「千本松 沼津倶楽部」~ 知られていないうちに行くべき穴場の宿 --- 内藤 忍

アゴラ

取材で千本松 沼津倶楽部に来ています。東京にいる人にとって、このオーベルジュのメリットの1つはアクセスの良さです。新幹線の三島駅からタクシーで3000円以下。目黒の自宅を出て、東横線で菊名に行き、横浜線で新横浜に到着すれば、こだまで1時間もかかりません。Door-to-doorで1時間半ほどで到着できました。車で行っても2時間ほど。アクセスが非常に快適です。


沼津港の近くにある宿は、全8室。私たちが取材した日は貸切でした。元々数十名の会員の出資によって、会員とその紹介者だけのために作られた施設。それを昨年から宿泊予約サイトの一休ドットコム限定で、外部のお客様も取るようになったそうです。まだ一般にはあまり知られておらず、かなりの穴場です。

部屋数が少ないので、静かに時間を過ごせます。そして広い敷地に建てられた宿泊棟の建物に圧倒されます。建築関係の仕事をしている人には見どころ満載の建築物ということですが、確かにマニアックな構造で、室内もある種前衛的です。

この宿のもう1つのウリが食事です。同じ施設にある別の建物に「VERJUS(ヴェルジュ)」というフレンチがあるのですが、極めてレベルの高い、独創的な料理を提供してくれます。

メニュは毎日シェフが仕入れを確認してから、その場で決めるということ。つまり、毎日作る料理が変わるということです。普通のレストランでは月替わりでメニュを変える場合が多いと思いますから、かなりの実力が無いとできないことです。連泊した場合でも毎日違う料理を当たり前のように食べられます。

メインの料理の前に小さなお皿が続くのですが、豪華な食材を今まで味わったことのテイストに仕上げています。フォワグラ、トリュフ、アワビ、といった材料が惜しげもなく使われているのですが、軽快な味付けとボリュームを抑えていることから、スイスイ食べられてしまいます。

写真のアワビも、爽やかなソースと柔らかい身が一体になって、シャンパンに良く合う素晴らしい一品に仕上がっていました。

最高の料理を数寄屋造りの古い建物を改造した、レトロな空間で楽しめます。窓の外に見える風景も緑が映えて美しく、東京では味わえない空間です。

小さな宿ならではのアットホームなサービス。素晴らしい食事と圧倒される施設。アクセスが良いですから、金曜日の仕事が終わってから家に帰り、車に乗って出かけるといった使い方もできます。

周囲には沼津港の市場もあります。海産物を味わうのも良いでしょう。そして三島には、うなぎの名店もたくさんあります。また行きたい宿が1つ増えました。

編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2013年11月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。