年末年始、時間ができたときに読むオススメ本
使える経済書100冊:『資本論』から『ブラック・スワン』まで
今年は「電子出版元年」といわれ、アマゾンのキンドルに続いてアップルのiPadが発表された。日本でもこれから電子書籍が普及し、本を端末で読むことができるようになろう。
使える経済書100冊:『資本論』から『ブラック・スワン』まで
今年は「電子出版元年」といわれ、アマゾンのキンドルに続いてアップルのiPadが発表された。日本でもこれから電子書籍が普及し、本を端末で読むことができるようになろう。しかしインターネット時代になっても、本に代表されるまとまった知識の重要性は変わらない…序文の続きを読む
以下に、本書で紹介された使える経済書と池田信夫氏のブログ書評へのリンクを紹介しています。
第1章 本の選び方・買い方・読み方
第1章で紹介されている本はありません。
第2章 世界経済危機をどう見るか
ふつう自然科学や経済学で確率を考える場合、ほとんど正規分布を仮定している。しかし実際に世界を動かしているのは、そういう伝統的な確率論で予測できない極端な出来事――Black Swanである。…ブログ書評を読む
ふつう自然科学や経済学で確率を考える場合、ほとんど正規分布を仮定している。しかし実際に世界を動かしているのは、そういう伝統的な確率論で予測できない極端な出来事――Black Swanである。…ブログ書評を読む
世界最大級の投資ファンド、PIMCOのCEOが金融危機について解説したベストセラー。著者はIMF理事も歴任しているので、この問題をグローバルな観点から包括的に展望している。いま起きているパラダイム転換の基本的な要因は次の3つだという…ブログ書評を読む
本書の原著は昨年、サブプライムローン問題が表面化する直前に出版されたが、ある意味でそれを予告し、従来のリスク管理の手法が通用しないことを警告している点で、”Black Swan”に似ている…ブログ書評を読む
グリーンスパンの話といえば、曖昧で退屈なことで知られていた。もちろん、それはFRB議長という立場上しょうがないのだが、妻にプロポーズしたときも3回目でようやく意味が通じたというのは、有名なジョークだ(本書では「実は、あれは5回目だった」と明かしている)…ブログ書評を読む
グリーンスパンの話といえば、曖昧で退屈なことで知られていた。もちろん、それはFRB議長という立場上しょうがないのだが、妻にプロポーズしたときも3回目でようやく意味が通じたというのは、有名なジョークだ(本書では「実は、あれは5回目だった」と明かしている)…ブログ書評を読む
Friedman-Schwartzの古典(の第7章)が初めて訳された。本書はケインズのいう「総需要の低下によって通貨供給が減った」という因果関係を逆にして、FRBが通貨供給量を絞ったことが金融収縮をまねいて大恐慌をもたらしたことを定量的データによって証明したものだ…ブログ書評を読む
ケインズの「アニマル・スピリッツ」という言葉をいささか広義に使いすぎているきらいもあるが、経済危機を克服するには「信頼」の形成が重要で、それが乗数効果(外部性)をもつという議論は、現状を考える上で役に立つ…ブログ書評を読む
サブプライム危機以来、それ見たことかといわんばかりに、マル経の残党が『金融権力』や『閉塞経済』などの駄本を出しているが、本書は行動ファイナンスの専門家によるオーソドックスな金融理論を踏まえた議論である…ブログ書評を読む
NYタイムズの記者が克明に記録した、昨年の金融危機のドキュメント。バブル崩壊のような非線形の出来事は、あとから分析しても本質はわからない。当事者が事前にどう考えていたかをリアルタイムで再現し、彼らがシステマティックに誤った原因をみる必要がある…ブログ書評を読む
第3章 市場というメカニズム
本書の内容は、ひとことでいうと「制度設計入門」である。設計というと「計画経済」を連想する人もいるかもしれないが、制度設計とは、人々が自律的に行動した結果、望ましい状態になるようなルールの設計である。…ブログ書評を読む
オークションは、マクミランもいうように自分の評価を正直に申告させるメカニズムである。しかし実際には、人間は合理的でも正直でもないので、 eBayやヤフオクではスナイパーなどさまざまな変則的行動が起こる。本書は実験経済学の成果も踏まえて、ゲーム理論の最新の成果をおもしろく伝えている。…ブログ書評を読む
