電力危機を回避するために今すべきこと - 佐々木 太志

アゴラ編集部

現在の予想によれば、東電管内において今夏の電力の需給ギャップは1000万KWにおよぶとも言われている。また、この電力の不足は数年以上に渡り継続するとも言われる。経済界では業界ごとに輪番操業を計画しているとも言われるが、果たしてそれだけで夏冬の需給ギャップを解消できるのか。
製造、流通、販売までの一貫したSCMの維持という観点からも実効的な合意は難しいだろう。また、仮に長期に渡り経済界に全てのしわ寄せを行えば景気の悪化が家計にも影響する。

では、一般家庭の節電努力でギャップを解消できるか?ただ努力に頼るだけでは困難だろう。今夏、おそらく節約疲れが出てきた頃に冷房シーズンがスタートする。仮に昨年のような猛暑であれば冷房なしでは乗り切れない可能性が高い。熱中症による死者が相次げば尚更だ。


どちらにしても言えるのは、危機を前に痛みを分かち合うべきという考えは、初動期には有効(というか、それしかない場合も多い)だが、長く継続する危機の前では逆効果になるということだ。危機に際して「欲しがりません、勝つまでは」的な思考を取り続けると、経済は縮退し、全ての国民が長い痛みを味わう。需要を可能な限り満たし、その対価にて供給力を伸ばすような方策を考えるべきだろう。
この際、対価としてはお金以外の貢献の方が重要だ。インカム(=電気料金)を上げても、それを使うべき施策がない。原発を建てる建設費がないのではなく、もはや原発の新設を受け入れる立地がないのだ。

多くの一般消費者が、商用給電の対価として金銭以外の貢献を支払うとすれば、まず考えられるのは太陽光発電の設置だろう。消費者は、太陽光パネルの設置コストを負担し、余剰電力の売電により地域の電力供給に貢献する。ところが太陽光には昼間しか発電できないという制約がある。このため夜間電力を安定的にまかなうための施策が必要だ。

私が提案をしたいのは、現在は制度がないガス発電由来の電気の購入を東京電力に義務づけることだ。ガス発電であれば昼間夜間を問わず稼働が可能となる。安定した供給源であるが故に、地域毎に供給可能な電力を統計的に計算することも可能だ。
同時に、現在のガス発電機(エコウィル/エネファーム)の小改良版を発売する。

その設置については基本的に消費者の負担とし、国や自治体から補助金を出す(これまでの制度をそのまま用いる)。発電に必要なガス代は、太陽光の場合と違い、売電量を元にガス会社と東京電力の間で直接精算するべきだ。家庭用ガス発電機なら土地買収も不要だし、工事は3日もあれば完了する。今年の夏には間に合わなくとも、今年の冬にはかなりの戸数で稼働を始められる筈だ。

万が一、地域のガス発電機をフル稼働させても電力が不足する場合には、残念ながら計画停電を実施するしかない。しかし、ガス発電機を持つ家庭は自家発電により停電を免れる。万が一の停電対策として家庭用ガス発電機を進んで導入する消費者も多い筈だ。

このガス発電機には通信ユニットを付けることが望ましい。そうすれば、サーバから遠隔でガス発電機を稼働させることができるようになり、電力の需給を見ながら制御することが可能となる(再度述べるが、そのガス代は電力会社に負担させる)。
最初は原始的な制御しかできないかもしれないが(例えば14時~20時のピークは全て運転、など)、制御を進化させれば、そのままスマートグリッドに移行することになる。例えば、地域の電力が足りないときは、貯湯タンクのお湯の量が少ないガス発電機から優先的に稼働させる。それでもなお電力が足りなければ、貯湯タンクが満水の家庭の発電機をサーバから稼働させることもできる。電気やお湯の需要を見ながら、最も効率の良い運転が可能となる。

スマートグリッドはまだ日本では本格的な検討が進んでおらず、おそらく、今回の事故がなければ、既得権益者たる電力会社の反対により当分は足踏みを余儀なくされただろう。が、状況は一変した。東京電力が健在であれば実現不可能な案も、今なら検討し、実現することが可能だ。その最初の一歩として、政府、ガス会社、および発電機(コジェネおよび燃料電池)のメーカーには、次の実現を早急に望みたい。

