福島第一原発の放射能漏れ事故以来、当然のことながら脱原発の世論が高まっている。そして太陽光や風力のような再生可能エネルギーへのシフトが声高に叫ばれている。しかし筆者はそういった安易な考え方に危ういものを感じている。というのも再生可能エネルギーは原発を置き換えうるような技術では決してないからである。一部にこれから研究開発してイノベーションを起こせば、これらの再生可能エネルギーが原発を代替しうる技術になるといった楽観的な見通しもあるが、それは絶望的だといわざるをえない。おそらく近年のIT技術の進歩になぞらえているのだろうが、ロジックだけで全てが完結するソフトウェアと違い、エネルギー技術はそもそも絶対に破ることができないエネルギー保存則や熱力学第二法則のような物理原理に支配されているので、その技術革新のスピードは物理的な限界に漸近的に近づくという非常に緩慢なものにならざるをえない。現在のような電力供給の非常に逼迫した状況で、どの電力会社も老朽化した火力発電所を復活させたり、ガスタービンを増設するのに必死になっている一方で、誰も再生可能エネルギーのことなど考えもしていない事実を冷静に見つめる必要がある。以下、よく誤解されているポイントを中心に再生可能エネルギーの限界について論じる。
1.再生可能エネルギーは膨大な土地が必要
エネルギー政策担当者の間では、実は原子力というのは人命という観点からいえば極めて安全なものだと考えられている。研究者によって数値に開きがあるが、単位エネルギー当たりの死傷者数を火力発電と比べると、原子力は、採掘作業などでの事故死だけで二桁、大気汚染での死傷者数を含めれば概ね三桁ほど安全なことが分かっている。すなわち火力では数千人が犠牲になるエネルギーを取り出すのに、原子力はわずか1名程度の犠牲者でいいことになる。もちろんこの計算にはチェルノブイリが含まれている。多くの人には意外かもしれないが、原子力は非常に安全なのである。これは単位移動距離当たりでは、自動車より飛行機のほうが圧倒的に死傷者数が少ないのと似ている。この事実による当然の帰結は「脱原発はより多くの人を殺す」である。
出所: 金融日記
しかしチェルノブイリや福島での核災害を観察すると、原子力発電のひとつの大きな欠点が浮き彫りになる。それは放射能が漏れるシビア・アクシデントが発生するとかなりの土地が失わてしまうことである。これは住居に適した土地が少ない日本のような国にとって、大いに気がかりなポイントである。人命と土地のような経済的価値を比べるのは困難だが、原子力は人命にはやさしいとしても、人命を救うことによる経済的損失が過大になるかどうかは熟慮する必要がある。
ところがこの点に関していうと、太陽光や風力のような再生可能エネルギーの方が圧倒的に土地を費消するのである。これは太陽光や風力は空間に漂う非常に低密度のエネルギーを利用しなければいけないという、どうしようもない物理的な限界による。下の図は、100万kW程度の標準的な原発を再生可能エネルギーで置き換えるために必要な面積を描いた。
出所: 東京電力、Nuclear Energy Insituteの資料から筆者作成
原子爆弾を想像してもらえば容易に理解できるだろうが、核エネルギーの圧倒的なエネルギー密度と、日常生活の中で我々が直に接している太陽光や風力との違いが如実に表れているのである。そしてこれは物理的な限界なのであって、多少発電効率が上がったところで解決しないのである。なぜならばエネルギー保存則から、発電効率は決して100%を越えることはないからである。
2.不安定な電力は単独では使用することができない
出所: 東京電力
よく太陽光発電のコストは原発のX倍とか、これだけの風力発電設備を作れば全ての原発を置き換え可能などという説明を見かけるが、これらはあまり意味がなく、時に誤解を招く表現である。太陽光や風力は文字通り天気まかせの発電方法であり、当然ながら気象条件に左右される。現状では大きな電力を蓄えることが可能なバッテリーは現実的なコストで作ることができないので、発電とは、需要に合わせてうまく供給していくしかないのである。つまりこのような再生可能エネルギーは、必然的に火力発電や原子力発電と組み合わせる必要があるのである。よって再生可能エネルギーの火力や原子力に対するコスト比較や設備の比較は、あたかもコストさえかければ再生可能エネルギーのみで電力供給をまかなえるという幻想を喚起させてしまい、甚だ正確な表現とはいいがたい。電力供給とは、刻一刻と変化する電力需要に対して、様々な電力源を活用して需要よりもわずかに大きい電力供給を正確に実行していく、極めて高度な動的ポートフォリオ・マネジメントなのである。つまり、次の式を満たすように発電設備を設計しなければいけないのである。
