2020年のオリンピック、パラリンピック東京開催が決定し、ツイッター上では「五輪までに結婚して子ども産んで、一緒に観に行きたい」という書き込みが急増しているそうだ。そのまとめはコチラ。
オリンピックが東京に決まったようで、少しは日本の景気もよくなるのでしょうか?まず消費税あっぷですか( ゚д゚) 七年後、結婚できて子どもとかいたらいいな~。来週からの週次デート頑張ります(≧∇≦)
祝!東京オリンピック!!
2020年とか、31ながやけど:;(∩´﹏`∩);:
結婚して子どもいますように(笑)2020年のオリンピックは今の彼と結婚して子どもと三人で観にいきたいです
確かに自分も、子どもたちが2020年に何歳になっているかとっさに計算して、一緒に観に行って感動を共有できる年頃だなあなんて想像したが、まさかオリンピックが子どもを生みたいと思う心理的効果まであるのかと半信半疑ながら驚いた。日本が抱える最も深刻な問題の一つである少子化対策に効く可能性があるのであれば、ぜひこの気流を逃さずに、第三次ベビーブームを到来させたいものだ。
過去の事例を見てみると、1964年の東京オリンピックの翌年には出生率が0・9ポイント増加し、2.14を記録している。この前後も丙午の年の1966年を除いて第二次ベビーブーム(1971~1974年)まで出生数が上昇し続けている。もちろん、高度経済成長や団塊の世代の出産期と重なったなど様々な要因が考えられるが、オリンピックが何らかの影響を及ぼしたことも否定できない。
また最近では、2008年の北京五輪でも中国でベビーブームが、2012年のロンドン五輪でもイギリスでベビーブームが起きたという。BBCによると、イギリスでは、2011年6月から2012年6月に生まれた赤ちゃんは1972年以来最高の年間81.3万人だった。イギリスはここ10年ほど出生率が上昇しており、2.0近くにまで回復している。もちろん、子育て支援策や移民家庭の高出生率の影響もあるだろうが、それにしても他の欧州各国と比べても高い出生率だ。2012年のオリンピックが影響したと言えなくもない。
オリンピックがベビーブームをもたらすのか、真偽のほどは定かではないし、2020年の日本でそうなるかは誰も分からない。ただ、2020年と言えば、現在の傾向が続けば、東京も含めて日本の全ての都道府県が人口減少を迎えると予測されている年である。高齢者比率も東京で25%、全国で30%になっている。(参考:出生率が最も低い自治体)少子高齢化はもはや避けられないだろうが、そのトレンドを緩やかにし、より持続可能な社会にできるかはオリンピックの2020年までの期間にかかっているのかもしれない。「結婚して子どもを生みたい」という普通の夢が実現できるよう、子育て環境の整備と支援にも、ぜひ「オールジャパン」で取り組んでいただきたい。
学びのエバンジェリスト
本山勝寛
http://d.hatena.ne.jp/theternal/
「学びの革命」をテーマに著作多数。国内外で社会変革を手掛けるアジア最大級のNGO日本財団で国際協力に従事、世界中を駆け回っている。ハーバード大学院国際教育政策専攻修士過程修了、東京大学工学部システム創成学科卒。1男2女のイクメン父として、独自の子育て論も展開。アゴラ/BLOGOSブロガー(月間20万PV)。著書『16倍速勉強法』『16倍速仕事術』(光文社)、『マンガ勉強法』(ソフトバンク)、『YouTube英語勉強法』(サンマーク出版)、『お金がなくても東大合格、英語がダメでもハーバード留学、僕の独学戦記』(ダイヤモンド社)など。