1. 停電時でも内蔵バッテリで起動が可能であり、貯湯タンクの水量によらず稼働させられるガス発電機の小改良
2. ガス発電機の管理のための制御システム、ネットワーク、プロトコルの検討
3. ガス発電機の電力を電力会社に購入させる法制度の検討

これまでガスと言えば災害に弱いインフラとの烙印を押されてきた。が、今起きているのは災害という言葉から想定されるような一過性の事態ではない。発電所などの大規模設備が不要で、家庭に直接届けられる一次エネルギーであるガスの利点を見直すことは、停電による不況を回避し、日本が復興に向けて歩むために必要不可欠だと考える。
(佐々木 太志)

コメント

  1. greetree より:

     夢を見るのもいいですが、科学的に考えれば絵空事だとすぐにわかります。
     例年の最大電力は 6000万Kw で、今夏の供給電力は 4500万Kw です。差し引きして 1500万Kw が必要。これがギャップです。
     節電によっていくらかギャップを縮められるとしても、1000万Kw 近くのギャップが残る。これをガス発電で埋められるわけがないでしょう。そんなに多量のガス発電を生産することは不可能です。仮に生産したら、あとでその生産設備が遊休するので、生産した会社が倒産してしまいます。
     数字を考えれば、本項の方法は「焼け石に水」だとわかるはずです。最大限でも 100万Kw 程度でしょう。それでも、やらないよりはマシだが、それで今夏の停電が回避できないことは明白です。

    > 万が一、地域のガス発電機をフル稼働させても電力が不足する場合には、残念ながら計画停電を実施するしかない。

     万が一、ではなく、必ず不足します。足し算引き算ができれば、すぐにわかるはずです。
     ただし、「計画停電を実施するしかない」というのは、大きな間違いです。
     
    > エコウィル/エネファーム

     どちらも現在、多額の補助金で普及を促進していますが、なかなか普及が進まないのが現実です。あまりにもコストがかかるから。
     これ以上普及させるには、超巨額の補助金が必要です。国が兆円規模の補助金を出しますか? そういう補助金によって莫大な無駄を発生させることがお好みですか?

         *  *  *  *

     お金を使うばかりが能じゃない。金を遣わなくても、知恵さえあれば、1円も使わずに停電を回避できます。次のページで回避策が示されています。まずは他人の意見を聞きましょう。
      → http://pari.u-tokyo.ac.jp/earthquake/plan_SCEJ.html
      → http://bit.ly/eUvZqa

  2. greetree より:

     需要というものは短期間に大規模に変動させることが可能ですが、供給というものはそうではありません。
     したがって、このような大規模な需給ギャップについては、需要面で対処するのが正解です。(供給面では無理です。)
     供給面は、「できる限りのことをやる」だけであり、特別な妙案はありません。供給面で「打ち出の小槌」を期待するような方針は、最初から方針が間違っています。
     
     需要とは何か、生産とは何か、を現実的に理解することが必要です。
     「市場原理で価格調整でカタが付く」「机上の計算で調整する」というような単純なものじゃないんです。現実の本質を理解することが大切です。

     「法律で命令すれば需給は一挙に均衡する」
     という政府の方針もまた同じ。現実無視ですね。
      → http://bit.ly/hpIlqU

  3. kokusa より:

    これだけの需給ギャップの解消には、小さなものでもあったとしても、あらゆる手段を積み上げて実施していくしかありません。
    供給力を増やす、節電する、の他に、需要シフトについても検討していくべきではないかと思います。
    製造業の生産の一部をを西日本にシフトすることはすでに検討が始まっていますが、夏のピークの最大の要因は冷房需要なので、オフィスそのものを涼しい長野方面(東電の管轄外)に移すとか、西日本側に支社があればそちらに機能を移すことも真剣に検討すべきだと思います。
    さらに、サーバーや大型のコンピューターはその発熱を抑えるために膨大な冷房施設を必要としています。リスク分散のためにも、西日本側にこうした施設を多重で設置するか、移転することも考えるべきではないでしょうか。
    1000万キロワットの不足量からすると小さなことではありますが、こういう積み上げをしていけば、発電所を1基作るよりはずっと早く対応することができると思います。
    製造業の工場そのものをシフトしてしまうと、雇用の場まで移ってしまい、地域経済に与える影響が大きすぎまし、海外移転にまでつながってしまいます。

  4. agora_inoue より:

    >オフィスそのものを涼しい長野方面(東電の管轄外)に移すとか、西日本側に支社があればそちらに機能を移すことも真剣に検討すべきだと思います。

     あなたがここで述べるのは簡単だが、どうやって実行するの?政府の命令?何百何千とあるオフィスをどうやって選別するの?

