11月24日、スイスのジュネーブで開催された核問題に関する国連総会で、米国を含む主要6カ国がイランの最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ氏とイランの核計画プログラム凍結に関する暫定協定に達した、と報じられました。これは「歴史的」な妥結協定、と言われているんだが、米国内の強硬派やイスラエル、サウジアラビアは猛烈に反発しています。イラン経済は欧米からの経済制裁により壊滅的な打撃を受けているようです。窮鼠猫を噛む、とならないためにも、このあたりで締め付けを弱め、イランの譲歩をうながした、という感じでしょうか。
表題の記事は、イランの通貨リアルがリバウンドした、という内容です。ちょっと前までリアルは1ドル4万リアル近くにまで急落するほどの体たらくでした。極度な通貨の下落はハイパーインフレを引き起こす。イランのインフレ率は、20%とも30%を超えるとも言われています。それが今回のジュネーブ協定での「歴史的な打開」により1ドル2万9000リアルにまで回復した、というわけです。この記事によると、あまりにも急激な通貨の変動を嫌い、当局が市場に介入する可能性もあるらしい。いずれにせ、こうした経済的な効果が目に見える形で出てくれば、イラン政府もこの先、態度を変えることはないでしょう。
ただ、今回の「ジュネーブ協定」による北朝鮮の態度の変化について、あまり目立った論評は少ないような気がします。言うまでもなくイランと北朝鮮との間には強い関係がある。今回の「歴史的」な歩み寄りが、北朝鮮の外交に何らかの影響を与えるだろう、と考えるのは当然でしょう。もちろん、イランの背後には中国やロシアの陰も見え隠れしている。極東の情勢が今後どんな変化を見せるのか、要注目、といったところです。
Business Insider
Iran’s Currency Rebounds In Wake Of Nuclear News
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放射性廃棄物の地下貯蔵の研究:幌延
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北海道の幌延、という場所は、もう最果てといっていいような場所です。何度か足を運んだことがあるんだが、稚内に近い。吉村昭の小説『羆嵐』の舞台になった苫前町のずっと北のほうです。廃棄物の処理・保管については、小泉元首相が騒ぎ出してから、にわかに注目を集めています。このブログの「付記」では、最終処分場を作ることができない、という小泉元首相の考えは「小学生並みの単細胞」と断じている。そもそも幌延の研究施設は、彼が在任中に建設されたものらしい。やはり、ここんところの小泉元首相の言動には、何かウラの動機があるんじゃないか、と邪推したくなります。
アゴラ編集部:石田 雅彦