映画では、主人公ジョン・ナッシュがなぜ「天才」と呼ばれたのかがよくわからないが、原作である本書を読めば、真に興味深い部分は人間ドラマではなく、ナッシュの引き起こした経済学の「革命」であることがわかるだろう。著者はニューヨーク・タイムズの経済学担当の記者で、本書は昨年の全米批評家協会賞(伝記部門)を受賞した。…ブログ書評を読む
彼が『フラクタル幾何学』を発表したのは1982年。その理論は、1970年代にほぼ完成していた。これは初期には、もっぱらコンピュータ・グラフィックスで有名になったが、彼がフラクタルを発見したのは株価の動きからであり、「あなたは自分の職業を何だと考えているか」という質問には「経済学者」と答えている。…ブログ書評を読む
原著は2004年に出て大反響を読んだが、同じ著者のこれを上回る傑作、Black Swanが出たあと訳本が出たのは残念だ。本書の議論はBlack Swanで深められているので、1冊読むなら、そっちを読んだ方がいい。…ブログ書評を読む
日本経済は「失われた15年」を抜け出す出口がようやく見えてきたようだ。しかし、これを景気循環だと考えると、その長さと深さは理解しがたい。これを克服したのは「小泉構造改革」だ、というのも短絡的だろう。その原因は、著者も日本語版序文で指摘するように、「一時は環境に適応していた日本の企業モデルが、環境の大きな変化に適応できなかった」ことによると考えられる。…ブログ書評を読む
日本でも銀行の巨大合併が相次ぎ、「ネット企業」を手当たり次第に買収する投資会社が脚光を浴びている。その理由として「異業種の結合がシナジーを生む」とか「IT投資は収穫逓増だ」などといわれているが、これは本当だろうか。…ブログ書評を読む
経済学は実証科学なのだろうか――本書を読むと、そういう疑問を禁じえない。たとえばある日、引力が距離の1.99乗に反比例することが実証データで証明されたとすると、物理学の理論はすべて書き換えられるだろう。どんなに美しくても、事実と合わない理論は棄却されるのだ。…ブログ書評を読む
「行動経済学」の入門書。中心はKahneman-Tverskyのプロスペクト理論やフレーミング理論だが、多くの実例でわかりやすく解説されている。この種の理論は、経済学者はバカにしていた(2人とも心理学者)が、2002年にKahnemanがスウェーデン銀行賞を受賞して、にわかに注目されるようになった。…ブログ書評を読む
行動経済学の本は山ほど出て食傷気味だが、本書はこれを政策に応用しているところがおもしろい。人々が合理的に行動すると仮定して制度設計すると、 2000年の欧州の周波数オークションのように大失敗することがあるので、人が限定合理的に行動すると仮定して制度設計しようというものだ。…ブログ書評を読む
本書を読むと、ケインズの本質は経済学者ではなく、官僚あるいは政治家だったことがわかる。政治というのは「総合芸術」であり、経済学はその一部にすぎない。ケインズも、経済学は「モラル・サイエンス」の一つの手段だと考えていた。…ブログ書評を読む
現職の日銀総裁が、その手の内を明かすことはまずないが、本書は期せずしてそういう本になった。ファイナンス業界のみならず、経済学業界にも必読書だろう。…ブログ書評を読む
第4章 グローバル資本主義の運命
「グローバリズム」が伝統を破壊する、という類の議論は俗耳に入りやすい(『国家の品格』もその一例)。しかし実際の統計をみれば、自由な金融市場が機能するようになったのは、ごく最近(1980年代以降)であり、それも英米など一部の国に限られる…ブログ書評を読む
邦題からは、ありきたりな「市場原理主義批判」や「格差是正」などの(日本のような)古い民主党の政策を連想するが、内容は資本主義が20世紀型の工業社会を超えた「超資本主義」に変質を遂げ、よくも悪くも世界の政治を変えると予測するものだ…ブログ書評を読む
本書の原著は世界的な経済学者(昨年のノーベル賞受賞者)がグローバリゼーションの本質を論じた名著だが、訳書はそれを台なしにしている。グローバル化を否定するかのような邦題は誤訳で、グローバリズムなる言葉は原著に一度も出てこない。原題を正確に訳せば『グローバリゼーションとその不満』である。…ブログ書評を読む