電力需要の最大値 < 発電キャパシティーの最小値
この点から、再生可能エネルギーの利用は極めてむずかしいのである。現実には、不安定な電源を利用するコストが非常に高いので、日本では風力発電などで作られた電力は補助金だけ払ってそのまま捨てているのが現状である。また、ヨーロッパ諸国など、再生可能エネルギーの育成に積極的な国では、こういった不安定な電源の性質を補うために火力発電所で大掛かりなバックアップが必要になり、かえって炭酸ガスの排出量が増加したという報告もある。
3.今後のエネルギー政策
筆者は、火力発電による炭酸ガスの排出や大気汚染などの地球環境問題の深刻さ、また中国やインドなどの新興国の急速な経済成長を勘案すると、これからも積極的に原子力を推進していく必要があると考えている。再生可能エネルギーは火力発電の比率を下げるために利用するべき技術であろう。
しかし大衆というのは時に感情的で、そういった感情的な反応を増幅するのがマスメディアであり、またそういった感情に阿っていくのが政治家の仕事でもある。よって今後は誤ったエネルギー政策、すなわち急進的な脱原発政策が選択される可能性が非常に高いと考えている。そのコストはより多くの人命、高い電気代、電気の質の劣化、産業の空洞化等であるが、それは民主主義の宿命でもあり、日本の居住者が受け入れなければいけない代償であるのかもしれない。エネルギー政策は一度決定されると、その後の再変更は極めて困難である。そして今回の誤ったエネルギー政策の「授業料」は100兆円のオーダーになると思われる。
往々にして、地震よりも津波や火事などの二次災害の方が怖い。福島第一原発の事故も、核災害そのものよりも、その後の人々の反応の方がはるかに日本の将来にとって深刻なダメージを与えたと思われる。まるで放射線によって傷つけられたほんの一部の細胞が、DNAという複製子を介して、その傷をどんどん増殖させてしまうみたいに。
コメント
そもそも、「再生可能」なエネルギーなんて、ありません。
ほとんどの電気は、化石燃料も含め、「太陽光エネルギー」を、直接、間接に使って発生させています。
原子力は、例外にあたる比率が高い発電方法にも見えます。
ただ、
(1)エネルギー政策担当者の間では、実は原子力というのは人命という観点からいえば極めて安全なものだと考えられている・・・どこの国の担当者でしょうか?いつのことでしょうか?
(2)太陽光、風力は、筆者の言うように現実的ではないとしても、「最新鋭の火力発電を増やす」の選択肢はないのでしょうか。
CO2(炭酸ガス)増加による気候変動というのも、かなり懐疑的なのですから。
(3)筆者は、「積極的に原子力を推進」 とのことですが、福島原発の事故を受けて、これまで以上に立地条件を吟味する必要があると思います。
少なくとも、地震多発地帯である日本列島は、世界全体でみれば立地に適した場所とは言えません。
政治的にも、新規建設は「非常に困難」と思われます。(あの、合理主義のアメリカ合衆国でも、スリーマイル島事故から30年、新規に作っていなかったのですから)
再生可能エネルギーの需給のバランスは困難でありますが、これを克服するためヨーロッパ(EC)では以下の事がが検討されており近いうちに制度化されるそうです。
1)24時間前に電力の売買が可能なIntra-day market trading
2)発電業者が発電量と供給時間を市場にオファーできるShorter gate closure times
電力事業も藤沢さんご専門の金融と同様、自由化や制度のインフラが整備されれば再生可能エネルギーが伸びる余地は充分あるのではないでしょうか。
風力には膨大な土地が必要との御主張ですが、日本の土地は狭くとも経済水域は世界有数です。海上の浮遊式風力発電は騒音公害も無く有望です。地熱エネルギーの埋蔵量も日本は世界有数です。日本の再生エネルギーが発展しないのは、原子力に偏った産業政策や参入障害と企業家精神の欠如だと思います。
人は必ず死ぬのであり、原発で働く人が発電業務で死ななくても、他のことで死ぬのです。発電業務で死ぬ人の数を減らすために、火力から原発に移行したって、発電業務外で死ぬのです。たとえばプルトニウムを肺に吸い込んで肺癌死するとか。原発が命に優しいですか?