     つまり、タイムシフトをするにしても、オフィスや工場そのものを移動させるにしても(間に合わないと思いますが)、どうやって強制するかという問題があるのに、誰もそこには言及しない。
     結局、東北と関東に限って、電力料金を大幅値上げするしかないんですよ。

  5. sudoku_smith より:

    1500万kwのギャップに対し、良いアイディアがありますよ。

    東日本の動いてない原発の合計1280万kwを即刻再稼働させるのです。
    再稼働には2-3ヶ月かかりますから、今から始めれば間に合います。

    以下は現在停止中の原発です。

    福島第1原発の5-6号機の184.4万kw
     =>(地震時にそもそも点検中で動いてなかった)

    福島第2原発の440万kw
     =>今回の地震と津波でも安定に停止、冷却成功

    柏崎原発の2、3、4号機330万kw
     =>4年前の新潟地震で止まってそれ以来、新潟がいやがって止めている。

    あと、
    東北電力の女川原発が217.4万kw
     =>今回の地震と津波でも安定に停止、冷却成功

    東通原発110万kw
     =>今回の地震と津波でも安定に停止、冷却成功

    関西からの融通100万kwがあるので残りの120万kwは節約と火力の緊急稼働でなんとかなるでしょう。

    なぜか原発が全部爆発したように思われているようですが
    福島第1原発の1-4号機以外は何も問題起こしていませんよ。

    今夏は復興と経済の安定維持を図るための緊急の時期です。
    猛暑で人が死んだり、病院が電源不足で人が死んだり、電源不足で失業者が大量に出たら誰が責任を取るのです?不作為による害こそ人災です。感情論でぐたぐた言うときではありません。

    そもそも、西日本への移転という事は、関東に失業者があふれるという事ですよ。それは政治的に不可能な対策です。

  6. agora_inoue より:

    >そもそも、西日本への移転という事は、関東に失業者があふれるという事ですよ。それは政治的に不可能な対策です。

     無傷の原発の再稼働は技術的には困難はないが、これもやっぱり政治的に不可能。

  7. sudoku_smith より:

    >無傷の原発の再稼働は技術的には困難はないが、これもやっぱり政治的に不可能。

    いいえ、政治家が責任を取れば良いだけの話です。国として技術的に問題がない休止中の原発を再稼働させる命令を出す法律を作れば良い。地元自治体の合意は無視すればよろしい。国が合意しているのだから。

     さもなくば、街に失業者があふれ、病院や交通機関は停止し、老人や子供には酷暑による死者が出るでしょう。確かに原発立地地域には人気のない政策かもしれませんが、責任を果たす事を考えれば、これこそが政治主導です。

    国は、停電のためにあなたの会社がつぶれたり、首になっても責任を取ってくれません。
     でも、原発風評被害には責任を持ってくれます。

    これは不公平だと思いませんか。
     風評は、電気を受け取る人がきちんと理解すれば、解決できる問題です。なぜ、「電力が必要であり、安全に稼働できる設備が存在する事」も理解できないんですか?

    風評に嫌われても責任を果たすか、人気を取って他人の困難を知らんふりするか。私なら責任を果たす人を選びます。
     どうせ人気がないのだから、管首相はこの法律を作って退陣すればよいでしょう。それで後世に「日本を救った総理大臣」として名前を残せます。
     あぁ、そうか、民主党も自民党も、この「ババ札」を引きたくないんですね。ババ札は、時には最強のカードなんですけどね。

    ところで、電力キャパを越えた場合、停電は全域で起きるのでしょうかね?それとも部分的な停電で済むのかな?
    もし、全停電になれば、関東全域の経済は破壊されますね。日本のGNPの何割が吹っ飛ぶのかな。世界恐慌の始まりです。

