AKB48全員がGoogle+利用スタートしたことに驚いた人、もしくはGoogleにはそういうことしてほしくなかったな、という軽い失望を覚えた人は多かったことでしょう。
この情報については多少事前につかんでいたので、このニュースに関してのコメントはこれくらいにしておきます。僕がこのエントリーで伝えたいのは、Googleの真剣度からみる、CSO(チーフ・ソーシャル・オフィサー。最高ソーシャル責任者)の必要性です。誰もが納得できる検索結果を返せる優秀な検索エンジンと、それが生み出すトラフィックを換金するすばらしいシステムを作り出すことによって、巨大な資金力と世界中に広がる影響力を持つに至ったGoogleにして、いまや全社を挙げて自社と自社サービスのソーシャル化に取り組んでいます。
米国でGoogle+に関するテレビCMを流し、日本でトップアイドルを広告塔に据える。一見Googleらしからぬ行為をしてまで、なりふり構わずソーシャル化を進めている。これはトップダウンでなければできないことです。
僕は以前、日本国内にはCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)が一般的に認められていないので、広報と広告・宣伝、販売やプロモーションなどの予算が分散し、部分最適化するために真のマーケティングが行われづらい、と書きました。本来はCMOがその予算と戦略を掌握して全体最適をしなければなりません。今でもその想いは変わりませんが、2010年代には自社と自社製品のソーシャル化を強烈に押し進めるCSOが必要だという認識を持つに至っています。
企業のソーシャル化というと、短絡的に、属人的なソーシャルメディア上のコミュニケーションによるユーザーとの対話、それによるブランドへのエンゲージメントが重要という考え方が一般的です。しかし、同時にソーシャルメディアというテクノロジーをうまく活用することによって、オンライン上のさまざまなノード(ネットワークの接続基点)と、モバイルやPCなどの複数のプラットフォーム、オンラインからオフラインなど、異なる領域や段階、レイヤーというある種のキャズムを超えて、スムーズにトラフィックを流していくことが、より重要です。ITにおけるソーシャル化とは、データをいかにスムーズに流していくか、つなげていくか、あるデータの変化を他に関連するデータに反映させる手間やタイムラグをなくしていくかということに他なりません。言ってみれば、セマンティックWebを作り出していくことと同義だと僕は思っています。
社会生活、経済活動などにおいてWebの重要性は高まるばかりですが、ソーシャルメディアによってリアルタイムに消費行動やトレンドの動きがつかめるようになりつつあるため、その動きはいよいよ加速度を増しています。ソーシャル化をうまく進めた企業には、かならず大きなマーケティング上の優位をつかめるようになります。それには、いまはなりふり構わずソーシャル化プランを講じるべきであり、相応の予算を使うべきです。また、その予算をすべて掌握して全体最適をはかれる責任者=CSOを置くべきです。
CSOの資質については、別の機会に詳細を述べるつもりです。
ところで、震災やジョブズの死など、波乱だった2011年を締めくくる気分で、以下の日程でイベントを行います。もう6年にわたって毎月行っているイベントですが、今月はITジャーナリストの林信行さんを招いて、今年のIT業界の総括をしてみたいと思っています。無料ですので、ぜひお越し下さい。
2011年12月12日 (月) 開催
ITジャーナリスト 林 信行 氏
開催日時:2011年12月12日(月)
受付開始時間:18時30分
開演時間:19時 00分
終了時間:20時30分
場所:〒104-0061
東京都中央区銀座3-5-12サヱグサビル本館
アップルストア銀座(3F シアター)[地図へ]
料金:無料です
定員:80名
お申し込み方法:申し込みフォームよりお申し込みください。
– 小川浩( @ogawakazuhiro )
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