仕事だけが人生ではない

松岡 祐紀

ちきりんが「退職決断のための「黄金基準」はこれだ!」というエントリで下記のように述べている。

「会社を辞めるべきかどうか」を決める“黄金基準”をご紹介。この決断を間違えないためには、数ある判断基準の中で下記の二つを優先基準として選べばいいと思っています。

その1「楽しい?」
その2「大事なことが学べてる?」

たしかにその通りだと思うし、そうであったら素晴らしいことだ。しかし、どれだけ多くの人が「今の仕事、楽しい?」と訊かれて、目をキラキラ輝かせて「楽しい!」と即答出来るだろうか。


仕事に対してはむしろ、その仕事が好きか、嫌いかという基準で判断したほうがいいのではと思う。たとえば学校の先生に「仕事は楽しいか?」と訊いても「楽しい!」とすぐに答えられる教師は少ないと思うが、「教師の仕事が好きか?」と訊かれたら「好き!」と即答出来る人がかなりいるのではと思う。

それに仕事に最初から楽しさなど求めずに、「生活のため」と割り切って仕事をしている人たちも多くいる。

人生は楽しむべきだと思うが、仕事にも「楽しさ」という基準を求めてしまうと、多くの人がそのカテゴリーから漏れてしまう。仕事自体を楽しく感じるためには、当然その仕事に精通し、いわばプロになる必要がある。そのためには多くの年月と努力が必要だ。そのようなプロになってもいずれは飽きが来るだろうし、やり甲斐もいずれなくなるかもしれない。またその頃には転職が厳しい年齢に差し掛かるので、多くの人が現状維持を結果的に選択しているのが現実だ。

人生イコール仕事ではない。仕事が楽しくなければ、趣味や恋、ボランティアなどの社会貢献活動に自分を活かす人生もありだ。30を過ぎても演劇を続けたいために9時5時の仕事をしている人も知っているし、仕事は仕事と割り切って年に一回の長期海外旅行を楽しみに働いている人も知っている。

人生楽しければなんだっていい。別に仕事が楽しくなくても、人生を楽しめる選択肢はたくさんある。仕事に多くのことを求めずにもっと視野を広げて、自分自身の可能性自体を見つめ直したほうがいいのではないだろうか。

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