奪われる土地の面積にしたって、時間軸を考えれば、原発は面積×時間(天文時間)が無限大で、他の方法は人間の一世代並に有限です。
自然エネルギーは不安定とのことですが、万物の営みはすべてに波があり、それは欠点でも何でもありません。むしろその“ゆらぎ”を上手く活用して発展してきたのが人類です。卑近な例でいえば、株価だってゆらぎの中にこそ商機があるのでしょう。呼吸だって吸ったり吐いたりして生きているのであり、吸いっぱなしじゃ死にますね。
物理的な法則に照らしても、放射能は無限の時間で一方的に自由エネルギーを放出して乱雑さが大きくなる存在であり、人間は、有限の時間でゆらぎながら自由エネルギーを使って乱雑さを小さくしていく存在なのであり、前者が安定で優れた存在で、後者のような存在が不安定で劣っているのですか?
それにしても、天文学的な大きさの無限時間で燃え続ける放射能を、たかだか数十年という有限時間で劣化して壊れていく原子炉で、いったいいつまで封じ込めるつもりでいたのでしょうか。
> (1)エネルギー政策担当者の間では、実は原子力というのは人命という観点からいえば極めて安全なものだと考えられている・・・どこの国の担当者でしょうか?いつのことでしょうか?
藤沢さんが誰のことを言っているかはわかりませんが, 他のところで出している数字も同様です.
WHO: http://ow.ly/53cl0
OECD: http://ow.ly/53cmM 35ページ
> CO2(炭酸ガス)増加による気候変動というのも、かなり懐疑的なのですから。
私も懐疑的ですが, 最大の問題は地球温暖化論者と戦わなければいけないことです. しかし, 情緒的な反原発に迎合する政府が, 地球温暖化論者とだけ戦うなんて想像できません.
いまのままだと火力に頼ることになるでしょう. そして何もしないままずるずると進み, 日本はCO2の莫大な代金を払うことになるでしょう.
——
> 海上の浮遊式風力発電は騒音公害も無く有望です。
どう考えてもコストが莫大になりそうです. 苫前町は風力発電の成功例ですが, 綿密に下調べし, 徹底的にコスト削減に努め, やっと黒字にこぎつけました. http://ow.ly/53dkd
風力は維持費が意外にかかり, 台風などで羽が折れる事故も時々あります. また, 海上といえど風が止まるときもあります.
> 地熱エネルギーの埋蔵量も日本は世界有数です。
有望ですが, 障害が多く, 大量に建設するのは無理です. 増設は進むでしょうが, 電力の一部をまかなうのが限界と見ています. 理由は
・ 適地は国立公園・国定公園が多く, 自然を破壊して建設するのは不可能ではないが難しい.
・ 温泉の水脈に影響を与える危険があり, 周辺の温泉旅館が猛反対する.
・ ヒ素などが混ざっている場合があり, 公害・事故の危険がある. フィリピンでは実際に起きた.
・ 大量にくみ上げるので蒸気井が枯れることがある. 新しく掘り直しても必ず当たるとは限らない.
今日の日経朝刊によれば原子力発電シェア4割のスイスが2034年までに原発を廃止するとのこと。理由は「長期的には再生可能エネルギーの競争力に及ばない」との見解。
sfdx氏へ
出来ない理由を挙げるのは自由ですが、出来ると思って実現に努力している人も多数います。殆どの新しい技術は最初は不可能と思われる事に挑戦した科学者、技術者によって実現されてきました。行政に望むことは再生可能エネルギーの開発を助成する必要はないが、邪魔はしないでくれという事です。
温泉旅館が何故地熱発電に反対するのですか?温排水を温泉として給湯すれば、熱電併給で熱効率も高くなり一石三鳥ですよ。
(1) 1項について、3点ばかり疑問があります。
(i)原発1基に必要な面積が記載されていませんが、何km2ですか?
図からおおざっぱに計測すると、1辺が太陽光発電の1/20~1/30くらいで、面積では約67km2の1/400~1/900、約0.1km2ぐらいですか?
(ii)原発1基に必要な面積に、文中で書かれているシビアアクシデントにより使用不能となる面積は含まれていますか?
