田原総一朗氏が司会を降りる日 今月の朝生は次期司会者公開オーディションである

常見 陽平

今月の朝生の放送予定をみて、悶絶した。「激論!ネット世代が日本を変える?!」である。なんてダサいのだろう。センスが昭和62年くらいである。しかし、出演者を見て考えた。大胆に予想するならば、今回の朝生は次期司会者公開オーディションなのだと。


早くもGWだ。今年も月末がやってきた。月末は討論番組がいっぱいだ。真っ先に思い出すのがTBSラジオの「文化系トークラジオLife」だが、他にも話題になる番組がある。今年から毎月放送となったNHK「ニッポンのジレンマ」そして、テレ朝の「朝まで生テレビ!」である。

この朝生が既に終わっているコンテンツだということ、田原総一朗氏という司会が何も議論を仕切れていないことは昨年、アゴラで指摘した。

「朝まで生テレビ!」はいつまで続くのか?
https://agora-web.jp/archives/1475699.html

今回、テーマである「激論!ネット世代が日本を変える?!」が先に発表されていたので、「ネット世代ってなんだよ」とか「自称プロブロガーとか出演したらどうしよう」と嫌な胸騒ぎをしていたのだが、逆に安定感のある顔ぶれだった(悪く言うと、意外性がなく、想定の範囲内とも言えるのだが)。

番組HPから抜粋すると、

飯田 泰之(明治大学政治経済学部准教授、37)
荻上 チキ(評論家、「シノドスジャーナル」編集長、31)
乙武 洋匡(作家、東京都教育委員、37)
駒崎 弘樹(NPO法人フローレンス代表理事、33)
慎 泰俊(NPO法人Living in Peace代表理事、31)
津田 大介(ジャーナリスト、メディア・アクティビスト、39)
経沢 香保子(トレンダーズ(株)代表取締役、39)
古市 憲寿(社会学者、東京大学大学院博士課程、28)
堀江 貴文(SNS(株)ファウンダー、40)
堀 潤(市民ニュースサイト「8bit News」主宰、元NHKアナ、35)
TOKYO PANDA(カリスマファッションブロガー、上海在住、29)

といった面々である。

ホリエモンの復活、堀潤の登場などは話題性があるが、他はほぼおなじみの顔ぶれである。対立軸も見当たらない。クレイジーな存在は田原総一朗氏のみという状態である。TBSラジオやNHKニッポンのジレンマで人気を集めた論者を上手く取り込んでいるなとも感じた。

しかし、私はあることを大胆に予想してしまった。これから書くことは、私の希望的観測である。

それは、これは次期司会者公開オーディションなのではないか、と。

この中でも、飯田泰之氏、荻上チキ氏、津田大介氏、古市憲寿氏、堀江貴文氏のいずれかに次期司会者が委ねられるのではないかと私は見ている。

「田原総一朗がいない朝生は朝生ではない!」
という批判がすぐ聞こえてきそうだが、それはその通りである。テレ朝は田原総一朗氏に司会を引退して頂き、新しい討論番組を立ち上げる時期になっているのではないか。

田原総一朗氏は、朝生の最中に死にたいと語ったという話をよく聞くが、そんなものは個人のエゴである。だいたい、番組中に司会者が死ぬような局に広告を出す企業はいるのか?いなぁーい。

前のエントリーで書いたように、朝生の最大の魅力であり、難点は田原総一朗氏だと思っている。いや、20年前はまだよかった。最近は、彼は明確に議論を仕切れていない。自らが答を持つ難問というか奇問をぶつけ、答えられない様子を笑うという田原話法、既得権のもとに番組は成立している。

視聴者もバカではない。他局の討論番組の方が面白いことに気づき始めている。

録画の回も増えてきた。出演者の都合もあるが、田原氏の体調のせいでもあるだろう、どう考えても。続けるならそろそろ朝まで録画テレビ!に改名するべきだ。

田原総一朗氏には、勇気ある撤退を期待したい。別に私はアンチ田原総一朗氏ではない。むしろファンだ。だからこそ、彼に、その辺にいる老害と一緒になって欲しくないのだ。私が意識の高い学生(笑)だった頃、朝ナマを観覧したことがある。あの時の田原総一朗氏は輝いていた。でも、今は違う。後進を育てることに注力して頂きたいのだ。

次世代番組の新司会が誕生するかもしれない今回の朝生。録画して、激しく傍観することにしよう。