光の道に絡んで,電波政策が大きな転換点を迎えていて、ホワイトスペースも注目されています。
このホワイトスペースの議論は、前にも書きましたが、FCCは、既存TVとの共存ルールを決めただけです。 (47 CFR Part 15 subpart H rules)
下記は、その概要です。
1)National databases of TV bands saying what TV white space is present at the location you ask about ? I am here, what channels are free?
2)Fixed devices allowed 1W tx power/4W EIRP
a)TV channels 2, 5-36, 38-51 nationwide* ~240 MHz
b)Must sense signals to -114 dBm
c)Fixed devices must consult TV bands database daily
3)Personal/portable devices allowed 100 mW EIRP
a)TV channels 21-36, 38-51 nationwide* ~180 MHz
b)Must sense signals to -114 dBm
c)Master mode devices must consult TV bands database daily or after changing location
このルールには、OFDMを使うとか、CSMAを使うとか、チャンネル帯域をいくつにするなどは、一切含まれていません。
そして、このルールの元で、どのような技術を使うか(変調方式やチャンネル帯域幅など)は、IEEE802.11やIEEE802.16などが、正にいま検討をスタートしたところです。
ちょうど、IEEE802.11afは、draft 0.02のレビューが先週開始されましたが、FCCのルールが変わった場合には、この規格も見直すということも示されています。 このDraftは,7月のサンディエゴの総会で、Draft1.0として承認されることを目指しています。
今、日本がやるべきは、ホワイトスペースにどういう技術を使うかではなく、まず免許バンドにするのかコモンズにするのかを明確し、既存TVとの共存ルールを明確にすることです。
(なお、カナダの場合には、ホワイトスペースを、ルーラルのFWAに使うという方針ですが、これは北極圏を抱える地理的な事情によるものです。)
電波政策ビジョンでは、コモンズの拡大、アンダーレイ、オーバーレイ技術による電波の多重利用が明確に記載されていましたが、いまのところコモンズは拡大していません。 アメリカでは、900MHzのISMでも無線LANを使う提案IEEE802.11 S1G Study Group もはじまりました。
ホワイトスペースが、コモンズになるのかどうかは、日本の電波政策の今後を計る一つのバロメーターではないでしょうか?