先日提案させていただいた「こども保険」について、自民党として正式に制度設計する運びとなりました。
4月13日、自民党内に「人生100年時代の制度設計特命委員会」が設立。
この特命委員会は、これまで「2020年以降の経済財政構想小委員会」として活動してきたものを格上げし、それまで若手に限定していたメンバーを全世代型に広げて設立したものです。
茂木敏充政調会長が特命委員会の委員長、小泉進次郎農林部会長が事務局長、私は幹事として参加しています。
この特命委員会では、「こども保険」だけでなく、社会保障全般にわたって、これからの人口減少・超高齢社会に適した、高齢者偏重を是正し、全世代型の社会保障制度を検討していくことになります。
その最初のテーマとして少子化対策を取り上げ、「こども保険」の制度設計をしていくことになりました。
今回の会議では、「こども保険」についてフリーディスカッションを行いました。
・そもそも歳出増には反対だ。
・幼児教育を実質無償化できるくらい大規模な制度とすべきだ。
・少子化対策は保険にそぐわない
など、多様な意見が出されましたので、次回の会議では論点を整理して改めて検討を行うことになりました。
これまでに多くの方から賛否両論の意見をいただいておりますので、いくつか代表的なご指摘に私たちの考えを添えさせていただきたいと思います。
Q 子供がいない方も保険料を負担するのは不公平ではないか。
A 子供が増えれば人口減少に歯止めがかかり、経済・財政や社会保障の持続可能性が高まる。こども保険の導入により、企業や勤労者を含め、全ての国民に恩恵があると考えている。
Q 国民に更なる負担増を求めるべきではない。
A 経済・財政や社会保障の持続可能性を高めるために必要不可欠な先行投資を怠るべきではない。また、安倍政権では、雇用環境の改善を受け、2016年度と2017年度に0.1%ずつ雇用保険料の引き下げを行っている。こうした環境の下、0.1%の負担であれば理解を得られると考えている。
Q こども保険と言いつつ児童手当の拡充であり、その財源を保険料に求めるのはおかしいのでは。
A こども保険は「子供が必要な保育・教育を受けられないリスクを社会全体で支えるもの。金銭的な制約が理由で必要な幼児教育・保育を受けられず、それにより子供を持たない選択をする世帯が多くなれば、日本全体にとって大きな損失。こども保険はそうしたリスクを社会全体で支え合い、少子化を食い止めることを目指すもの。
引き続き、抜本的な少子化対策を講じ、日本の未来を照らしていくために、皆さんのご意見を真摯に受け止めさせていただき、制度設計にいかしていきたいと考えています。
鈴木隼人 衆議院議員(自由民主党、比例東京)
プロフィール
1977年生まれ。東京大学卒業、東京大学大学院修了、経済産業省勤務を経て、2014年の衆院選で初当選。「若者の政治参加検討チーム」発起人、「認知症予防の会」代表、「育menサミット」代表。
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