよう。

NHKより
このように集計に時間がかかるのは、この2州だけではないのだが、普通はそれなりの差があれば逆転することはないので、当確が打たれているということだ。それに対して、ミシシッピ州は開票率が95%を超えても100票くらいしか差がないので持ち越しになっている。そのシステムを説明したい。
ミシシッピ州のケース
ミシシッピ州の連邦上院選挙は、民主党のスコット・コロム候補と共和党現職のシンディ・ハイドスミス候補が大接戦である。そして、11月10日(火)に残票の大部分が確定し、11月13日(金)が各郡による公式結果の認証期限なので、来週前半には勝敗が判明するはずだが、法廷闘争に発展する余地もある。
11月4日に州務長官が発表した数字によれば、以下の通りである。
- 郵便による不在者投票:約3,600票が未到着
- 暫定投票(Affidavit ballots):州当局は総数未発表。民主党陣営は最大約15,000票と推定
- 各郡の未報告・未確定票:82郡のうち12郡が州の速報システムに未登録(11月4日時点)
ただし、12郡が未登録だからといって、その12郡の票がすべて未開票というわけではなく、郡ごとに集計と報告が進められ、開票速報には入っている。もう少し詳しくは以下の通りである。
- 11月5~9日:各郡で残票の確認・資格審査
- 11月10日:郵便票の到着期限、本人確認書類の提出期限
- 11月10~13日:残票の集計、結果の認証
- 11月13日:各郡から州当局への認証結果提出期限
州によっては、僅差になったら自動的に再集計するが、ミシシッピ州にはその制度がないので、候補者が疑義を申し立てると訴訟になる。
アラスカ州の場合
民主党のメアリー・ペルトラ候補と共和党現職のダン・サリバン候補が1,000票の差で競っているが、こちらはアラスカ特有の開票制度と日程による。今回の中間選挙について、州選挙管理当局が公表した日程は以下の通りである。
- 10月30日から11月2日までに投じられた期日前票は、選挙当日には集計せず、11月10日に集計する。
- 郵便投票については、国内は11月13日、海外からの郵便投票は11月18日まで受け付ける。アラスカは広大で、航空機や船でしかアクセスできない集落も多いため、票の回収に時間がかかる。
- 暫定的に受け付けた投票の審査。有権者資格などの確認を必要とする票は11月5日から審査し、11月10日以降に集計する。
- 順位選択投票制を採用している。第1希望の得票で過半数を獲得した候補がいなければ、下位候補を除外して第2希望以下の票を再配分する。この正式な再集計は11月18日に行われる。
アラスカ州の今後の開票日程
11月4日現地時間の報道では、約21万6,000票が集計されたが、なお5万~7万5,000票程度が未集計と推定されている。
- 11月3~4日:投票所での投票を中心に集計
- 11月5日以降:暫定票の審査、郵便票の追加集計
- 11月10日:期日前投票の残り、暫定票の集計
- 11月18日:最終的な暫定集計と順位選択票の再配分
- 11月25日:正式結果の認証予定
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