本書の原著は二〇〇一年、同時多発テロの直前に出版され、九・一一以後の米国の行動を予言したことで話題になった。テロリストの容疑で投獄されている著者(ネグリ)の本がハーバード大学から出版されて世界的ベストセラーになり、「現代の共産党宣言」などと絶賛されたのは、ほとんど一つの事件だった。…ブログ書評を読む
本書は、資本主義のコアとしての株式会社の歴史を紹介したものだ。会社とか営利事業体という概念は古来からあったが、多くは家族経営のような共同体的なものだった。しかし投資の規模やリスクが大きくなると、縁故に頼った資金調達では限界がある。…ブログ書評を読む
本書の対象とする1997年は、ナイトの不確実性が全世界で発生した年だった。最大の不確実性は、いうまでもなくアジア通貨危機である。これは今となっては、大部分は「バブルの崩壊」とか「取り付け騒ぎ」という既知のカテゴリーで説明できる現象だが、発生した当時は――バブル崩壊がつねにそうであるように――誰も予想しなかった…ブログ書評を読む
空港のあたりは普通の熱帯の島なのだが、中心部にはまるでウォール街のように堂々たる高層ビルが林立し、それもシティバンクやバークレーズなど、世界の一流銀行ばかり。これが本書のテーマである「オフショア」の金融機関だ…ブログ書評を読む
本書はタイトルだけ見ると、ありがちな「中国バンザイ本」と混同されかねないが、中身は中国の光と影を客観的なデータにもとづいてバランスをとって描いたものだ。特に著者が5年前に言ったように、中国は日本と意外に似ている点が多い…ブログ書評を読む
開発経済学というのは、かつてはマイナーな学問だったが、最近は注目を集めている。マクロ経済学の関心が短期的な景気循環から長期的な成長理論に移り、先進国でも「成長戦略」が重要な問題になってきたからだ…ブログ書評を読む
マルクスの亡霊たち―負債状況=国家、喪の作業、新しいインターナショナル
社会主義が崩壊し、マルクスは死んだと思われた1990年代になって、あえてマルクスを論じるところに、デリダの反時代的な姿勢がうかがえる。本書で彼は、マルクスへの「負債」をはっきり認めている。…ブログ書評を読む
マックス・ウェーバーは官僚による合理的支配の理論を築いたが、彼自身はニーチェの影響を強く受け、合理主義のはらむ脆弱性に気づいていた。このニーチェとの関係を軸にしてウェーバーを読みなおすのが本書のテーマである…ブログ書評を読む
第5章 イノベーションとは何か
イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき (Harvard business school press)
ビジネス書の寿命は短く、数年もたつと読むに耐えないということが多い。その走りとなったトム・ピーターズの『エクセレント・カンパニー』でほめられたIBM、DEC、ワングなどの「超優良企業」は、その数年後に没落してしまった。成功体験から多くを学ぶことはできないのである。 …ブログ書評を読む
OPEN INNOVATION―ハーバード流イノベーション戦略のすべて
「イノベーションの何とか」と題した本にはほとんどイノベーションがなく、いろいろな成功例を並べて結果論を語るだけのものが多い。その中で、本書は科学的な方法論を踏まえた数少ない本である…ブログ書評を読む
『フリー』は無料でPDFファイルを公開する。しかし日本の一部の権利者が「文化を滅ぼす」などと難癖をつけ、和解から離脱するなど騒いだため、日本の読者は書籍の電子化の世界的な流れから取り残される結果になった…ブログ書評を読む
技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか―画期的な新製品が惨敗する理由
「DRMをやめよう」といいながらFairplayを外部にライセンスしないスティーブ・ジョブズなどは、こうした「見せかけオープン戦略」の代表だろう。そういう狡猾なリーダーが、日本にも必要なのだ…ブログ書評を読む
従来の日本企業は会社をタコ部屋にする「擬似奴隷制」によって従業員をコントロールしてきたわけだ。しかしこういうしくみは、労働市場が流動的なIT産業では、維持できない…ブログ書評を読む
最近、日本人ルポライターの書いた下らない「ジョブズ本」が本屋にあふれているが、それを読むよりこれ1冊を読んだ方がいい。ただし、あなたの会社の参考にはならない…ブログ書評を読む
