2010年4月20日、富山県で起きた老夫婦の放火殺人事件で逮捕された容疑者の元富山県警警部補が、別件の地方公務員法違反で執行猶予付きの有罪判決を受け、釈放されました。この元警部補は、富山県警が放火殺人事件の容疑者として2012年12年に逮捕し、当初は「私がやったことに間違いありません」と供述し、放火についても「証拠隠滅を図りたかった」と容疑を認める自白をしていたんだが、その後の捜査で「自白に信憑性がない」ということで不起訴となり、2012年9月に起きた情報漏洩の地方公務員法違反だけで起訴された、というわけ。ちなみに放火殺人の最高刑は死刑です。
この事件について、ネット上では「身内に甘い警察」とか「物証のないまま裁判で自白を否認されたら検察の面子が丸つぶれだからだろう」など、いろいろと話題になっています。富山県警はなんとしても同容疑者を起訴に持ち込みたかったようなんだが、物証もなく目撃情報も不確かで決め手にはならなかったらしい。今回の容疑者釈放で事件は迷宮入りしそうな気配です。
富山県警と言えば「氷見事件」と呼ばれる冤罪事件があり、これが同県警のトラウマになっているのではないか、と言う人もいます。また、2009年に起きた殺人事件でも容疑者への自白強要の嫌疑が出たこともある。冤罪事件を起こしてきた反省もあり、容疑者の自白だけでは起訴できない、というのが警察や検察の態度なんでしょう。刑事裁判では「有罪率が99%」と言われるように、無罪判決を出すことに抵抗感のある検察官や裁判官も多い。しかし、容疑者がいったんは犯行を認めているんだから、メンツなどにこだわらず、司法の場で決着をつけても良かったのではないか、という声もあります。今回の検察の判断に納得できない遺族は、検察審査会へ不服申し立てをする意向だそうです。
容疑者は同じ県警の同僚、ということもあり、捜査で手心を加えたなど微塵も疑いがあってはならないでしょう。そうした状況は十二分にわかっていると思うので、同県警は威信をかけて今回の捜査をしたはずです。それが証拠不十分で不起訴、となった背景には、やはり初動捜査の遅れや容疑者を追い詰めきれなかった不手際があったのではないか。事件発生から2年8カ月もたってから容疑者逮捕という捜査の遅れなど、容疑者不起訴以上に富山県警への不信感は強い。最高刑が死刑の犯行を自白することに「信憑性」がないとも思えません。真犯人しか知り得ない事実をつかめなかった捜査陣に対する批判が高まるのは当然です。
弁護士 落合洋司(東京弁護士会)の 「日々是好日」
元警部補を不起訴=夫婦殺害、嫌疑不十分-富山地検
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長寿を得たわりに歯は進化してない、という仮説から、将来的にはこんな歯になる、という研究を紹介している記事です。一方で、顎が小型化して歯は物理的な場所を失い、草食獣のような合体型になるんじゃないかな、と思ったりもする。フグのようなクチバシ型ってのは、このことなのかもしれません。もちろん、歯ってのは保守的な器官なので、形状まで変化するためには数千万年単位の時間が必要でしょう。その前に頭部の形状自体が変わってる可能性のほうが高そうです。
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アゴラ編集部:石田 雅彦