時間貸し駐車場「パーク24」のライバルは、同業ではなくセブンイレブン --- 内藤 忍

アゴラ

日経ビジネス最新号(2013.7.22号)の編集長インタビューは東証1部上場企業のパーク24の西川光一社長です。「タイムズ」ブランドで時間貸し駐車場ビジネスを展開して25期連続で増収を達成している優良企業です。


実は西川氏は父親からの世襲で社長になった2代目ですが、インタビューの中からは、そのような匂いがまったくしないのが印象的でした。面白いコメントがたくさんあったので、備忘録的に書いておこうと思います。

1.駐車場は、今でも供給量が圧倒的に不足している
平日昼間の東京・大阪の「瞬間路上駐車台数」は約15万5000台ですが、その約8割が違法駐車。

2.時間貸し駐車上ビジネスに、大手が参入しない理由
大手で参入してきたのは三井不動産のリパークくらい。ビジネスのキモは駐車場の平均契約年数。パーク24は業界平均の3年半よりずっと長い7.5年。340人の営業マンが足で稼いでいます。だからマネできないのです。

3.パーク24のお手本はセブンイレブン
パーク24の駐車場は12000か所でオンライン化されています。セブンイレブンが15000店舗あって、それに近づいている。このネットワークが将来のビジネスになります。

4.カーシェアは拡大をやめれば黒字
カーシェアリング事業は台数を増やしているので、今は赤字ですが、新規の車のコストを吸収できる規模になれば利益を出せます。

5.基本は自前主義
M&Aもやるが、基本は自前でやるのは、生みの苦しみを経験した方が間違えなく強いからです。

6.創業者を超えるという考えはまったくない
創業というのは特殊能力。社長になれる人はたくさんいても、起業家・創業者になれる人は稀。先代は0を10にすることが得意でしたが、自分は10を100にする方が向いていると考えています。

時間貸し駐車場というのは、1つ1つは小さなビジネスですが、数が集まりネットワーク化すれば、コンビニと同じように巨大な社会インフラになる可能性を秘めています。コンビニが自宅の冷蔵庫代わりに使われるようになったのと同じように、駐車場がカーシェアリングの基地になれば、車を持たない人の自宅の駐車場の代わりになる。これからの事業展開に注目です。

編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2013年7月22日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。