今回の福島原発の事故で避難勧告が出ている地域は半径20km+さらにその外側の一部です。使用不能となった面積を過小評価と思いますが、原発から20km範囲として、半径20kmの半円(残り半分は海)で計算すると、約160km2で非常に広い範囲です。
日本の原発の現在の発電能力(約50百万kW -出展:Wikipedia)で割っても、百万kWあたり約3km2(四角の1辺の長さは太陽光発電の1/5ほど)となり、図の見た目と大幅に違っています。
単に敷地面積だけを比較しているなら、文脈と図が整合しません。
(iii)図で示しているのは発電に必要な面積ですね?
太陽光発電も風力発電も発電に必要な面積と「費消される土地の面積」とは異なると思いますが?
風力発電なら、多くの土地を森林や牧草地に使用できます。
太陽光発電では、建物の屋根を使用すれば、費消される土地は0km2です。
(2)また、本記事には3カ所ハイパーリンクが張られていますが、出展を期待されるリンク先が全てご自身のブログとなっているのは仕様ですか?
特に、2つめの「かえって炭酸ガスの排出量が増加したという報告もある」のリンクはあまりに酷くありませんか?
こういう場合、「排出量が増加した報告」の出展、少なくても第三者の文書を呼ぶと思いますが、リンク先は「かえってCO2の排出量が増えたようです」というご自身の推測です。
> 行政に望むことは再生可能エネルギーの開発を助成する必要はないが、邪魔はしないでくれという事です。
誰も邪魔していないと思います. 私自身は再生可能エネルギーについては昔から推進派です. そうでなければ風力発電の成功例を紹介したりしません.
ただし, 欠点は欠点としてはっきり言わなければ, 克服もされません. そして残念ながら, 今のところ再生可能エネルギーで有望なのは水力と地熱くらいで, 原子力や火力に代わる力はないでしょう.
> 温泉旅館が何故地熱発電に反対するのですか?
有名な例では, 嬬恋村の地熱発電計画に草津温泉が猛反発したケースがあります. 草津温泉は自噴温泉と湯質が売りで, それが失われる危険は絶対に認められないからです.
> 今回の福島原発の事故で避難勧告が出ている地域は半径20km+さらにその外側の一部です。
趣旨と少しずれた話で申し訳ありませんが.
青山繁晴さんによると, 汚染されていない地域も避難区域に指定されているとのことです. 具体的には川内村のことで, 一時帰宅ではなく帰宅のニュースであるべきところ, 間違いを認めたがらない政権が避難勧告を解除しようとしない, と言って怒りまくっていました.
不思議だと思いませんか?
なぜアゴラでは、「規制緩和」と「温暖化」「再生可能エネルギーの是非」で、結論がみんな同じなのでしょう。
それぞれ別々の問題なのですから、別々の答えでもいいのでは?
こう返ってくるでしょう、「全て正しい答えを出しているだけだ」。
それ自体に疑問はないのでしょうか?
経済学者がなぜエネルギーを評価できるのでしょう。最新の太陽電池についてどこで学ばれましたか?
アインシュタインの平和論文でないと言い切れますか?
人間は過つものだ、専門家にはなれるけれど、なんでも絶対正しい答えを出せる神にはなれない、影響を受けたり結論から先に考えたりしやすい弱いものだ、という自覚があるのか…
それがとても怖いのです。
あなたが「別の答え」をお持ちなら、どうぞ投稿してください。アゴラは論争の場ですから、異論は歓迎します。
多くの「最終的には原子力が有効という考え方」の根本に、安定性を挙げる論調が見て取れます。自然エネルギーは不安定だ。と言うわけです。
電力は保存できないという前提条件がまずあって、発電のレベルでの安定性を過度に強調しているように思います。
近年、ソーラーパネルの技術的な発達は目覚しいものがありますが、結局、同じくらい蓄電技術が発達しなければ、安定性という面で劣ってしまいます。
ところで、同じ太陽エネルギーでも太陽熱発電がにわかに注目を集めている事はみなさんご存知でしょうか?情報通の池田氏ほかこのブログ読者にとっては周知の事と存じますが、何が注目を集めているかご存知でしょうか?知っていて無視なのか、大した事無いと思っているのか知りませんが、次の事実を考慮すれば、安定性の面で太陽エネルギーを否定出来なくなって来ます。
『溶融塩』
この溶融塩を使って、日没後も安定して蒸気タービンをまわしつづける事が可能となるようです。これが本当なら、日中の暑いうちに熱を蓄えておいて夜間にも発電可能な発電所が出来ます。一つの問題解決策です。
「やってみなくちゃわからない」
「治療法が効くかどうか決めるのはランダム化プラセポ対照二重盲検方だけ」
それが僕の「別の答え」です。
具体的には、御用科学といわれないよう細部まで公開され検証可能な、複数の機関による実証実験です。
次善として、本当に自然エネルギーが石油の無駄なのかどうかの、一流科学雑誌による徹底した検証です。
「補助金と科学技術の進歩」についても徹底した検証を。今はそれ自体がイデオロギーで決められています…護憲側は「太陽光・風力発電のコストが高く効率が悪いのは、石油・原発側が石油原発に多く太陽光風力には出ないよう研究費を動かしてきたからだ」と主張し、こちらでは「補助金では科学技術は発達しない」が主流です。
> 太陽熱発電
太陽熱発電所のリストです.
