きのう【上杉隆事務所より重要なおしらせ】で、今までの「大手メディアは報じていない」という話を「大手メディアの一部は報じてはいたものの、読者・視聴者に伝わるほどそれは十分なものではなかった」と「一括訂正」して失笑を買った上杉隆氏が、【より重要なお知らせ】として次のように書いている。
10月12日、「アゴラ」(アゴラ研究所/池田信夫所長)、ニュースサイト「BLOGOS」(NHNJapan)に〈読売の記事を盗用した上杉隆氏〉というタイトルの記事が掲載されました。この記事は、インターネットの噂を元に、当方への一切の取材や確認もなく推測で書かれたもので、完全なる事実誤認と、上杉隆個人への悪意に満ちた誤記述によって構成されたものであり、上杉の名誉を著しく棄損するものであります。
盗用したとされている3月19日の読売新聞朝刊に掲載された「海外避難リスト」につきましては、同じリスト(同型)を上杉は少なくとも発売前までに情報提供者より入手したことが確認できました。今回、その点を、情報提供者との双方間、および別の関係者、また電磁記録によって確認しております。
すでに12日当日、アゴラ研究所及びNHNJapan(旧ライブドア)には記事の削除要請を行っておりますが、再度この場で削除・撤回要請を行うとともに、上杉の名誉回復のための謝罪文の掲載を要求いたします。
この「12日当日の抗議」とは、次のツイッターのことだろう。これ以外に、私にもアゴラ研究所にも何も連絡はないからだ。
【訂正要求】事実無根。即時の削除と謝罪を。 RT @agora_japan: アゴラ : 読売の記事を盗用した上杉隆氏 http://lb.to/UNJzqC
これは「記事の削除要請を行っております」などといえるものではない。きのうのお知らせも「同じリスト(同型)」なるものが提示されない限り、意味をなさない。この一連の奇妙な記事は、おそらくダイヤモンドオンラインで「読売は韓国政府の渡航制限を報じなかった」と批判しながら、その証拠として(退避勧告を報じた)読売の記事をコピペしたことに対して、読売から内容証明で抗議が来たためのアリバイづくりだろう。
こんなのを相手にしてもしょうがないが、削除要請をするなら、少なくとも問題のリストと「情報提供者」の名前を公開すべきだ。ウェブサイトで公開されている情報について、読売がわざわざ外部の情報提供者からリストを提供してもらうとも思えないが、かりにそうだとして、上杉Wikiで詳細に検証しているように「記事のリストにおける国の順番、記号、改行、末尾の全角スペースまで一致する」のはなぜか、説明していただきたい。
上杉氏の嘘はNAVERまとめで6ページもあるので、今さら嘘の上塗りをしても驚かないが、ダイヤモンド社は責任をもって説明すべきだ。彼がWSJ記者の談話を捏造した事件では、夕刊フジは訂正記事を出した。ダイヤモンドは夕刊紙以下なのか。