昨夕、安倍総理が会見し、加計学園等の問題を巡って「印象操作のような議論に強い口調で反応した私の姿勢が政策論争以外の話を盛り上げた。深く反省する」と述べられました。しかし私は、総理自身におんぶにだっこで、しっかり反論しない自民党国対をはじめとする自民党議員こそ反省すべきと考えます。
そもそも何故、安倍総理が「強い口調で反応」せざるを得なかったのか。それは、提案型の国会論戦にすると胸を張りながら、結局、政府の批判に終始するあほの野党第一党の責任です。レッテル貼り、揚げ足取りが余りに酷いからです。与党国対はもっと援護射撃し、首班指名した責任を果たすべきなのです。
私がそう言うと、与党の議員は「私たちは与党だから、言いたいことも言えないのです」と言い訳をされます。要すれば、政府与党は内閣提出法案の審議を「お願い」する側だから、下手にしか出れないのだと言います。しかし法案審議って「お願い」するものですか。私には、仕事でしょ、としか思えません。
確かに「55年体制」と呼ばれていた時代には、万年与党である自民党が万年野党社会党の政治家を夜な夜な料亭で接待し、金まで渡して国会での協力を取り付けてきたかもしれません。しかし、そういうあほな政治に終止符を打って政策論争中心の国会に作り変えていくため、小選挙区制を導入したはずです。
いわゆる「国対政治」に終止符を打って、水面下で猿芝居のシナリオ作りに励むのではなくて、表で、政策と政策を戦わせればいいではないですか。経済、エネルギー、社会保障、教育、外交安保、そして統治機構と憲法改正。維新はいずれも政策提案していますが、第3極に“出る幕”はほとんどありません。
小選挙区制の下では、安倍自民党と蓮舫民進党との一騎打ちで政権が争われます。小選挙区は一人区ですから、「デュヴェルジェの法則」を改めて紹介するまでもなく、1人(+1人)=2人の有力な候補者同士の一騎打ちとなります。小選挙区制の下では第3政党に勝ち目がないのは必然、当たり前なのです。
ところが、安倍自民党と政権を争うべき蓮舫民進党が、二重国籍、ガソリンプリカ架空請求、関西生コン、強姦未遂等々の不祥事に加え、経済政策から外交安保、更には原子力まで党内をまとめることも出来ず、政府のスキャンダル追及に終始している、国民にとってこんな不幸なことはないと私は思うのです。
小選挙区制には、政治のダイナミズムを生み出すというメリットがある一方、二大陣営以外の少数意見を過小に評価するというデメリットもあります。それを分かった上で小選挙区制を導入したはずです。であれば、野党第一党にとって、政策を提案し与党に挑むことは、権利ではなく義務であり責任なのです。
蓮舫民進党に自公とがっぷり四つに組んで競い合う能力も覚悟もないのであれば、一刻も早く野党第一党の座を明け渡していただきたい。維新を育てて下さった大阪では辻元清美を除いて民進党はほぼ壊滅しました。改めて、大阪で実現した自民と維新の二大政党を国政でも、と決意を新たにしている次第です。
編集部より:この記事は、衆議院議員・足立康史氏の公式ブログ 2017年6月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は足立氏のブログをご覧ください。