現場と経営トップの認知ギャップの大きさが、日本のIT産業をだめにしている原因なので、cloud computingが日本語の単行本になったことに意味がある。IT企業の経営者は、この訳本ぐらい読んでほしい…ブログ書評を読む
ソニーの最大の失敗は、大賀典雄社長の後継者に出井伸之氏を選んだことである。彼は大賀氏が「消去法で選んだ」と口をすべらしたように、取締役の中でも末席で、ソニー本流の技術系でもなく、とりたてて実績があったわけでもなかった…ブログ書評を読む
最近、DVDレコーダー、薄型テレビ、デジタルカメラなどの「デジタル家電」が日本経済の牽引車として注目されているが、この活況がそう長く続くとは思えない。デジタル家電の内部構造は、パソコンのように「モジュール化」されており、模倣も追随も容易だからである。 …ブログ書評を読む
現代の二都物語 なぜシリコンバレーは復活し、 ボストン・ルート128は沈んだか
シリコンバレーは、世間で思われているような金の亡者の集まる「市場原理主義」の社会ではなく、むしろ好きなことを仕事にしようと集まってくる夢想家たちのオープンなムラ社会である…ブログ書評を読む
Long Tail Blogなどで出された実証データによってロングテール現象を分析し、それをいろいろな角度から論じている。本書は、インターネットが経済システムに及ぼす本質的な影響を考える際の必読書となるだろう…ブログ書評を読む
経営者を入れ替えて戦略を立て直せば、ガラパゴスと馬鹿にされている技術を世界に売り込むこともできるはずだ。本書は、そのためのフレームワークを提唱し、いくつかのケースを「進化論」的な枠組で分析している…ブログ書評を読む
The Venturesome Economy: How Innovation Sustains Prosperity in a More Connected World (Kauffman Foundation Series on Innovation and Entrepreneurship)
経営者を入れ替えて戦略を立て直せば、ガラパゴスと馬鹿にされている技術を世界に売り込むこともできるはずだ。本書は、そのためのフレームワークを提唱し、いくつかのケースを「進化論」的な枠組で分析している…ブログ書評を読む
第6章 日本型資本主義の限界
構造改革という言葉は、小泉政権の生み出したキャッチフレーズだと思われているかもしれないが、もともとはイタリア共産党の指導者トリアッティが1940 年代に提唱した、暴力革命によらないで議会で社会主義革命を行おうとする方針のことである…ブログ書評を読む
本書も、かたくななまでに(ミクロ経済学の)教科書的だ。たとえば90年代のデフレについては、輸入物価の下落や技術革新による「よいデフレ」だとする。マクロ的要因を無視し、金融緩和は有害無益だという著者の立場は「構造改革原理主義」とも呼ばれる…ブログ書評を読む
村上ファンド事件で、被告が一審で有罪になったのは予想どおりだったが、その判決には驚いた。「被告の『ファンドなのだから、安ければ買うし、高ければ売る』という徹底した利益至上主義には、慄然とする」という判決文に慄然としたのは、私だけではなかったようだ…ブログ書評を読む
ご存じ高橋洋一氏の、財務省への決別の辞。といっても、ありがちな暴露本ではなく、半分ぐらいは名著『財投改革の経済学』の一般向け解説だから、専門書を読むのがつらい人は、本書を読めばだいたいのことはわかる。…ブログ書評を読む
本書の最大のポイントは、経済を見るとき長期的なトレンドと短期的なサイクルを区別することだ。目先の景気対策を求められる政治家や相場を見ているエコノミストはサイクルに目が行きがちだが、本書は両方のバランスをとってデータを分析しているところに特色がある…ブログ書評を読む
構造改革派のリーダー林文夫氏とリフレ派の論争。今となってはHayashi-PrescottのハードコアRBCモデルには無理があるが、素朴ケインズ理論ではなく動学マクロで問題を定式化し、論争の理論的レベルを上げた意義は大きい。ブログ書評を読む
日本的な長期雇用システムは、高度成長期のように一つの会社に一生をささげることによって最終的に全員が利益を得られる時代には機能したが、その利益が枯渇すると中高年の正社員の既得権を守るために若年労働者を労働市場から排除する、不公正で非効率なシステムになる…ブログ書評を読む
