所で、民主党は一体何がダメだったんだろう?
私は、執行部が菅氏の如き市民運動家上がり、左巻き弁護士、それから松下政経塾出身者で構成された事だと思っている。
実際に産業界で働いた経験がないから、頭でっかちで理論偏重。その結果、議論ばかりで(しかもその多くは迷宮に迷い込み収集がつかず)決められない政治が三年以上に渡り続いたのだと思う。
私の仮説が正しいのであれば、安倍内閣は民主党政権の真逆をやれば良い事になる。
具体的には下記である。
「決められない政治」から「決める政治」へのパラダイムシフト。
「議論」から「行動」へのパラダイムシフト。
「プロセス」から「結果」重視へのパラダイムシフト。
従って、アベノミクスも発表済みの「3本の矢」は当然として、引き続いて4本、5本と連射するべきであろう。
私は何も「闇夜に鉄砲を撃て」といっている訳ではない。
しかしながら、サッカーだってシュートしない事には得点に結びつかない。柔道だって、連続技を仕掛けない事には「一本」どころか「技あり」ですら取れない。
「結果」重視、つまりは経済を立て直し、強い日本を再構築するというのであれば具体的施策を立て続けに実行すべしといっているのである。
その意味、昨日の日経新聞が伝える、石炭火力を推進、燃料費抑制で国民負担減 政府は朗報である。
日本が何故石炭火力を推進すべきか?、については以前のアゴラ記事、石炭を日本のエネルギー政策の主役にしては?で、詳細を説明しているのでこれを参照願いたい。
日本の貿易赤字は拡大している。指を咥え傍観していれば(正に民主党の三年間!)経常収支の赤字も覚悟せねばならなくなる。そうなれば、日本国債暴落の可能性も高まるに違いない。
原油は今の所バーレル当り@100ドル以下で推移している。
しかしながら、OECDの見立てでは OECD forecasts oil price may reach $270 per barrel との事である。
何と、7年後にはバーレル当り@270ドルもあり得ると!
原油価格が上昇すれば液化天然ガスもきっと連動して同様価格が高騰するに違いない。
こんなにも高価な石油やガスを従来同様輸入していては、日本経済は疲弊し日本の次世代は今よりずっと貧しくなってしまう。
日本経済破綻回避のためには、短期的には停止中の原発再稼働、中長期的には「石炭火力」への転換による燃料コスト軽減は避けて通れないのではないか?
何も「石炭火力」への転換のメリットは経費削減だけではない。今後、石油・ガス価格が上昇すれば世界で「石炭火力」への転換が加速するはずである。
そして、この分野での日本の技術力は世界一と聞いている。
家電の様な消費財の分野では、最早日本企業は中国や中国に雁行する新興産業国との競合は難しいと思う。
ならば、「石炭火力」も含めたインフラの輸出で外貨を稼ぎ、衣類や家電といった消費財の輸入の支払いに充当するのが当面の対策と思う。
そして、政府はこれを支援するために、「円借款」の積極的な供与であったり、貿易保険のカバー率拡大などに取り組むべきと思う。
日本経済復活が実感として感じられる様になるまで、こういう施策を引き続いて4本、5本、、、、、○本と連射すべきといっているのである。
「インフラ輸出に何故注力すべきか?」詳細については、以前のアゴラ記事、日本経済の救世主は「インフラ輸出」?を参照願いたい。
山口 巌 ファーイーストコンサルティングファーム代表取締役