  8. hogeihantai より:

    >5
    >6

    安定に停止、冷却成功でも構造物、配管、機器に破損が無かったとは断定できない。福島第一の調査報告完了後、新たな対策が事故の無かった原発でもとられた後の再開となるでしょう。事故の調査報告、対策、検査の主体が日本の機関(保安院など)では信用できない。米国のNRCに依頼すべきである。

  9. agora_inoue より:

     原発再稼働は、内閣をつぶす覚悟があれば可能なんですが、菅内閣は、数ヶ月内閣を延命させる代わりに、日本をつぶす方を選択するんじゃないかと私は悲観してます。

  10. sudoku_smith より:

    >8.hogeihantaiさん

    わたしは米国やフランスの機関がそれほど信用できるとは思いません。
    彼らに取っては所詮、人ごとなのと、自分のものでない機械を十分に点検できるとは思えないからです。お墨付きが欲しい気持ちはわかりますが、この際は役に立ちません。第一彼らは日本語のマニュアル、測定データは読めないでしょう。翻訳するだけ無駄な工数になり、余計なミスが発生します。日本とアメリカで単位はどっちを使うのかな。
     結局こういう事は自分でやるしかないのです。身内が信用できないならやめる事ですね。

    ちなみに、アメリカもフランスも漏洩の実績はたくさんあるようですが、改善されたのかどうか、わかりません。繰り返しているところを見ると、betterとも言いがたいのでは。

  11. minourat より:

    > sudoku_smith さん

    福島第2原発では、 1・2・4号機がRHR機能を喪失し一時圧力抑制室の温度が100度を越え、 緊急事態宣言が出ました。 給水車からの給水も行っています。 幸運であったのは、 外部電源が確保できたことです。 

    女川では、 2号機の非常用ジーゼル発電機が冠水で起動しませんでした。 今のところ、どの機も復旧の見通したたずとのことです。

  12. worldcomw より:

    > 5.以降

    柏崎刈羽なら、新潟に1兆円くらい渡せば3ヶ月限定とかで動かせるかもしれませんね。
    新幹線を建設する時のような『経済波及効果』をひねり出せば、充分にペイ出来ます。

    福島第1-5/6号機はムリでしょう。隣の放射線、共用施設の損壊&目的外使用等々、
    運用出来たとしても、事故率が数万倍になります。
    まあ、吹っ飛ぶのが4基も6基も同じだからダメもとで動かす、という考えもありますが。

    福島第2も難しいかな。万一のことがあると南の広野火力まで失うことになります。
    まあこれも 福島第1の避難圏が25kmとかに拡大されると、どっちにしても
    おしまいですが。

    そして一番重要な点としては、政治家にこの決断は出来ません。
    また、これを争点に選挙をしても国民投票をしても、必ずNOになります。
    それがこの国の民度です。

    政府は輪番停電前提で進めていますし、もう考えるだけムダですね。
    一般家庭へは掛け声だけで成り行き任せ、企業へは丸投げ、
    もう政治家の出番はありません。
    全ては選挙に向けたパフォーマンスです。

  13. minourat より:

    > 自分のものでない機械を十分に点検できるとは思えないからです

    日本のBWRは、 すべてGEの設計図によってつくられています。 もとの設計図の単位はフィート・インチ・ポンドですが、 日本語になおしたものはメートル法を使用しています。 米国には、 同様の原発が40基ほどあります。 英文の設計仕様書がそのまま使えます。 なにしろ、 日本の技術者もGEの英文の設計仕様書を読み、 GEの作った一号機をみながら作ったのですから。

    特に東電は、 GEの設計どおりに作ることを要求しました。

    ABWRは、 GE、 日立、 東芝の共同開発です。

  14. sudoku_smith より:

    >そして一番重要な点としては、政治家にこの決断は出来ません。

    正直、そう思ってます。日本の政治家にはできないでしょう。
    全員が不幸になるしかないのでしょうね。

    >日本のBWRは、 すべてGEの設計図によってつくられています。

    原子炉に限らず大規模プラントは設計図通りには作れません。大なり小なり違うものです。パフォーマンスを確認しながら現地で調整していくものと考えた方が良いです。
     あと、確かにエンジニアを抱えてはいるでしょうが、NRC自身が何を監査をできるか疑問に思います。結局書類審査しかできないので、日本人がやるのと変わりませんよ。アメリカの監査は日本よりザルです。
     正直言って、もしGEの設計図通りに作られたプラントであれば信用できません。アメリカ製電気製品の品質がそれほど良いとお思いか?
     東電がGEの設計図通り、と要望したのは60年代の話でしょう。