著者も問題にするのは、新卒のとき一生が保証される正社員と、毎年契約が更改される契約社員・派遣社員の格差があまりにも大きく、その中間の雇用形態がないことだ。その解決策として彼が提案するのは、正社員と契約社員の中間の「新正社員」だ。これは正社員のように全国を転勤するのではなく、地域や職種を限定し…ブログ書評を読む
経済学は社会科学であり、その対象は人間の行動である。これは当たり前だが、物理学をまねて作られた経済学は、一見きわめて厳密で、工学的に応用できるように見える。一九九〇年代の「景気対策」も、最近の「インフレ目標」も、そうした工学的発想である。しかし著者も強調するように、経済学は「複雑系」としての経済の一部を単純化して記述する模型にすぎない。…ブログ書評を読む
田中角栄が「弱者保護」と称して都市の金を地方に再分配するシステムを作り出したことが成長率低下の原因だと主張する。たしかにそういう面はある(その典型が放送業界だ)が、これが田中個人による「社会主義革命」だというのは、短絡的にすぎよう。…ブログ書評を読む
日本経済グローバル競争力の再生―ヒト・モノ・カネの歪みの実証分析
世の中には、経済学者は数学的な理論から厳密に演繹して経済政策を論じていると思っている人も多く、経済学者にもそう錯覚している人がいる。しかし実際には、「デフレは日銀の金融政策が原因だ」という理論も、その逆に「中国などからの輸入物価の低下が原因だ」という理論も、実証研究も存在する…ブログ書評を読む
本書は、2000年にマイケル・ポーターと一橋大学のチームが日本企業の高度成長期の成功と90年代の失敗の原因を分析したものだ。特に一時「日本株式会社」などといわれて過大評価された政府の役割を検証し、次のような結論を出している…ブログ書評を読む
日本の「安心」はなぜ、消えたのか 社会心理学から見た現代日本の問題点
高市早苗氏も高井美穂氏も、インターネットが「青少年に対するいじめに当たる情報であって、当該青少年に著しい心理的外傷を与える」と思っているらしいが、それは実証的に確かめられたこともない通俗的な思い込みに過ぎない。いじめというのは今に始まったことではないし、インターネットが原因でもない…ブログ書評を読む
だまされないための年金・医療・介護入門―社会保障改革の正しい見方・考え方
本書はごくオーソドックスな福祉の入門書だが、著者からの献本につけられた手紙によると、この程度の話も厚生労働省の審議会では「市場原理主義」と罵倒されるそうだ。それはたぶん経済学者が、厚労省にとって「不都合な真実」を語るからだろう…ブログ書評を読む
第7章 自由な社会の秩序
民主党政権では「地域主権」がとなえられているが、同じ公務員といっても、国家公務員と地方公務員はまったく質が違う。地方公務員は霞ヶ関でいえばノンキャリアの集団で、国の下請けしかやってこなかったので意思決定能力は低く、労働組合が強くて勤労意欲も低い…ブログ書評を読む
教科書を書評するのは初めてだが、本書はそれぐらいの価値がある。これが著者のような大御所の初めての著作権の教科書というのは意外だが、今後のスタンダードになるだろう…ブログ書評を読む
ひところ「グローバル・スタンダード」という和製英語が流行したが、アジア経済危機の後は「グローバル資本主義は妄想だ」「国家が市場に介入すべきだ」という類の議論が流行しているようだ。…ブログ書評を読む
トクヴィルの『アメリカのデモクラシー』は、「だれでも知っているが、だれも読んだことがない」という意味での古典の一つだ。私も、3年前に講談社学術文庫版が出たとき読もうとしたが、訳がひどくて挫折した…ブログ書評を読む
日本語で書かれたハイエク論としては出色である。特に第3章のハイエクの自由論をゲーム理論で説明した部分がおもしろかった…ブログ書評を読む
人々の利己的な利益の追求が「見えざる手」によって社会的にも望ましい結果をもたらすというスミスの憶測を、その後の多くの経済学者が証明しようとしたが、だれも成功しなかった…ブログ書評を読む
人々の利己的な利益の追求が「見えざる手」によって社会的にも望ましい結果をもたらすというスミスの憶測を、その後の多くの経済学者が証明しようとしたが、だれも成功しなかった…ブログ書評を読む
人々の利己的な利益の追求が「見えざる手」によって社会的にも望ましい結果をもたらすというスミスの憶測を、その後の多くの経済学者が証明しようとしたが、だれも成功しなかった…ブログ書評を読む
