マイナンバー制度の関連法案が閣議決定され、今国会中に法案通過の可能性が高くなってきました。ようやくという気がいたします。
私がまだ学生の頃、国民背番号制度という名の下で大きな議論がありました。このマイナンバー制度と思想は同じなのですが、当時、個々人に番号を振り分けるのは人格無視だという声が大きな反響を呼び、更には脱税者には不都合だという観点から当時、まったくその同意を得ることが出来ませんでした。更にその昔は佐藤総理の時代からの発想とのことですから45年ぶりに日の目を見るということであります。
たぶんですが、当面は年金やら納税、あるいは子供手当てなどでの運用が主体となるようですが、徐々にその使用範囲を広げていき、縦割りの身分証明書制度が大きく変貌することになりそうです。
ちなみにここカナダ、ブリティッシュコロンビア州ではもうすぐ、健康保険証と運転免許が合体します。連邦政府で発行するマイナンバーのソーシャルインシュランスナンバー、略してSIN(アメリカではソーシャルセキュリティナンバー)とは合体できそうにもないのですが、連邦、州レベルとも管理コストと重複コストの削減のためにこのようなシステムが進んでいくことになりそうです。
カナダの日常生活でこのマイナンバーであるSINはいつ使うかといえば、雇用者が被雇用者に源泉徴収票を発行するとき、或いは、国民に課せられている確定申告の際に使うぐらいでしょうか。事実、カードはシンプルに番号が打ちこまれているだけで特に持ち歩くようなものではありません。
日本のマイナンバー制度では写真つきの身分証明も兼ねることが出来るそうですから一歩進んでいます。
さて、このマイナンバー制度、今でも賛否両論あるようです。一部では税金を取る側の論理で進めた法案などと言う意見もありますが、すべての国民は決められた税金を納税するのは当たり前であり、当然の義務であります。よって、税金を取る側の論理と考える人こそ疚しいと言わざるを得ません。
むしろ、ただでさえ、赤字国債が積みあがる日本の財政において、少しでもその負担を軽くする計画は当然推し進めるべきだと思います。また、主要先進国はとっくに導入しているわけでハイテク王国、日本がマニュアル処理をしているようでは話にならないでしょう。また、大手のIT関係業者が潤うという非難の声もピントをはずしています。
これを導入することで公務員の数を更に減らし、パブリックセクターの財務状況の改革を強く推し進めてもらいたいものです。
今日はこのぐらいにしておきましょう。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2013年3月4日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった岡本氏に感謝いたします。
オリジナル原稿を読みたい方は外から見る日本、見られる日本人をご覧ください。