日本のポップパワー発信10策 --- 中村 伊知哉

アゴラ

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政府のクールジャパン推進会議(議長・稲田朋美担当相)が「ポップカルチャー分科会」を新設。ぼくが議長を仰せつかりました。


映画監督の河瀬直美さん、漫画原作者の樹林伸さん、ゲームソフト開発トーセの齋藤茂社長とともに、ポップカルチャーを海外に発信するアイディアを練ります。

明日(4月9日)から始まります。短期間でやります。
とりまとめ役につき、始まってしまうとあまり自分の我も出せないと思いまして、自分のアイディアは先にここに書いちゃいます。これが採択されなくてもじぇんじぇん構わないので、議論のきっかけにでもなれば。

といいますか、ポップカルチャーは読者・視聴者・参加者・ユーザが創り上げているものですから、「参加型」のアイディアでありたい。

政策プラン創りも参加型で行きたい。ので、twitterやFacebookなどでも発信していきますから、ご覧いただいたみなさんからもどしどしアイディアをお出しいただけるとありがたい。

よろしくお願いします。

てなわけで、アイディア↓
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●考え方
マンガ、アニメ、ゲーム、音楽、ファッションなど日本ポップカルチャーの強みを活かし、海外の日本ファンを増やすための活動と情報発信を強化する。
その際、子ども+大人、アマ+プロ、伝統+現代、科学技術+文化、ハード+ソフトという日本ポップカルチャーの特徴を活かしつつ、平和を志向し、宗教色が薄く、無国籍的な日本ポップカルチャーの潜在的な魅力を共有するよう努める。
各施策について、アウトバウンド(海外発信)とインバウンド(国内強化)の双方に力を入れ、3年程度の時限措置により推進する。

●以下、10のアイディア。[ ]は対策の目標数。

[1] 主要国首脳会議、World Economic Forumその他海外首脳の集まる会議において、ポップカルチャー宣言を首相が表明するとともに、ポップカルチャー政策を一元的に推進する機関を設立し、民間から登用する長官が世界中を渡り歩く。

[3] アジア、南米等の新興国向けにポップカルチャー専用のテレビ3チャンネルを編成するとともに、同番組を世界にネット配信する。

[5] 初音ミク、ピカチュー、ガンダムなどのキャラクターについて国際ネット投票を実施し、上位5名をポップカルチャー大使に任命し、Facebookやtwitter上で多言語観光キャンペーンを打つ。

[7] 映画、放送番組、音楽、アニメ、マンガ、ゲーム、デザイン、7種のデジタル・アーカイブ構築を推進するため、著作権制度等の特例措置を講ずる。

[10] 京都、沖縄などの地域やコミケ、ニコニコ超会議、沖縄国際映画祭などのイベントを10件、国際ポップカルチャー特区として認定し、二次創作や税制等の特例措置を講ずる。

[20] 海外及び国内の20大学に日本ポップカルチャー講座を開設し、アーティストを講師として派遣するとともに、その場を利用してアニメ、ゲーム、音楽などを創作するワークショップを開催する。

[30] 30本の人気アニメの権利を開放し、世界中のアニメファンに日本のPRビデオを二次創作してもらう。

[50] アニメやゲームの制作力に基づくデジタル教材を50本制作し、途上国にODAで情報システムとともに提供する。

[100] 日本を代表する100人のクリエイターのメッセージ動画を配信する。

[1000] 正規コンテンツ配信サイト、アーティストのブログ、問題のないファンサイト等1000サイトを選定し、無償で英中西仏葡の翻訳を付して発信する。


編集部より:このブログは「中村伊知哉氏のブログ」2013年4月8日の記事を転載させていただきました。
オリジナル原稿を読みたい方はIchiya Nakamuraをご覧ください。