アルカイダやイスラム原理主義について書かれた本は山ほどあるが、それを思想としてまともに理解した本はほとんどない。テロリストの思想を「理解」するなんて、とんでもないことと思われているのだろう…ブログ書評を読む
最初にクイズをひとつ:次のリストは、アメリカで1年間に死ぬ人の死因をランダムに並べたものだが、このうちリスクが最大と最小のものは何だろうか?…ブログ書評を読む
本書のタイトルから、生政治という言葉でよく語られる「監視社会」批判の類を想像する読者も多いだろうが、フーコーはこうした問題にはまったく触れていない…ブログ書評を読む
第8章 賢者は歴史に学ぶ
経済学者の伝記がおもしろい本になることはまずないが、本書は例外である。1928年生まれの著者の人生は、20世紀の社会主義の運命とそのまま重なる。著者は共産主義者として青春を過ごし、戦後はハンガリーの社会主義政権のもとで、ナジ首相のスピーチライターもつとめた…ブログ書評を読む
「今年のベスト経済書」の類のアンケートは終わってしまったが、残念。本書は文句なしに今年のベストワンだ。原著が出たのは 2006年だが、今やこの分野の古典といってもよい…ブログ書評を読む
政府が「デフレ宣言」を出し、それに押されるように日銀がデフレ対策を取るなど、デフレが悪の元凶のように思われている。しかし日本のデフレは1~2%程度のゆるやかなもので、デフレスパイラルに陥る心配はない…ブログ書評を読む
本書のタイトルは、もちろんハンチントンの『文明の衝突』へのアンチテーゼである。もともとハンチントンの議論は、フランシス・フクヤマ的な「冷戦が終わり、自由と民主主義で世界は統一される」といった楽観論への批判だったわけだが…ブログ書評を読む
レーガン政権で対ソ政策の顧問をつとめた経歴からも想像されるように、本書の共産主義についての評価は全面否定だ。特にロシア革命について、「レーニンは正しかったが、スターリンが悪い」とか「トロツキーが後継者になっていたら・・・」という類の議論を一蹴する…ブログ書評を読む
第1章は「16 ページでわかる世界経済史」と題されていて、このPDFファイルだけ読んでも概要がわかる。中でもポイントになるのは、下に掲げた「1枚の図でわかる世界経済史」と題した図である…ブログ書評を読む
第1章は「16 ページでわかる世界経済史」と題されていて、このPDFファイルだけ読んでも概要がわかる。中でもポイントになるのは、下に掲げた「1枚の図でわかる世界経済史」と題した図である…ブログ書評を読む
NHKは、いまだに「ドイツはナチの負の遺産を清算したが、日本は・・・」という図式で歴史を語ろうとしているようだが、これは神話にすぎない。本書は、欧州の戦後処理がいかに首尾一貫しない中途半端なものだったかを具体的に明らかにしている。…ブログ書評を読む
NHKは、いまだに「ドイツはナチの負の遺産を清算したが、日本は・・・」という図式で歴史を語ろうとしているようだが、これは神話にすぎない。本書は、欧州の戦後処理がいかに首尾一貫しない中途半端なものだったかを具体的に明らかにしている。…ブログ書評を読む
瀧井一博『文明史のなかの明治憲法:この国のかたちと西洋体験』は、明治初頭(1871~)の岩倉使節団までさかのぼり、明治憲法ができるまでに西洋の何を学んだかをたどっている。…ブログ書評を読む
北一輝といえば、一般には二・二六事件を煽動した狂信的なファシストぐらいにしか思われていないだろう。しかし私は、彼は近代日本のもっとも重要な思想家の一人であり、現代にも深い影響を与えているという点では、ほとんど福沢諭吉に匹敵すると思う…ブログ書評を読む
日本が戦争に突っ込んだ原因として、これまでは「民主主義が未熟だった」とか「封建遺制が残っていた」といった観念的な近代化論が多いが、問題はもっと具体的なレベルにあるのではないか…ブログ書評を読む
本書は、昨年のピュリッツァー賞や全米図書賞をはじめ多くの賞を受賞した名著であり、今さら私が推薦するのは蛇足かもしれない。しかし「経済敗戦」とか「第二の敗戦」といわれる現在の日本を考える上で、本書の描く「第一の敗戦」の教訓に学ぶことは重要だ…ブログ書評を読む
本書は、昨年のピュリッツァー賞や全米図書賞をはじめ多くの賞を受賞した名著であり、今さら私が推薦するのは蛇足かもしれない。しかし「経済敗戦」とか「第二の敗戦」といわれる現在の日本を考える上で、本書の描く「第一の敗戦」の教訓に学ぶことは重要だ…ブログ書評を読む
