猪瀬都知事の辞任表明のニュースが流れ、遂に都知事選となりそうです。立候補者はこれから出揃うことになりますが、先日、安倍首相が「都知事候補は若い女性がいい」と周辺に話していたという報道もあり、スキャンダル辞任後のクリーンなイメージが求められることからも女性候補は少なからず出てきそうな予感です。
もちろん、候補者は女性であるか男性であるかではなく、政策やその遂行能力、人格などで選ばれるべきです。とはいえ、私は少子化対策こそ次期都知事に力をいれてほしい重要政策の一つであると考えており、子育て世代の気持ちやニーズの分かるであろう子持ちの女性は、その経験を都政にいかせるのでは、というより、いかしてほしいと思う次第です。
というのも、東京都の出生率は1.09と低迷し、全国の1.41よりもかなり低く全国最低です。(参考:出生率が最も低い自治体)一方で地方からの流入により人口自体は増加しており、いわばブラックホールのように日本の人口を吸い取ってしまっているわけです。また、出生率が低いにもかかわらず、待機児童は7200人と全国24000人のうち3割も占めている状態です。東京での少子化対策が成功しなければ、日本の少子化問題は解決せず、社会保障制度や国民経済は立ちいかなくなるでしょう。東京オリンピックまでにベビーブームの波をつくれるかが最後のチャンスのようにも思います。
では具体的な候補者ですが、少子化対策というよりも、東京オリンピック・パラリンピックの準備という観点から、夏冬ともに五輪出場経験のある自民党の橋本聖子氏の名前が取り沙汰されています。子持ちという観点からは、国会議員として二人目の出産を経験し、6人の子どもがいらっしゃるとのこのとです。
民主党で都知事候補になれそうな子持ち女性であれば、蓮舫氏でしょうか。こちらは双子のお子さんがいらっしゃいますね。
他には、「ママでも金」の谷亮子氏も知名度や五輪という点ではよいですが、生活の党の基盤の弱さや政治家としての実績不足から難しいでしょうか。
自民党では小渕優子氏も現職議員として最近2回の出産を経験しており、現役の子育て世代というイメージは強いですね。
以上、ほかにも男女含めて都知事候補となりそうな方はいますが、敢えて子持ちの母という観点から名前を挙げてみました。もし彼女らが実際に立候補した場合は、特に少子化対策に注目したいです。もちろん、都政はそれだけではないので、教育、防災、福祉・社会保障、オリンピック・パラリンピック、環境、雇用、それからカジノも入ってくるのでしょうか、様々な政策が闊達に議論されることを期待します。
学びのエバンジェリスト
本山勝寛
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「学びの革命」をテーマに著作多数。国内外で社会変革を手掛けるアジア最大級のNGO日本財団で国際協力に従事、世界中を駆け回っている。ハーバード大学院国際教育政策専攻修士過程修了、東京大学工学部システム創成学科卒。1男2女のイクメン父として、独自の子育て論も展開。アゴラ/BLOGOSブロガー(月間20万PV)。著書『16倍速勉強法』『16倍速仕事術』(光文社)、『マンガ勉強法』(ソフトバンク)、『YouTube英語勉強法』(サンマーク出版)、『お金がなくても東大合格、英語がダメでもハーバード留学、僕の独学戦記』(ダイヤモンド社)など。