アジアでモテモテJリーグ!

田村 耕太郎

20周年を迎えたJリーグ。Jリーグ国際戦略担当者の話が思い出される。日本では観客動員数が伸び悩み、今一つの感があるJリーグだが、実はアジアではあこがれの的らしい。


野球と違い、道具も少なく安価に始められ、ルールも簡単なサッカーは、アジアでも広い範囲で普及している。アジア各国は、今までは欧州リーグへのあこがれが強く、欧州リーグから多大な放映権料をカモられていた。アジア全体で欧州リーグに巻き上げられていた額は、毎年2000億円くらいと見られる。欧州の中でも英国のプレミアリーグは特にマーケティングがうまく、まだ経済力で劣るアジアから巨額のお金を吸い上げている。

そのアジア各国も自国でサッカーリーグを立ち上げ、その運営をJリーグに倣っている。Jリーグ側も無料で人まで派遣してアジア各国リーグの立ち上げから運営まで支援している。無料コンサルティングの理由を聞くと、「欧州に召し上げられている2000億円をアジア各国リーグに還流させ、その資金で自国の選手を強くしてほしいから」とJリーグ関係者は熱弁をふるう。

アジア各国リーグがJリーグに熱視線の送る理由はその実績である。W杯に出るのが夢のまた夢で、アジアでも勝てなかった日本が、今や今回予選突破すると5大会連続出場とW杯常連になり、欧州の強豪チームで活躍する個人が珍しくなくなっている。100年の歴史がある欧州はさておき、自分たちと体格も似ていて、20年の歴史しかない新興リーグなのに、である。そこが、アジア各国が学びたいツボそのものなのだ!

欧州リーグの代わりにJリーグを中継している国も増え、タイやシンガポールでは、スター選手がJリーグへの移籍にあこがれている。アジア新興国の富豪の中には、Jリーグのチームを買いたいと申し出てくる人も出てきて、Jリーグも対応を検討中らしい。また近い将来、アジア各国リーグのスター選手がJリーグに移籍し、そのチームがその国で大人気になる可能性は大きい。

Jリーグは、アジア向けクールジャパンの土台になってくれると思う。

アジアはこれからの世界の成長センター。20周年を迎えたJリーグは、日本政府や企業のアジア戦略に大きな貢献をしてくれると思う。国内で過小評価され過ぎのJリーグをもっと注目し、応援しよう。

この記事は田村耕太郎のブログからの引用です