ブルのピークから崩壊まで、野口氏と一緒に何度か番組をつくったが、当時から彼の主張は一貫している。現在の日本の経済体制は、戦時の国家総動員体制で形成されたまま、基本的には変わっていない…ブログ書評を読む
第9章 教科書で理解する
マクロ経済学については、いま学部で使われている日本語の教科書は全部だめ。John Taylorも嘆くように、各国の政策担当者が昔ながらのケインズ理論しか知らないために、有害無益な財政出動が行なわれた…ブログ書評を読む
マクロ経済学については、いま学部で使われている日本語の教科書は全部だめ。John Taylorも嘆くように、各国の政策担当者が昔ながらのケインズ理論しか知らないために、有害無益な財政出動が行なわれた…ブログ書評を読む
ビジネススクールで経済学を教えるとき困るのは、ビジネスマンに役立つ日本語の教科書がないことだ。去年、ミルグロム=ロバーツを選んだら、他の先生と競合して驚いた…ブログ書評を読む
ビジネススクールで経済学を教えるとき困るのは、ビジネスマンに役立つ日本語の教科書がないことだ。去年、ミルグロム=ロバーツを選んだら、他の先生と競合して驚いた…ブログ書評を読む
彼の頭の中では短期と長期の問題がごちゃごちゃになっているようだが、これを区別することはきわめて重要である。ジョーンズの教科書は、このへんのことをわかりやすく書いてある…ブログ書評を読む
金融の機能をコンパクトに解説した入門書である。金融はリスクを社会全体に分散して取引することによって、新しいビジネスを可能にする。著者もいうように、自動車は行動範囲を広げる一方、交通事故も起こすが、だからといって自動車を禁止しろという人はいないだろう…ブログ書評を読む
今や定番となったゴードン・マルキールの投資ガイドの第9版。初版から35年もたっているが、本書の初版から一貫している「投資信託よりインデックスを買え」という原則は変わらない…ブログ書評を読む
アメリカで「法と経済学」のスタンダードになっているShavellの教科書の邦訳が出た。880ページという分量と9765円という値段は、研究者以外にはきびしいと思うが、内容はそれほどテクニカルではない。いい加減な教科書を何冊も読むより本書をちゃんと読めば、法学と経済学のフロンティアが理解できる…ブログ書評を読む
第10章 古典に学ぶ
本書はケインズが「四つ折り版の体系書」として書かれた数少ない名著とした本だが、これも政治的な意図によって書かれたものだ。18世紀後半の英国は、産業革命によって高い生産力を実現していたが、当時の重商主義的な政策のもとでは、各国が既存の企業を保護するために独占の特許を与えたり、高い関税をかけたりしていた…ブログ書評を読む
本書はケインズが「四つ折り版の体系書」として書かれた数少ない名著とした本だが、これも政治的な意図によって書かれたものだ。18世紀後半の英国は、産業革命によって高い生産力を実現していたが、当時の重商主義的な政策のもとでは、各国が既存の企業を保護するために独占の特許を与えたり、高い関税をかけたりしていた…ブログ書評を読む
「資本論 2 」|「資本論 3 」|「資本論 4 」|「資本論 5 」
「資本論 6 」|「資本論 7 」|「資本論 8 」|「資本論 9 」|「資本論 10 」
「資本論 11 」|「資本論 12 」|「資本論 13 」
本書は1930年代の大恐慌への処方箋として、急いで書かれた。その中核になったのはリチャード・カーンの「乗数理論」で、実質的にはカーンとの共著だともいわれる。このため論理が一貫しておらず、文体も未整理で難解だが、読む価値はある…ブログ書評を読む
本書は「創造的破壊」という言葉で有名だが、その概念を系統的に説明しているわけではない。この概念の元祖はマルクスであり、本書のテーマは社会主義が可能か、そして望ましいかという問題だ。シュンペーターの結論は、それは望ましくないが避けられないということだった。…ブログ書評を読む
ハイエクの本については、今さら解説するまでもないが、帯に「インターネットはここから始まった!」と書いてあるように、若い読者が読んでも新鮮だろう。…ブログ書評を読む
本書で彼が提案した変動相場制はその10年後に実現したが、公的年金の廃止、法人税の廃止、負の所得税、教育バウチャー、職業免許の廃止などは、いまだに論争になっている…ブログ書評を読む