http://en.wikipedia.org/wiki/List_of_solar_thermal_power_stations
各施設のリンク先の写真を見てみると壮観です.
米国の沙漠とスペイン南部(地中海性気候で雨が少ない)が大部分を占めます. 巨大(100ha以上)な施設が珍しくなく, 平地に集中させて作る必要もあります. 日本では土地の確保に苦労しそうです. 日本企業が手がけるとしても国外で作るほうが現実的に感じます.
Andasol 1の建設には約350億円かかり, 電力のコストは約31円/kWhだそうです. また, 蓄熱設備(溶融塩)は約40円/kWhかかるそうです.
http://en.wikipedia.org/wiki/Andasol_Solar_Power_Station
——
> 具体的には、御用科学といわれないよう細部まで公開され検証可能な、複数の機関による実証実験です。
そんな権威に頼るようなことをせずとも, 簡単な方法があります.
会社を作って投資家に資金を出してもらい, PPS(特定規模電気事業者)を始めることです. 投資家を説得できるような材料を集められれば実現できるし, できなければ実現しないだけです.
孫正義さんのおかしい点は, 投資家でなく, 政治家を丸め込んで補助金(税金)を出させようとしていることです.
>>孫正義さんのおかしい点は, 投資家でなく, 政治家を丸め込んで補助金(税金)を出させようとしていることです.
本当ですね。定款まで変えて大騒ぎしたのだから、株式市場で資金を得れば良いのに。穿った見方をすれば、100億円の寄付すら、今回のプレゼンテーションの「布石」と見えてしまいます。
これは正義だから国がやるべき…ではなく、正義であれば株式市場でやる…とすべきでしょう。株式市場は正義を理解しないと言うのであれば、最早上場企業である理由はそれこそ金のためでしかない。
>そして今回の誤ったエネルギー政策の授業料は100兆円>のオーダーに
現実問題として原発代替がGTCC(ガスコンバインドサイクル)主軸で動いているというのに100兆円オーダーとは、、、
この算出根拠を明確にせよ。
ここは池田信夫氏によると論争の場だそうですよ。
孫正義さんは別におかしくありませんよ。
電力の自由化は完全じゃありませんし、
送電網を握っている既得権益者は巨大な
権力組織と同義です。
これらの抵抗を跳ね返しながら、新たに
道を切り開くためには、既に自由化が成し遂げ
られて居るかの如き方法では返り討ちに遭うのが
目に見えています。
幕末、商人だけで勝手に商売できましたか?
幕府の役人の中の開明的な人を辿っていき、
志を同じくして一緒にやろう!と人的ネットワークを
組むしかなかったでしょう?
今はその人的ネットワークが地方自治体の首長であり、
政府与党の人間だ、ということに過ぎません。
儲けられる仕組みを構築する事が目的であり、追従者の
出現を期待するのです。その流れ作りも無いままに、
自由に投資を募って電力事業などできようはずがありません。
>>今はその人的ネットワークが地方自治体の首長であり、
政府与党の人間だ、ということに過ぎません。
儲けられる仕組みを構築する事が目的であり、追従者の
出現を期待するのです。その流れ作りも無いままに、
自由に投資を募って電力事業などできようはずがありません。
お話はわからなくもないですが、それならお膳立ては政府与党と一緒にやるとしても、資金調達くらいは株式市場で行っても同じでしょう。儲かる仕組みがあるのであれば、投資家にも投資させて利益を還元するチャンスを与えるのが株式会社と違いますか?
