小池都知事が20日の会見で記者の質問をたった4分=3問で打ち切ったことに関連し、菅官房長官が「豊洲移転という大きな問題に対して、記者の質問に答えないことが、果たして透明性があるのか」と批判しました。今の自民党が言える立場かどうかはともかくとして、指摘自体はまったく正しいものです。
小池都知事率いる都民ファーストは、自民党以上の隠蔽体質です。都庁の透明性を高めることを公約に掲げ胸を張っていますが、築地市場の地歴情報を隠蔽してきたのは他ならぬ都民ファースト代表=小池都知事その人です。豊洲移転の延期判断の間違いを糊塗するためか大事な情報を隠そうとしてきたのです。
私たち維新は、かねてから築地市場と豊洲市場との比較衡量が不可欠であると訴えてきましたが、小池知事サイドから出てくる情報は豊洲のネガティブな情報ばかり。本来は、築地市場のメリット・デメリット、豊洲市場のメリット・デメリットを公平に比較しなければならないのに、築地に関する情報は皆無。
そこで維新の会は、都議会と国会の合同調査チームを編成し、築地市場の視察を行うとともに関連法令をつぶさに精査をしました。そこで出てきたのは、築地市場の地歴情報が隠蔽されているのではないかとの深刻な疑惑でした。法律と条例を読めば、築地市場の地歴情報がある(はずだ)とすぐに分かります。
柳ケ瀬裕文都議を事務局長とする維新の合同調査チームが都庁に情報公開請求をしたのは2月上旬。そして回答があったのは、忘れもしない2月28日。分厚い資料が届きました。維新に届いた資料には、予想通り、土壌汚染対策法に戻づき調査(隠蔽)された築地市場の詳細な地歴情報が含まれていたのです。
私たちは情報公開請求を通じて入手した地歴情報をもとに議会で小池都政を追及し公正な対応を求めようと準備に取りかかりました。ところが、間髪入れず、その日の夜9時、都が緊急会見を開き当該情報を公表、かの有名な「コンクリートなどで覆われていて問題ない」発言(小池知事)が飛び出したのです。
日本維新の会は、一貫して都民のために働いてきました。2月の情報公開請求に続いて、3月9日には「豊洲市場移転問題に関する提言」、そして6月7日には「豊洲市場移転問題に関する緊急提言」を公表。政党の中で、豊洲移転を実現するために実際に汗を流してきたのは維新、日本維新の会だけなのです。
なお、私たちが豊洲移転を急ぐべきと訴えたのは、もちろん築地市場と豊洲市場との比較衡量の結果ではありますが、実は、馬場伸幸団長筆頭に2月8日に築地市場を視察した際、内心では、豊洲しかない、と心に固めました。万が一、首都直下地震があれば、築地市場は一溜まりもないと肌で感じたからです。
関連して、都の市場問題PTの良心、日本建築構造技術者協会の森高英夫会長の言葉を引用しておきます。氏曰く、「首都直下地震の極めて強い揺れに対して相当の被害が生じる恐れがある」「(観光客等の入場制限など)築地市場の耐震対策は“待ったなしの状態”である」と。悔いの残らぬことを祈りつつ。
編集部より:この記事は、衆議院議員・足立康史氏の公式ブログ 2017年6月23日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は足立氏のブログをご覧ください。