講談社「現代ビジネス」主催の「Co-Work時代の仕事術」で、ジャーナリストの佐々木俊尚さんをお招きしてこれからの働き方についてディスカッションしました。
佐々木さんが書いた最新刊『レイヤー化する世界』をベースに世の中の変化とそれに対応した生き方を考えるのがテーマです。
レイヤー化する世界とは、「<場>を利用しながら管理され、層に切り分けられながら、つながっていく社会」とまとめることができます。
ここで言う「場」とは、テクノロジーによって提供されるプラットフォームと考えればわかりやすいでしょう。現在は、アマゾン、グーグル、アップル、フェイスブックが提供しているようなネット上での活動する場所という意味です。
そのような場にネット上では人が集まり、気が付けば場を提供する会社に下から支配されている。これが現実です。
この構造の中で、人はレイヤーと呼ばれる様々な層によって、様々な人とつながるようになっていく。今までの、会社のように「外の人、内の人」という区別は無くなり、自分の持っている興味に応じて、その都度人が階層を作ってコミュニケーションしていくようになるというのです。
このような社会が本当に世の中で一般的になるのかどうかは、わかりませんが、レイヤー化された社会において、仕事をする上で大切なのは
レイヤー化された存在として自分を認識して
場と言うテクノロジーに支配されるのではなく、それを上手に使いこなす
という当たり前の戦略です。
しかし、このような社会は狭い世界での競争がグローバルな競争に変わることになります。どのように自分の仕事の価値を維持していくかが課題になります。今まで、日本の国内で競争していた人が、いきなりアメリカやバングラデシュの人と同じ土俵に立つ可能性が高まるからです。そんな、競争環境のグローバル化に対する、佐々木さんの意見は私と同じでした。
自分の専門分野をベースに「掛け算」すること
です。何か1つの柱になるスキルを持ち、それに様々な要素を掛け合わせることで他の人が到達できないエリアを作り、それによって競争をしなくても良い環境を広げていくという戦略です。
1つの強みがあれば、それに様々なものを組み合わせて、さらに自分にしかできない世界を作っていく。それによって、レッドオーシャンからブルーオーシャンに仕事を変えていくことが重要なのです。
では、自分が専門性の高いスキルを持っていることを、場の中でどうやって多くの人に知らしめるのか?そこには、パーソナル・ブランディングの出番があるように思いました。
レイヤー化する世界とは、自分の多面性を場の中でわかりやすく伝えることが出来る人が、ブレイクする社会でもあるのです。
編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2013年7月17日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。