事業の永続性に大切な「楽しさの追求」と「シェアの発想」 --- 内藤 忍

アゴラ

仕事でうまくいっている人とうまくいかない人の違いを考えてみたら、2つのことに気が付きました。

1つは、自分のやっている仕事を楽しんでいるのかどうか、そしてもう1つは自分の仕事が自分の利益だけではなく周りの人や社会に対しても価値をシェアしているかどうかです。


もしあなたの仕事の相手が、嫌々仕事に取り組んでいる人だったらどうでしょうか。早く終わらせたい、本当はつまらない仕事だと思っている、やる気があまり感じられない……。そんな人より、熱心でいつまでも仕事について延々語ってくれる、追加で注文を出しても面倒がらず、むしろ品質が向上することを一緒に喜んでくれる人の方がこちらもやる気が出るし楽しくなります。

自分の仕事に対するモチベーションは周囲に影響します。つまらないと思いながら仕事をしている人には仕事ができる人は集まってきません。心を込めて打ち込める仕事を見つけそれを一生懸命やっていれば、周りにその気持ちは必ず伝わってくるのです。そして時間を忘れて熱中しているような人には、同じような気持ちを持った人が集まってきます。

一生懸命やっている仕事でも、それが自分一人だけの利益になるのなら、それは長続きしません。企業であれば、利益を上げなければいけませんし、個人であっても仕事に対する対価が無ければ、長期間のコミットメントは得られないと思います。

また、社会全体に対しても価値のある仕事を提供できなければ、最終的には世の中からの支持を得ることができません。儲かる仕事であっても、社会に悪影響を及ぼす仕事は長い目で見れば淘汰されていくのです。

ここで重要なのがシェアするという発想だと思います。自分だけが独り占めするのではなく、みんなで分け合うという発想です。

私の仕事も、多くの方とのアライアンスで成り立っていますが、お仕事をご一緒する時に一番気を遣うのは、相手と自分の「価値の提供」と「受け取る報酬」をバランスさせることです。

例えば、無理な要求をしてくる方がいて、一緒にお仕事をしても、結局その時限りになってしまうことが多いのです。逆に、こちらばかりメリットを取ってしまって、相手には何も対価を提供できないようなことになると、その関係を相手が続けてくれなくなってしまいます。

これは取引先だけではなく、お客様に対しても同じことです。

スタディ・ツアーのお客様、メールマガジンのお客様、パーソナル・コンサルティングのお客様、勉強会のお客様……。この3か月だけでも数千人の新しいお客様との出会いがありました。

それらの方との価値のシェアをどうやって実現するか。いつもその視点を忘れないようにしたいと思います。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2013年4月9日の記事を転載させていただきました。
オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。


アゴラではこの4月に内藤忍氏も講師をつとめる「連続金融セミナー」を開催します。内藤氏の回は、4月17日(水)「資産運用の『常道』と後悔しない海外投資講座」になります。興味のある方はふるってご参加ください。