ネトウヨと都知事選 --- うさみ のりや

アゴラ

なんとなく今回の都知事選はネット右翼こと「ネトウヨ」という層に対する対応の仕方が、勝敗を分けるような気がしています。(初めに申しますが、ここではネトウヨという言葉をネガティブに用いているわけではありません。)

かつて「ネトウヨ」はインターネット上の一部のコミュニティに過ぎませんでしたが、「反民主党」という文脈の中でここ数年間ネトウヨは加速度的に広がりをみせ、もはやネット上の世論のマジョリティになったような気がしています。実際ネトウヨの大半から支持を集める三橋貴明氏や稲田朋美氏や百田尚樹氏そして安倍晋三氏などは国政の中枢にいるわけですしね。そういう意味ではもはや「ネトウヨ」と一括りに捉えることは適切ではなく、ネトウヨを細かく分析することが必要な段階に来ているのでしょう。

私個人の見方としては「ネトウヨ」っていうのは積極的に自分の政治的な立場を決める存在ではなく、反バラマキ給付や反日銀や反中や嫌韓というように反作用で自分の立ち位置を決める存在だと思っています。なので巨大な敵に対して攻めている時は大同団結して違いを感じないわけですが、前回の衆院選で彼らの最大の敵で憎しみの対象であった民主党が死に体と化した今となっては共通の敵を見いだすことが難しくなりそうで、どのような投票行動を見せるのかということはとても興味深く思っています。基本的にネトウヨと呼ばれる層はマスコミからの情報に疑いを抱いている中流層が大半なので、一部の過激派を除けば(そのような人達はネトウヨというより単なる極右に思えますが)多分一良識のある市民に戻って、マトモそうな候補に投票するのだと思います。

逆に言えば、今回の選挙は一部の候補者が対立候補者をネトウヨが反応する仮想敵に仕立て上げるようなブランディングをする可能性があります。多分噂されている細川元首相が出馬すればおそらく格好の標的になるでしょうね。本来はそのような展開は望ましくなく「オリンピック時にどのような東京を目指すのか」という議論などがなされることがよいのでしょうが、ここまで唐突でかつ候補者がでそろわない選挙とあっては、ネガティブイメージを相手につけて攻め込むというような構図になる可能性が高いんじゃないかと思っています。都知事という重要な職を選ぶ選挙がそんなことで良いのか、という思いも一方ではありますが。

三連休の終わりとあってしょうもない与太話を書いてしまいましたが、あと一ヶ月もあれば結果が分かることなので都知事選の行く末を見守りたいと思います。

ではでは今回はこの辺で。


編集部より:このブログは「うさみのりやのブログ」2014年1月14日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はうさみのりやのブログをご覧ください。