自然エネルギーの推進にしても、太陽光発電はベースロードとして使用できないのに、燃料電池や蓄電池の話があまり聞こえてこないのが解せません。太陽光パネルを売るだけの事業ならともかく、国と一緒にやろうという話なのに、単純にkwを比較して「原発と代替できる」というプレゼンは、多少なりともおかしいと思いませんか。
株式会社のする事なので、「儲かります」と言わない筈がない。それはソフトバンクでなくても言うでしょう。本当に「儲かる仕組みがある」と思うなら、あなたはソフトバンクに投資したっていい。私は先がないと思うので、ソフトバンクには投資しない。それだけの話です。
光の道の時は「税金ゼロ」、今度は「儲かる仕組みがある」ですか。それなら何故身銭(投資家からの資金)を切らないのか、不思議でなりません。孫正義氏は英雄である以前に、株式会社の社長なんですから。資本主義以前の幕末と比較する事自体がおかしい。
>自然エネルギーの推進にしても、太陽光発電はベースロー>
>ドとして使用できないのに、
既にベースロードに原子力が存在しない電力会社が
中部電力をはじめいくつも出てきておりますので、
太陽光+火力水力の組み合わせはそれほど非効率なものであはありません。地震での度に長期に止まる原発のバックアップのために火力を維持する非効率さと比較しても。
もっとも本格普及にはこの先ブレークスルーが必要ですが
>>太陽光+火力水力の組み合わせはそれほど非効率なものではありません。地震での度に長期に止まる原発のバックアップのために火力を維持する非効率さと比較しても。
もっとも本格普及にはこの先ブレークスルーが必要ですが
>>
太陽光発電で余剰を揚水する、火力はベースロードというものでしょうかね。原発は確かに止めすぎですから、そのへんを考えると確かに…。
>>それなら何故身銭(投資家からの資金)を切らないのか、不思議でなりません。
4/26の株主総会の特別決議案に、この定款変更がありますから、これ以降は身銭を切る事になりますね(書いてから気付いた)。
> 現実問題として原発代替がGTCC(ガスコンバインドサイクル)主軸で動いているというのに100兆円オーダーとは、、、
問題は時間です.
高効率火力発電が今後広まるとしても時間がかかります. 化石燃料の確保にも時間がかかります. 今何が起きているかというと,
・ 古くて非効率で故障しやすい火力発電所を再稼動. でも足りない. 燃料も足りない.
・ 中電から東電への100万kWの送電は不可能になった.
・ 中電と九電も節電を各企業にお願いすることになった. 他の電力会社も危ない.
・ 被災した工場の分を中部で生産しようとしていた企業が苦境に.
・ 電力料金が上がり, 停電のリスクも高まる.
これが9月ごろまで続きます. 料金はその後も下がらないでしょう. 100兆円の根拠はわかりませんが, 経済的影響は深刻です. すでに日本の財政は莫大な借金を抱え, いつ倒産してもおかしくない状況でこれです. 景気が原因で人が死ぬでしょう.
感情的な反原発に迎合したことでこういう事態になりました. 原発を止めるにしても秋以降にするとかすれば, 高効率火力の設置や燃料の確保が間に合ったでしょう. でも手遅れです.
> 既にベースロードに原子力が存在しない電力会社が
> 中部電力をはじめいくつも出てきておりますので、
> 太陽光+火力水力の組み合わせはそれほど非効率なものであはありません。
効率の問題でなく, 原理的に使えないという意味です. ベースロードはほぼ火力になります. 水力は現在10%未満で, 今後地熱とともに開発を進めてもそんなには増えないように思います.
>>4/26の株主総会の特別決議案に
6/24でした訂正
>高効率火力発電が今後広まるとしても時間がかかります.
>化石燃料の確保にも時間がかかります. 今何が起きているかというと,
>古くて非効率で故障しやすい火力発電所を再稼動. でも足り>ない. 燃料も足りない.
ずいぶんと認識が違いますね。
既に電力確保との認識ですよ。電力会社が。
「夏場の電力確保にめど」東電と中部電2011.5.30 12:47
> 電力料金が上がり, 停電のリスクも高まる.
中部電力も多額の原発保障負担金が発生しなければ
電気料金の値上げはないと断言しております
値上げするとすればそれは福島の問題です。
私は中部管内なので中部力の話をしますと
既に上越GTCC発電所(230万KW)は前倒し
稼働が決定し来夏から順次稼働で浜岡分は完全に
代替されます。
工期をみますとGTCCの稼働は着工から4年ですね。
増設であれば2年もあれば十分でしょう。