ネガティブなエネルギーから、出来るだけ自分を遠ざける --- 内藤 忍

アゴラ

最近、お会いする人から

「いつも本当に楽しそうだね」
「自分のやりたいことやっているね」

と言われることが多くなりました。自分で会社を始めてから、何だかストレスフリーに生活していると思われているようです。確かに、変な束縛や、意味の無い時間の使い方をすることが減っているのは、ポジティブな変化ですが、抱えている問題はゼロという訳ではありません。


人生とは、楽しいか楽しくないか、あるいはうまくいっているかうまくいっていないか、というような二者択一で語れるものではありません。楽しいことと辛いこと、うれしいことと悲しいこと、が何層にも重なりあって形作られているものだと実感します。

私自身、考えれば考えるほど虚しく辛い問題にも遭遇しているのですが、重要なのはそんなネガティブな事実からは、できるだけ自分を遠ざけようとすることです。

それは問題から逃げるということではありません。解決すべき問題には正面から徹底的に向かっていくのですが、やるべきことをやったら後はクヨクヨ悩んだり、結果に対してあれこれ妄想したりしないことです。やることをやったら、とっとと忘れるのです。

人間の行動心理として、自分にとってネガティブで嫌なことは、決めたがらず、いつまでも考えすぎる傾向があります。逆に、楽しくてウキウキするようなことは、すぐに決めてしまう。

例えば、株式投資で値上がりして利益がのってくると、楽しくなってすぐに意思決定(利食い)してしまう。ところが、経営者のリストラのように苦痛を伴う決断は、ズルズルと先延ばしになって、その間あれこれ思い悩んでしまうのです。

解決策を見つけるために、長時間ネガティブなものと向き合うのは、意味があると思います。しかし、単に感情的に悩んでいるだけなら、早く切り上げるべきです。ネガティブなことに思い悩む時間があったら、その感情を時間を出来るだけポジティブで楽しいことで埋めるようにするのです。

考える時間は、ネガティブな問題の解決に費やし
感じる時間は、ポジティブで楽しいことを想像して気持ちよく過ごす

こうすることによって、ネガティブなエネルギーから、自分を遠ざけるようにすることが、毎日を楽しくさせる工夫です。

まず、自分が今悩んでいることをリストアップしてみましょう。そして、それが自分で解決できるものなのか、どうにもならないものなのか考えてみる。解決できるものは、そのためのアクションをすぐに取って、後は結果を待つ。どうにもならないものは、現実を受け入れる。

自分が持っているネガティブなものすべてを自分の心の中でうまくマネージできれば、それ以外の時間をポジティブなものに充てることができます。

楽しいか楽しくないかは、自分の心の持ちようによって変えることができる。だったら、自分がなりたい状態にどうやったらなれるかを考えて、行動してみることです。人生に残された時間は自分が思っているほど長くはありません。

編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2013年7月10日の記事を転載させていただきました。
オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。