  15. greetree より:

    7> 休止中の原発を再稼働させる……さもなくば、街に失業者があふれ、病院や交通機関は停止し、

    あんまり大げさなことを書かないでください。ピーク電力を下げることは、タイムシフトをするだけで簡単にできるのですから、それを避けることは容易です。タイムシフトをせよ、と言えば済むことです。
     → http://bit.ly/eUvZqa

    簡単で安全でコストがゼロの道があるのに、何だって最悪の危険の道を選ぶのか。
    安全性の未確認な(危険な)原発の再稼働へ進むのは、東電の経営者と同じ発想です。

    > 電力キャパを越えた場合、停電は全域で起きるのでしょうかね?それとも部分的な停電で済むのかな?

    停電じゃないと思いますよ。全域で電圧低下と周波数低下でしょう。イタリアではそうだし。昔の日本もそうだったし。
    この状態で部分停電すると、他の領域で電圧と周波数が回復します。
    どっちがいいかは、何とも言えません。1割以上の電圧低下に耐えられる機器は、そんなに多くない。

  16. minourat より:

    > 原子炉に限らず大規模プラントは設計図通りには作れません。

    原子プラントはめちゃくちゃ複雑です。 それを理解しろといわれたので、 どういう方法がいいですかと質問したところ、 設計図を読めといわれました。 私は, 現物をみたほうが良いだろうと、 建設中の原子炉建屋の内部をうろつきまわりました。 原子炉建屋のなかは、 コンクリートと鉄でいくつもの部屋にしきられ、 格納容器など一度に見られるのはその何十分の一でした。 そこで、 設計図を丹念に読むことにしました。

    大なり小なり違うものです。パフォーマンスを確認しながら現地で調整していくものと考えた方が良いです。
     あと、確かにエンジニアを抱えてはいるでしょうが、NRC自身が何を監査をできるか疑問に思います。結局書類審査しかできないので、日本人がやるのと変わりませんよ。アメリカの監査は日本よりザルです。
     正直言って、もしGEの設計図通りに作られたプラントであれば信用できません。アメリカ製電気製品の品質がそれほど良いとお思いか?
     東電がGEの設計図通り、と要望したのは60年代の話でしょう。

  17. minourat より:

    > NRC自身が何を監査をできるか疑問に思います。結局書類審査しかできないので、日本人がやるのと変わりませんよ。

    保安院では、 その書類内容も正確には理解していないとおもいます。 今回の事故に関する保安院の発表を読んでそうおもいました。

    NRCの原子炉部門の責任者であった Harold Denton なんかは、 しっかりしていました。 Mark 1 格納容器の欠陥も指摘していました。

    > アメリカ製電気製品の品質がそれほど良いとお思いか?

    米国では、 今はテレビなども韓国製がほとんどだとおもいます。 電気製品の技術では、 原子力発電所はつくれません。

    > 東電がGEの設計図通り、と要望したのは60年代の話でしょう。

    1979年に完成した福島第一原発の6号機の主計役者はGEです。 これは、格納容器が Mark I から Mark II になったためです。

  18. hogeihantai より:

    >14
    パフォーマンスを確認しながら現地で調整していく

    私は産業ポンプのの設計技師で電力会社と長い付き合いがあります。今回の事故で毎日報道されてますが、ポンプは原子力発電プラントの心臓部です。ポンプに限らず全ての機器は発注仕様書に基づき製作され、メーカーの工場で性能(パフォーマンス)試験を行い納入されます。現場に設置した後では性能の調整はできませんし、することもありません。因みにポンプの場合の性能調整とは羽根車の外径をカットして仕様通りの圧力、流量に合わせ、回転体の動バランス調整を行うことです。スティームタービンの性能調整も現地では不可能。モーター、発電機、熱交換器、バルブ、その他、主要機器でも現地調整は不可能です。