今年もまた国勢調査に協力させられた。国の基本情報となる調査だから協力はしたいのだが、毎回調査票を見るたびにうんざりする。5年に1度とはいえ、分かりにくい、記入しにくい、めんどくさい調査だなと感じるのだ。
毎回問題になるのがプライバシーに関わる質問。
何年前だったか、年収を聞く調査項目があり、全部ウソを記入したことがある。見ず知らずの調査員に 回答を覗き見されるのではという不安があった。今回はそんな質問項目はなかったし、回答を調査員には渡さず、郵送できるようになったのとインター ネットで回答できるようになったのは進歩だ。
記入は10分くらいで終わるのだが、何をどう記入するか記入用紙とは別に解説書がある。その解説を読むだけで10分以上かかる。
解説など読まなくてもいいだろうと記入を始めた。細かい欄にマークシート方式の小さな円。指示の矢印にしたがって記入していくと勤務先、子どもの 通学先などの地名の市区町村名の記入も求められる。あそこはどこの県の何市だったっけ。リタイアした身にとっては記憶があいまいなことが多い。
こんな調査で国の実態がどこまで分かるというのか。
これでわれわれの老後の生活がどう向上するのか。そんなことに疑問を感じつつ記入していたら間 違って記入してしまった。仕方なく欄外に書き直した。書き終えて先の解説を読んだ。すると記入は鉛筆でとある。こちらはボールペンで記入していたから、後の祭り。
しゃあない、インターネットで書き直してやるか。通知ハガキにあったアドレスを打ち込んでサイトに行ってみた。整理番号だのIDだの確認コードだのこちらは記入する前の手続きが面倒だ。本文の調査票に入る前にやる気が失せた。
国勢調査は法律で協力することが義務づけられているとはいえ、国民にとっては何もインセンティブが働かない。ましてプライバシーに関わることまで 回答などしたくはない。
今回は、家族構成や勤務先、自宅は一戸建てかマンションか居住面積は何平米かなど住環境に関する質問があり、人によっては 立ち入りすぎと感じるのではないか。嫌気がさして今回も提出するのはやめようかと迷った。
翌日気を取り直してインターネットにアクセス。やっと記入を終えた。
そこで気づいたこと。
最後に勤め先の業種、事業の内容、仕事の内容を記入させられた。はて、事業の内容と仕事の内容はどう違うのだろうか。私のようにフリーでジャーナリストをしながら大学で非常勤教員をしているとどっちを 記入すればいいのか。ジャーナリストにしても事業の内容と仕事の内容はどう違うのだろうか。考え込んでしまった。いまや国民の働き方は千差万別。 さまざまな副業をしている人も多い。こんな分類で国民の労働の実態が
把握できるのだろうか。そんなことを考えながら送信ボタンを押した。
そろそろ 国勢調査のあり方を根本から考え直した方がいいのではないだろうか。
コメント
国勢調査は、いまの時代、もう役割を終えたと思います。
5年に一度では、データの更新が遅すぎる。
データを商売に使いたい人は、独自に調査すると思います。吉野屋のように。
新宿で商売する人は、日本全国のデータなど必要ありません。
この国勢調査に、いったいいくら使っているのかと思うと、無駄すぎます。
民主党には、事業仕分けで即刻廃止にしてほしいです。
あの程度の項目記入さえ処理できない、低い判断力しかお持ちでないということを、堂々と公表されることに驚きを覚えます。
国勢調査は、国家の「棚卸し」です。棚卸しを行わない小売会社なんてありえないです。
帳簿(住民票や戸籍)と実態(在庫)を照らし合わせて、日本国民の現況を知ります。知らなければどうしようもありません。
このデータがなければ、国家のさまざまな政策への数字が出せません。できるだけ新しい数字をもとに、政策への数字を修正していけるように、調査を行うのです。
5年に一回は、統計を正すには遅いサイクルなのですが、経費や国民の負担を考えると、仕方がない時間でしょう。
社会的常識たる知識も欠如しているひとが発信する情報に、いったい何の意義があるのでしょうか?
無共感(アノミー状態)の無政府主義者ならば、そちらのほうを明言されるべきです。